谷川 俊太郎 理事長の独自取材記事
しゅんしゅんキッズクリニック 船堀院
(江戸川区/船堀駅)
最終更新日:2026/04/27
2026年2月に「しゅんしゅんキッズクリニック 西葛西院」の分院として、都営新宿線・船堀駅から5分の大通り沿いに開業した「しゅんしゅんキッズクリニック 船堀院」。同院の特徴の一つは、院内には待合室がないこと。患者は7室ある診察室でそれぞれ待ち、医師や看護師が各診察室に移動するという画期的な診療スタイルを取っている。「院内感染予防に加えて、患者さんやご家族の不安を軽減できればと考えています」という、谷川俊太郎理事長の想いが反映された院内設計だ。船堀は小児医療が不足している地区であることから、同院は地域から大きな期待が寄せられているそうだ。そんな同院の特徴や小児医療への取り組みなどについて語ってもらった。
(取材日2026年2月19日)
待合室を設置せず各診察室で待つ診療スタイル
小児科医をめざしたきっかけと、これまでのご経歴をお話しください。

私は子どもの頃、体が弱くて何年も小児科に通っていました。喘息やアトピー性皮膚炎で苦しくても、主治医の先生がとても優しくて気持ちが楽になったのを覚えています。看護師さんも点滴など処置がうまかったんです。医師やスタッフの、患者に対する姿勢の重要性を身をもって体験していく中で、将来は小児科の医師になろうと考えるようになりました。日本大学を卒業後、大学病院で小児血液学を専門とし、主に白血病など血液のがんの患者さんを診てきました。さらに関連病院では小児の肺炎や胃腸炎などの一般疾患、また重症心身障害児の診療にあたり、その後、小児科のクリニックで日常的な病気全般に対応し、園医としての診療やクリニックの運営にも関わってきました。こうしてさまざまな現場で経験を積み、2020年に「しゅんしゅんキッズクリニック」を西葛西に開業しました。
こちらは2軒目のクリニックとなるのですね。船堀に開業した理由をお聞かせください。
おかげさまで西葛西の「しゅんしゅんキッズクリニック」の患者さんが増えて予約が取りづらくなってきたため、クリニックを拡張しようかと思ったのですが、それもなかなか難しいことがあり、考えあぐねていました。そんな折、船堀地域は小児科医療が不足しているという話を、園医をしている保育園の先生方からよく聞くようになったのです。西葛西に来ている親御さんからも「船堀に小児科クリニックがないのでここに来た」といった声を聞いていました。実は、西葛西に開業する以前、閉業して今はもうありませんが船堀の小児科クリニックに勤務していた経験もあり、土地勘もあったので開業に至りました。今、当院と西葛西院ではスタッフが行き来していて、両方のカルテを見られるようになっていますので、ご都合に合わせてクリニックを使い分けることもできます。
こちらは待合室が設置されていないのですね。

当院は、待合室を設置せず、患者さんには7つある診察室で待っていただいて、医師がそれぞれの診察室に入って診るスタイルを取っています。病院に行って病気をもらってくるのではないかと心配する親御さんもおられますから、できるだけ院内感染を防げるよう配慮しました。待合室で待っている間、他の患者さんやスタッフの動きを見ているだけで、患者さんはますます不安になるでしょう。親御さんも待合室で子どもが泣いたりぐずったりすると迷惑なのではと気を使うと思います。診察室の扉のイラストや壁紙のデザインは、それぞれ変えていて、どのお部屋も楽しい雰囲気です。アニメを見られるモニターもありますので、周りを気にすることなく安心して待つことができます。一般的な処置も看護師が各診察室に入って行います。検査以外、ほとんどのことは診察室内で完結できますので、安心して受診していただけると思います。
女性医師も在籍、それぞれの専門性を持って悩みに対応
クリニックの診療方針について教えてください。

当院では患者さんとご家族に、症状の経過の見方や家庭でのケア方法を知っていただくことを重視しています。今の症状から今後どういう症状を経ていくか、この症状になったらこうすれば良い、ということを丁寧にお話しして、ご家族の方に理解していただけるよう努めています。また、風邪の一般的な経過を説明することで、次に風邪にかかった時もあわてて受診することもなく、冷静に経過を見ていくことができると思います。ご家庭の中でしっかりケアできれば、クリニックの来院頻度も最小限になり、ご家族の負担も軽くなるのではないでしょうか。そして、ご家庭内で正しくケアされたお子さんたちが大きくなって結婚し、その子どもたちにも同じようにご家庭内でケアができる、と世代を超えてつながっていけばと考えています。
こちらでは女性の先生も診察しているそうですね。
宮田院長と福井先生が診察しています。いずれも大学病院や市中病院、クリニックなどで小児医療の経験を豊富に積んできています。宮田院長は小児内分泌が専門ですので低身長症や糖尿病、肥満症、思春期早発症などホルモン分泌と関連する疾患について適切に診断・治療できます。宮田院長は診察の際、患者さんと同じ目の高さでアイコンタクトを取ることを大切にしていますね。そして、ことあるごとに患者さんを褒めています。宮田院長も子育て中ですので、親御さんの気持ちがとてもよくわかるのでしょう。些細なことで心配して来院した親御さんたちに、症状のその後の経過やホームケアの方法を丁寧にお話しして、少しでも親御さんの不安や負担が軽減できるようにしています。子どもの体調は夜に悪くなることが多いので、何か気になることがあればためらうことなく日中に受診して、夜は親子ともども安心して寝ることが大切とも話しています。
福井先生の専門についても教えてください。

福井先生はアレルギー性疾患を専門としています。気管支喘息やアレルギーによる疾患、アトピー性皮膚炎など高い専門性を持って治療しています。食物アレルギーについても、何か食べた後に症状が出た場合、それが本当にアレルギーによるものであるかどうか診断して、適切な治療につなげています。今後は、ダニアレルギーやスギ花粉症に対する舌下免疫療法や、アナフィラキシーに対するアドレナリン自己注射薬の処方なども行っていく予定です。また福井先生は、母乳育児支援について専門的な知識や技術も持っています。母乳育児で悩んでいるお母さんも多いと思いますので、ご相談いただければと思います。
2026年4月からは病児保育も実施予定
病児保育室も新たに設置すると聞きました。

2026年4月から、院内に病児保育室を開設します。共働きの親御さんにとって病児保育施設はとても重要です。また、地域の方々だけでなく、当院のスタッフにとっても必要と考えて設置することにしました。スタッフのお子さんが急に病気になってどこにも預けられないとなると、診療にも支障を来しかねないですし、患者さんにも迷惑がかかることになりますから。
ところでこちらでは、かわいいサモエドが迎えてくれるのですね。
今はまだセラピードッグではないのですが、いずれ1歳を過ぎたらしつけや訓練をしてセラピードッグとして活躍してくれればと思っています。犬のアレルギーを持つお子さんもおられますので、犬の扱いや衛生管理には特に注意しています。ケージから外に出さないようにして、院内の空気清浄にも配慮しています。犬によって、お子さんだけでなく、育児で疲れ、気持ちがふさいだ親御さんも、少しでも癒やされればと思っています。
最後に、今後の展望と地域の方々へのメッセージをお願いします。

開業したばかりですので、まずは当院のことを知っていただいて、地域の方々との信頼関係を築いていきたいと思います。「ここに小児科があって良かった」と多くのご家族の方に言っていただけるようなクリニックにしていきたいですね。お子さんの症状の予測やそれに対するケア方法も丁寧にご説明しています。いろいろと心配なことも多いと思いますので、不安や疑問なども遠慮なくお話しください。船堀の地域のお子さん方の成長をしっかりと見守っていきたいと思います。

