渡邉 行人 院長の独自取材記事
渡辺医院 尾上クリニック
(岡山市北区/備前一宮駅)
最終更新日:2026/05/13
2025年12月、住宅街が広がる尾上の地に開業した「渡辺医院 尾上クリニック」。院長を務める渡邉行人先生は兵庫医科大学を卒業後「大阪船員保険病院(現・大阪みなと中央病院)」や「岡山ろうさい病院」などで研鑽を積んできた内視鏡のエキスパートだ。同院では内科、内視鏡内科、消化器内科を標榜。加えて「消化器系疾患は早く見つければ楽に治療できる、だからこそ来院しやすい病院でありたい」と、内科全般から骨折の治療、美容の相談まで幅広く対応。基幹病院とも連携しながら、困った時に頼れるクリニックをめざしている。「患者さんを自分の親だと思って接する」ことが信条で、勤務医時代に関わった患者とも長く親交が続いているという。そんな穏やかで親しみやすさのある渡邉院長に、開業の経緯や診療における信念などについて尋ねた。
(取材日2026年2月10日)
地域医療を支える医師として
尾上で開業した経緯をお聞かせください。

開業を考えたのは、地域の方から父親のクリニックである吉備津の渡辺医院の理事長に「クリニックが多い地域もあるのに、尾上には通える内科がない」という声を頂いてからです。今回は、たまたまこの土地のお隣の方が「地主の方が、クリニックに来てほしいとずっと言っているから話をしてあげるよ」と声をかけてくださって、一気に話が進みました。多くの地域の方に背中を押していただいたからこそ、ここでの開業につながり、本当に感謝をしています。今は渡辺医院と協力し、家族で地域医療を支えるクリニックとして頑張っていこうと思っています。
診療科目についてお聞かせください。
消化器内科、内視鏡内科が専門ですから、胃カメラや大腸カメラの検査を「怖い」「よくわからない」「症状がないから大丈夫」と思っている方にこそ、来ていただきたいですね。「消化器内科」と聞くと特別に感じてしまうかもしれませんが、内科全般を診ますし、心臓が心配で来られる方もいらっしゃいます。「寝つきが悪い」「ぐっすり眠れない」といった睡眠の悩みで、遠方から調べて来てくださる方もおられます。私自身が睡眠時無呼吸症候群であったこともあって、夜間の睡眠の問題で昼眠いだけなのにどうしたら良いかわからないつらさがとてもよくわかります。睡眠分析の機械もありますので気軽にご相談ください。また化粧品やスキンケアといった美容の相談にも対応しています。来院する機会を設けて、検査や健診に対する意識を高めていただければと思います。
クリニックの特徴を教えてください。

内視鏡検査とエックス線(レントゲン)検査を受けられる部屋を用意しています。特に大腸の内視鏡検査はどれだけ上手な医師でも、手術歴や、腸の形により検査中に痛みや苦痛があることがあります。そういう場合でも無理に押して進めるのではなく、必要に応じてエックス線で撮影して腸の形を見ながら進めることで、より安全により負担が少ない検査をめざせると考えています。検査時間も早く済みますから、患者さんのつらさを減らすために持っておきたかった設備です。
患者への負担が少ない検査をめざして
胃カメラ検査についてはいかがですか?

胃カメラと聞くと、どうしても恐怖心が強くなると思います。だからこそ「寝ている間に終わったと思える検査」を大切にしています。胃がんなどのリスクがある方にとって、つらい検査を経験して「もう二度と受けない」となってしまうことは一番避けたい未来かと思います。ゆったり落ち着いているうちに終わらせて「また受けよう」と思えることが一番大切だと思っています。静脈麻酔を使った鎮静をご希望の場合は、当日、車の運転ができないなど注意点はありますが、バス停も近いですし、備前一宮駅から来ていただく選択肢も含めてご案内しています。状況に応じて、鼻からの細いカメラを使った経鼻内視鏡にも対応しています。早期発見が何より大切ですからご心配な症状のある方は、早めに検査できる体制を取っています。
検査のために何度も通院するのが面倒な場合は?
検査のために1回、治療のためにもう1回、となると大変ですよね。患者さんの負担を減らすためにも、大腸のポリープは検査で見つけたらすぐその場で切除することが多いです。大腸がんのリスクは40代頃から少しずつ上がり、50代でぐっと上がってきます。特に健診で便潜血に引っかかった方や、便に血が混じるような方は、痔だと自己判断せず内視鏡検査を強くお勧めします。便に血が混じる、と聞くと真っ赤な便を想像する方が多いですが、実際は見た目だけではわかりづらい出血の場合が多いです。だからこそ「症状がないから大丈夫」と思わず、健診で指摘されたら二次検診として大腸カメラを受けに来ていただければと思います。
検査の目安を教えてください。

検査の目安として、胃カメラは40歳を過ぎたら1〜2年に1回。大腸カメラはポリープがあった方は毎年、なかった方でも2〜3年に一度をお勧めしています。症状がなくても、健診で引っかかったり、少しでも気になることがあれば、内視鏡検査をご検討ください。消化管の病気は、内視鏡でわかる異常ほど、早期に見つかればそれだけ治療が楽に済むことが多いです。がんなども早く見つけて、適切な医療機関で手術や治療につなげることができれば、治療の負担は少なくて済みます。ただ、痛いのやつらいのを我慢して検査を受けるのは、誰でも嫌ですよね。だからこそ、麻酔を使って内視鏡検査のハードルを下げ、自分が受けても良いと思えるかたちで検査を提供しています。
地域の安心を支える病院の窓口として
クリニックの理念を教えてください。

私は常々「地域に根差したクリニック」でありたいと考えています。そのためには、医師と患者さんが上下の関係になるのではなく、同じ方向を見て、同じ歩幅で歩んでいくことが大切だと思っています。勤務医時代も、患者さんとしっかり向き合い、たくさん言葉を交わしてきました。その積み重ねの中で信頼していただき、今でもお付き合いが続いている方が何人もいらっしゃいます。患者さん目線で話すこと、悩みがあれば一緒に良い方向を考え治療していくことと思っています。そして困ったときに「とりあえず先生に相談しよう」と思ってもらえる、いわば地域の駆け込み寺のようなクリニックでありたいと思っています。
診療で心がけていることはありますか?
患者さんと接する時は、常に「自分の家族」だと思って言葉を選ぶようにしています。自分の家族を怒らせてしまうような言い方は、患者さんにもしたくありません。例えば「お酒をやめてください」「タバコをやめてください」と正論を伝えることは簡単ですが、そこには必ず「飲みたい理由」「やめられない理由」があります。ですから、まずはたくさんお話をして「少し減らしてみませんか」「最終的にはやめられると良いですね」と寄り添いながら、現実的な目標を一緒に探していきます。頼って来てくださっているからこそ、親戚のおじさんのような立場で「お孫さんが悲しみますよ」とお伝えすると、生活を見直してくださる方も少なくありません。ご本人だけで難しい場合は、ご家族も交えて一緒に考える。そのほうが前に進めることが多いと感じています。
読者の方へメッセージをお願いします。

若い方や働き世代の方にとって、受診の一番の壁は「待ち時間」だと思います。待つのが当たり前になってしまうと「仕事があるから病院へ行けない」と先延ばしにしてしまう。これでは患者さんにとって良くない。そこで当院は予約制を基本にして、予約の方を最優先にご案内しています。スマートフォンから事前にウェブ問診を入力していただければ、内容を見て必要な検査を先に行い、結果を踏まえて診察へ。「パッと来て、パッと帰れる」流れをつくって、仕事前や合間に受診しやすい体制を整えています。体調の不安や生活習慣、検査の内容など「こんなことで相談して良いのかな」と思うことほど、遠慮せず相談に来てください。これからも、何でも相談できる地域のクリニックとして、地域の皆さんに寄り添ってまいります。

