坂詰 智美 院長の独自取材記事
Bookmark Dental Clinic
(燕市/吉田駅)
最終更新日:2026/05/18
新潟県燕市吉田の商業地の一角にある「Bookmark Dental Clinic」。地域に根差した歯科医院として2025年11月に開院し、子どもから高齢者まで幅広い患者が訪れている。院内はやわらかい雰囲気で、キッズスペースや託児体制を備えている。歯科医院に対する「怖い」「痛い」といったイメージを和らげるための工夫が随所に施されているのも特徴だ。坂詰智美院長は、歯科口腔外科領域の経験を含め県外で研鑽を積み、地元への想いから、同地での開業を決意。「治療だけで終わらず、患者さんと一緒に歯を守っていきたい」と語るその姿勢には、歯科医師としての専門性と、親しみやすい人柄の両方がにじむ。坂詰院長に、同院の特徴や診療への想いについて話を聞いた。
(取材日2026年3月23日)
「通いたくなる歯科医院」を地元に
まずはこの地で開業された理由と、開業後の反応について教えてください。

開業したいという想いは10年くらい前からあったのですが、同時に「大変そうだな」という気持ちもあり、ずっと迷っていました。そんな中で、どこなら頑張れるかなと考えたときに、やはり自分の地元だったら頑張れるかなと思って、吉田エリアに戻ってきました。今までの学びや積み上げてきたことをどこに還元したいかと考えたときも、地元がいいなと思ったんです。実際に開業してみると、想像していた以上に患者さんに来ていただいて、通っていた歯科医院が閉院されたり、他の歯科医院の予約が取りづらかったりと、行き場に困っている方も多い印象です。スタッフにも恵まれて、私のほうが引っ張ってもらっているような場面も多々ありつつ、日々診療にあたっています。
御院の名前には、どのような思いを込めましたか?
「Bookmark」は英語で本のしおりを指す言葉です。もともとは「しおり歯科」という名前を考えていたのですが、準備の段階で私の名前を「坂詰しおり先生」と間違われることが多く、これは違うなと思って……そこで「しおり」を言い換える言葉を探して「Bookmark」にしました。英語でブックマークは本のしおりという意味だけでなく、「お気に入りの場所」や「居心地の良い場所」という意味もあるんです。歯科医院はどうしても「怖い」「痛い」といったイメージがあると思いますが、本来はお口の中をクリーニングして、気持ち良くなることにつながる場所でもあるはずなんですよね。治療が必要な状態になる前に、メンテナンスで通っていただけるような、気軽に立ち寄れる場所になったらいいなという気持ちを込めています。
院内の空間づくりや、託児サービスなどの工夫について教えてください。

リラックスできる空間にしたいという思いがあり、美容院のような雰囲気を意識しました。美容院に来た時のように、来院された方が少しきれいになったような気持ちで帰っていただけたらいいなと思っています。また、私自身が子どもを連れて外出する大変さを経験してきたので、キッズスペースの位置や広さもかなり考えました。お子さんを見ながら親御さんが座って過ごせるようにし、安全面にも配慮しています。保育士も在籍し、診療中にお子さんを預けられるよう体制を整えました。妊娠中や出産後は歯科医院に通いづらい時期でもあると思うので、そういう方にも安心して来ていただける場所にしたいと思っています。
自身の歯を守るための“本気の予防歯科診療”を
予防歯科に力を入れているとお聞きしました。

新潟県は子どもの虫歯が少ないという印象だったんです。実際に統計を見てみると、12歳の時点では虫歯は少ないものの、20~30代になると虫歯や歯周病の方が増え、全国平均よりも悪くなってしまう傾向があるとわかりました。定期検診の受診率もあまり高くなく、せっかく良い状態の歯であっても、その後の管理がうまくいっていないのかもしれない、と感じました。虫歯は運が悪くてなるものではなく、きちんと知識があれば防ぐことがめざせるものでもあります。私たちはその方法を知っていますが、患者さんは知らないことが多いんですね。だからこそ、治療だけで終わるのではなく、定期検診を通して一緒に管理していく、伴走するような関係が大切だと考えています。
診療の中で、患者さんに特に重視して伝えていることはありますか?
どんなに良い治療をしても、自分の歯より良いものはないということは、必ずお伝えするようにしています。一度削った歯は元には戻らず、詰め物やかぶせ物もずっと同じ状態で保てるわけではありません。だからこそ、そもそも虫歯にならないことが一番大事です。歯は28本ありますが、1本失うと噛み合わせとしては1組失うことになり、その影響は他の歯にも広がっていきます。また、食事の楽しさも自分の歯があってこそで、特に食感はとても大切な要素です。例えばポテトサラダでも、具材の違いがわかるのは歯があるからこそなんですよね。そうしたことを患者さんにできるだけ具体的に伝えながら、どうすれば長く自分の歯を守れるかを一緒に考えていきたいと思っています。
患者さんとの向き合い方や、コミュニケーションで意識していることがあれば教えてください。

患者さんに対して「できない人」と決めつけず、できることを一緒に増やしていくような関わり方を大事にしています。時には「ご自身の歯はご自身で守るしかないんですよ」と伝えることもありますね。それは、きちんと大事なこととして受け取ってほしいからです。あまり「患者さんと先生」という距離感になりすぎず、患者さんに「智美ちゃんに怒られるから頑張るよ」と言ってもらえるくらいの関係がちょうどいいと思っています。患者さんが本音を話してくださらないと、本当の意味でのサポートはできません。だからこそ、気軽に相談できる雰囲気をつくりながら、必要なことはしっかり伝える。そのバランスを意識しています。
“智美ちゃん”と呼ばれるような距離で支える歯の健康
歯科医師をめざしたきっかけと、これまでの歩みについて教えてください。

もともとは通訳の仕事に興味があったので文系だったのですが、高校の担任の先生から「歯医者さんはどう?」と勧められたのがきっかけです。父にも「仕事は人のためにするものじゃないか」と言われ、確かにそうだと思って進路を決めました。実家は肉屋で医療とは無縁でしたが、小さい頃にけがをした子の応急処置をしたり、電車で体調が悪くなった方に手を貸したり、思えばそういったことが自然にできていたことも、今につながっているのかもしれません。学生時代は水泳に打ち込みました。努力を積み重ねることでできなかったことができるようになる、という感覚を経験できたことは大きかったですね。新潟大学卒業後は長野へ行き、その後茨城、千葉とさまざまな環境で経験を積みました。いろいろな先生方から学びながら、自分なりの診療スタイルを少しずつ形にしてきたように思います。
これまでの経験や出産・子育ては、診療にどう影響していますか?
結婚や出産を経験する中で、歯科医院に通うタイミングの難しさを実感しました。妊娠中は体調の問題もありますし、出産後も子どもを預けられる時期になるまで、なかなか受診できないことも多いと思います。そうした経験から、マタニティー期の歯科診療や託児の必要性を強く感じるようになりました。また、子どもの成長のスピードに刺激を受けて、自分ももっと成長しなければと感じるようになり、学びを深める機会も増えていきました。夫の支えもあり、子育てと仕事のバランスを取りながら、今に至っています。できることを増やしたいという思いから、今も休日にはセミナーに参加することが多く、継続的に学びを重ねています。歯科口腔外科での経験をベースにしつつ、一般歯科や予防の分野も深めてきたことで、幅広く対応できるようになったのは大きな変化だと思います。
今後の展望と、読者へのメッセージをお願いします。

食べることが好きなので、噛めることの大切さを日々実感しています。食感がわかることや、家族と同じ食事を楽しめることは、生活の質に直結すると思っています。もし治療を通じて生活が変わったと感じていただけたら、この仕事を選んで良かったなと感じると思います。一方で、治療だけでなく、どうすればその状態を維持できるかを一緒に考えていくことも大切です。まだ知られていないことや誤解されていることも多い分野だからこそ、正しい情報をわかりやすく伝えていきたいです。気になることがあれば遠慮なく相談していただいて、ご自身の歯を長く大切にしてもらえたらうれしいです。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント/40万5000円~、セラミックを用いた補綴治療/3万3000円~

