神経を残して歯を守るための
「歯髄温存療法」とは
ふじひら歯科クリニック
(交野市/交野市駅)
最終更新日:2026/06/03
- 自由診療
虫歯が大きく進行していた場合「神経を取るのは仕方ない、でもできれば残したい」と考える人は多いだろう。従来、虫歯が神経まで進行した場合は、神経を取る「根管治療」が一般的とされてきた。しかし近年は、精密機器や材料の進歩によって、これまで難しかったケースでも神経を残せる可能性が広がってきているという。中でも注目されているのが、できる限り神経を残しながら治療を進める「歯髄温存療法」だ。大阪府交野市「ふじひら歯科クリニック」では、大学院で歯内療法学を学び、数多くの根管治療に携わってきた藤平智広院長が、歯髄温存療法にも力を注いでいる。そこに込めているのは「できる限り自分の歯で、長く豊かな人生を送ってほしい」という切なる願い。今回は藤平院長に、歯髄温存療法の特徴や同院での治療法などについて詳しく聞いた。
(取材日2026年5月18日)
目次
まずは知ってほしい、将来の歯の寿命まで見据え歯の神経を残すための「歯髄温存療法」
- Qまずは歯髄温存療法について教えてください。
-
A
▲できる限り神経を残しながら治療を進める「歯髄温存療法」
歯髄温存療法とは、虫歯が神経近くまで進行している場合でも、悪くなった部分だけを丁寧に取り除き、健康な神経をできるだけ抜かずに進める治療法です。これまでは深い虫歯の場合には「虫歯が達しているから神経を取るしかない」と判断されることも少なくありませんでしたが、現在は精密機器や神経を保護するための材料の進歩によって、神経を残せる可能性が広がってきました。根管治療では歯の内部を大きく削る必要がありますが、神経を温存できれば歯へのダメージを抑えやすく、将来的な歯の寿命にもつながると考えています。ただ、細かな診査や専門的な技術が必要になるため、広くどこでも行われている治療法というわけではありません。
- Qなぜ歯髄温存治療に力を入れているのですか?
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A
▲写真や動画を一緒に確認し丁寧な説明を心がけている
私が歯髄温存療法に力を入れているのは、大学院で歯内療法学を学び、根管治療を専門的に行う中で「神経を取った後の歯」が抱える課題を数多く見てきたからです。神経を失った歯は、内部を大きく削ることで機能が弱くなり、割れやすくなるだけでなく、変色や将来的な抜歯につながるリスクも高くなります。実は私自身も、小学生の頃に神経を取る治療を受けた経験があり、その歯を長く使い続ける難しさを実感してきました。もちろん、状態によっては神経を取らなければならないこともありますが、その時期を少しでも先延ばしにできれば、人生100年時代において、歯をより長く残すことにつながるのではないかと考えています。
- Qなぜ、神経を取ると歯を失うリスクが高くなるのですか?
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A
▲「その歯を将来どれだけ長く残せるか」を考慮した治療が重要
歯の神経を取ると、神経が通っていた部分が空洞になることで、歯全体がもろくなりやすいからです。また、歯の神経には痛みを感じるだけでなく、血流を通じて歯に栄養を届けたり、異変を知らせたりする役割もあります。そのため、神経を失った歯は時間の経過とともに強度が低下し、歯根破折につながるリスクが高まります。実際、最近は虫歯や歯周病だけでなく、歯の破折によって歯を失うケースも増えています。さらに、神経がないと異常に気づきにくく、発見が遅れることもあります。だからこそ私は、目先の症状だけでなく、「その歯を将来どれだけ長く残せるか」まで考えて治療することが大切だと思っています。
- Q歯髄温存療法の流れを教えてください。
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A
▲マイクロスコープを用いて細かな部分まで確認する
まずはエックス線検査、必要に応じてCTなどで状態を確認し「神経を残せる段階かどうか」を丁寧に見極めます。その上で麻酔を行い、細菌感染に配慮しながら、虫歯に感染した部分だけを慎重に取り除いていきます。その後、MTAセメントという神経を保護するための材料を用いてしっかりと患部を封鎖し、痛みや炎症の再発がないかを確認しながら、最終的な詰め物・かぶせ物へ進めていきます。歯髄温存療法に関わる治療は1回で45分ほど。長く感じられるかもしれませんが、精密な処置だからこそ、時間を十分に確保しています。また、歯髄温存療法は治療後の管理も重要ですので、歯周病を含めたお口全体の状態まで考えながら診療しています。
- Qこちらで歯髄温存治療を受けるメリットを教えてください。
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A
▲「自身の歯で過ごせる時間をできるだけ延ばしたい」と話す院長
当院では、マイクロスコープで患部を拡大しながら細かな部分まで確認し、唾液や細菌の侵入を防ぐためにラバーダムを使いながら、精密かつ感染に配慮した歯髄温存療法を行っています。また、治療中は写真や動画を記録し、治療後に「どういう状態だったのか」「どんな処置をしたのか」を一緒に確認していただいています。歯科治療は、患者さんご自身では見えにくいからこそ、不安も大きいと思うんです。だからこそ「何をされたかわからないまま終わる」ことがないよう意識しています。診察券アプリを通じて画像共有も行っており、ご自身のお口の状態を理解しながら治療を受けていただける環境づくりも大切にしています。
自由診療費用の目安
自由診療とはセラミックインレー/4万4000円~、セラミッククラウン/8万8000円~、歯髄温存療法/3万3000円~、ホワイトニング/1万6500円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。

