合併症を見据え、暮らしにも寄り添う
専門家が支える糖尿病治療
森内科クリニック
(吹田市/千里山駅)
最終更新日:2026/02/04
- 保険診療
糖尿病は、発症しても初期には自覚症状がほとんど現れない。しかし、血糖値が高い状態を放置すると、腎臓や神経、目の障害に加え、心筋梗塞や脳卒中といった重大な病気につながることも。症状が出てからでは遅いケースも少なくないため、早い段階で異変に気づき、適切に管理していくことが何より大切だ。地域に根差した糖尿病診療に力を入れる「森内科クリニック」の朴孝憲(ぼく・こうけん)院長は、日本糖尿病学会糖尿病専門医として、検査から治療まで一貫した診療を行っている。単なる血糖管理にとどまらず、腎機能や神経障害など合併症を見据えた診療を重視し、生活背景に合わせたきめ細かなサポートが同院の特徴だ。「症状がないからこそ、気軽に相談してほしい」と話す朴院長に糖尿病治療の流れや取り組みについて聞いた。
(取材日2026年1月13日)
目次
生活習慣の改善と薬の適正利用で続ける、専門家と歩む無理のない糖尿病管理
- Qこちらの糖尿病治療の特徴について教えてください。
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A
▲糖尿病は、初期ではほとんど自覚症状がない
当院では、日本糖尿病学会糖尿病専門医が、検査から治療まで一貫して診療しています。HbA1cは約10〜15分で測定でき、結果を当日中に確認しながら治療方針を相談できます。そもそも糖尿病は初期にはほとんど自覚症状がありません。では、糖尿病の何が怖いかというと、血糖値の異常が続くことで、気づかないうちに腎症、神経障害、網膜症、心筋梗塞や脳卒中などさまざまなリスクにつながる点にあります。当院では血糖管理だけでなく、腎機能や神経障害の検査も行い、合併症を見据えた診療を大切にしています。また体重増加や足のしびれ、むくみといった初期サインにも目を向け、早期からの無理のない治療にも取り組んでいます。
- Q診療で大切にされていることは何ですか?
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A
▲一人ひとりの生活や気持ちに寄り添い、治療を行う
私が診療で大切にしているのは、体だけでなく心にも無理をさせないことです。糖尿病の方は「食べてはいけない」という思い込みから、長年我慢を重ね、強いストレスを抱えている方が少なくありません。私は患者さんに「好きなものも楽しんでください」とお伝えしています。ただし、量や頻度は一緒に相談し、例えば1週間に1回など無理のないルールを決めます。罪悪感を抱えながら食べることは、かえって治療の妨げになります。食事を楽しみながら続けられることこそ、長期的な血糖管理につながると考えています。一人ひとりの生活や気持ちに寄り添い、安心して治療を続けられる外来診療を心がけています。
- Q治療の流れを教えてください。
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A
▲糖尿病治療は、食事と運動習慣の改善から始める
糖尿病治療の基本は、日本糖尿病学会のガイドラインに基づき、まず食事と運動習慣の改善から始めます。ただし、血糖値が著しく高い場合や、治療を遅らせることでリスクが高まる場合には、初期から薬物療法を併用します。その際、インスリンやSU剤(スルホニル尿素薬)といった血糖を強く下げるための薬は、慎重に判断して使用します。糖尿病の薬には、できるだけ減薬をめざす薬と、心筋梗塞や脳卒中の発症リスク低下のための継続使用が基本となる薬があります。これらを適切に使い分けながら血糖値のコントロールを進めます。食事や運動については、管理栄養士による栄養指導に加え、外来でも日常生活に即したアドバイスを行っていきます。
- Q専門クリニックで行う治療には、どのような特徴があるのですか?
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A
▲患者一人ひとりに合わせたテーラーメイドの治療を行う
専門クリニックで行う治療の大きな特徴は、糖尿病の薬を適切に使い分けられる点にあります。糖尿病治療薬は種類が多く、有用性や注意点もさまざまです。当院でも新しい治療やお薬が登場するたびに知識をアップデートし、必要に応じて診療に取り入れています。その上で、年齢や合併症の有無、腎機能、生活リズムなどを総合的に考慮し、患者さん一人ひとりに合わせたテーラーメイドの治療を行っています。薬は増やすだけでなく、状況に応じて減薬や内容の見直しも重要です。また数値だけにとらわれすぎず、その方らしい生活を支えられるかどうかも大切なポイントです。継続的なフォローを通じて、その時々に合った治療を提案しています。
- Q医療機関との連携も大切にされているのですね。
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A
▲医療連携を大切にし、体制を整えていると話す院長
当院では、普段の診療で変化を感じた際には、急性期病院や専門医療機関と速やかに連携できる体制を整えています。これまで吹田市内や近隣地域の病院で勤務してきましたので、その経験を通じて築いてきた独自の医療ネットワークで、患者さんの状態に応じた適切な紹介を行っています。また、眼科や腎臓内科など、合併症に対応する地域の専門クリニックとも連携を図っています。こうした連携を円滑にするため、当院では糖尿病連携手帳を活用しています。検査結果や治療内容を一冊で共有でき、医療機関同士の情報共有に役立つ仕組みで、実はこの手帳の立ち上げにも携わりました。ぜひ積極的に活用していただきたいと思います。

