成川 純之助 院長の独自取材記事
ゆうび歯科クリニック
(横浜市栄区/本郷台駅)
最終更新日:2025/01/20

本郷台駅近くの「ゆうび歯科クリニック」成川純之助院長は、信州大学医学部附属病院口腔外科出身。専門性を生かして親知らずの抜歯や歯科小手術、インプラント治療にも対応する。また、骨粗しょう症や不整脈など全身疾患がある患者に対する歯科治療にも医科と連携して取り組む。一方で、入れ歯治療や子どもの予防歯科、認知症の高齢者への歯科診療など地域に根差した診療にも注力。「大学病院などの規模の大きい医療機関と、いわゆる町の歯医者さんの、中間的なポジションをめざしています」と語る。院長就任から15年目を迎え、若い世代や子育て世代の患者、専門的な口腔外科診療を求める患者も増えてきたという。地域貢献にも積極的に取り組む院長に、診療の特徴や、歯科医師としての思いを聞いた。
(取材日2024年11月11日)
町の歯科医院の気軽さと口腔外科の専門性を備えて
こちらは歴史のある歯科とのことですね。

父が、歯科衛生士だった母と2人で、1968年に横浜市鶴見区に開業したのが当院の始まりです。「ゆうび」という名前は、父と母の名前から取っています。1975年に栄区に移転して、2010年からは私が院長となり、今日に至ります。診療内容は一般的な歯科と歯科口腔外科で、多いのは虫歯や歯周病の治療、入れ歯治療、親知らずの抜歯、顎や舌の痛みなど。ホワイトニングや、セラミックを用いた審美的な補綴治療を求められる方も多いですね。患者さんは近隣にお住まいの高齢者が中心ですが、最近は20代、30代の若い方も増えており、特に歯科口腔外科に関しては、少し遠方からも来られています。保育園などの嘱託歯科医をしている関係から、予防や口元のけがなどお子さんを診ることも多いですね。
開業までの経緯を教えてください。
私は鶴見大学の出身ですが、あえて知り合いがいない病院で学びたいと信州大学医学部附属病院を選び、夢中で仕事をしているうちに11年がたちました(笑)。充実していましたが、管理業務が増えて臨床に専念することが難しくなってきたので、歯科医師として長く仕事を続けたいと考え、こちらに帰ってきて院長を引き継ぎました。父の患者さんにも多くの方に継続して通っていただくことができ、うまく引き継ぐことができたかなと思っています。一般歯科の細かい治療や、開業医ならではの患者さんとの付き合い方は父に学んだところが大きかったですね。
こちらの設備や施設面には、どのような特徴がありますか?

診察台それぞれにモニターを設置し、デジタルエックス線などで撮影した画像を映して、病状や治療方針をわかりやすく説明しています。心電図等の設備も整えていますので、高血圧や不整脈などの症状がある方の外科的な歯科治療にも対応できます。また被ばく量の低い歯科用CTにより、エックス線検査では確認が困難な歯のひびや根尖病巣もわかり、特に親知らずの抜歯に対しては、顎の骨深くに埋まった歯も安全に配慮して抜歯を行えるようになりました。根管治療では、細く曲がった根管にも対応できるニッケルチタン製ファイルも導入しています。患者さんに快適に過ごしていただけるよう、2023年には待合室をリフォームしました。
親知らず治療や、医科と連携した歯科治療にも取り組む
歯科口腔外科としては、どのような診療を行っているのですか?

口の中だけでなく、目の下から鎖骨までの顎顔面が歯科口腔外科の領域です。顎関節症や、良性腫瘍や嚢胞、口内炎など粘膜疾患、口の中に症状が出る手足口病や帯状疱疹、ヘルペスなどの内科、皮膚科疾患の方のご相談をお受けします。当院でがんの手術や治療はできませんが、口の中や舌のできものの病理検査や、口腔がん手術後の歯の治療などのサポートは行っています。多いのは、親知らずの抜歯や、良性腫瘍などの小手術ですね。現代人は顎が小さくなっている傾向があり、親知らずが埋まったり、横向きに生えたりしている人が少なくなく、特に女性は妊娠中に親知らずのトラブルが起きることが多いので、若いうちの抜歯をお勧めしています。またインプラント治療も歯科口腔外科の領域です。
診療をする上で大切にされていることは?
なるべく、患者さんとよくお話しするよう心がけています。治療に関する専門的な話もしますが、リラックスしていただいて治療に対するストレスを軽減することも大切ですから、雑談することも多いですね。また、お話の中で、病歴や服用している薬のこともしっかり確認します。高齢者の方は有病者が多いですし、骨粗しょう症の治療の場合、抜歯したときの治癒力の阻害につながる薬を服用されていることがあるので、整形外科の先生との連携しながら治療を行うこともあります。最近は、内科などから睡眠時無呼吸症候群の治療用マウスピースを作ってほしいという依頼もいただきますね。
医科との連携も重視されているのですね。

高齢化の中で、医科と歯科の連携がいっそう重要になっていきますので、どちらにも詳しい歯科口腔外科医として橋渡しをしたいと考えています。持病があって、歯科医院によっては対応が難しい可能性がある方も、主治医の先生と相談しながら対処しています。大学病院などの専門施設と、いわゆる「町の歯医者さん」の中間的なポジションで、歯と口腔の疾患に対して専門性の高い治療を身近に提供することをめざしたいと考えています。
子どもや高齢者、審美歯科などニーズに応える診療を
専門的な立場から気になることなどがありますか?

虫歯の保険診療で使う金属の詰め物やかぶせ物の耐用年数は5年から10年といわれています。それを過ぎると中で腐食が起きたり、接着剤が流れだしたりして、二次う蝕になりやすいので、治療後も検診を受けていただきたいですね。また、高齢化が進み、認知症の方が増えてきています。当院ではスタッフがうまく対応してくれていますが、ご家族を含めて対応が必要になってきていることを実感しますね。また、高齢の方の口腔機能の低下、オーラルフレイルが全身にも影響を与えることがわかってきています。若いうちから歯科予防に取り組むことで、虫歯や歯周病の予防をめざすだけでなく、歯を守ることで咀嚼・嚥下機能の維持もめざすことができ、健康寿命の延伸につながることを知っていただきたいですね。
そのために、定期的に歯科を受診することが役立つわけですね。
高齢の方も口腔の健康に対する意識が変わってきたと感じています。口腔内をケアすることの大切さを理解されていて、定期的に来られる方もいらっしゃいます。一方で、コロナ禍が落ち着いたから久しぶりに来たとか、痛いから来たという方などは、かなり悪くなっていることがあります。二極化していますね。また、親御さんの目が届きにくくなる小学校高学年、中学生ぐらいになると虫歯や、口の中の汚れも目立ちます。受験の時に痛みが出たり、治療が必要になったりすると困りますから、この年代にも、定期的な検診を勧めたいですね。
今後の展望について聞かせてください。

私が院長を引き継いで、もうすぐ15周年を迎えます。専門性の高さと、地域に根づいた親しみやすさを兼ね備えた歯科医院として地域のニーズに応えたい、地域貢献として、歯科医師会の活動にもできるだけ参加したいと思っています。また、審美面のニーズも高まってきています。今は、昔に比べてホワイトニングの種類も増え、使いやすくなっていますし、保険診療の範囲も変わってきており、奥歯のかぶせ物も保険診療で白い材質の治療ができる場合もありますから、患者さんのご希望に沿う形でご提案していきたいですね。高齢で通院できなくなった方への訪問歯科診療にも対応していきたいのですが、外来診療が忙しいので悩んでいるところです。
最後に読者へのメッセージをお願いします。
当院は、虫歯や歯周病の治療、入れ歯治療、予防など一般歯科に加え、歯科口腔外科として親知らずの抜歯や歯科小手術、インプラント治療、その他口の中の症状に幅広く対応しています。お子さんから高齢の方まで、患者さんのご希望に沿える診療をしたいと考えていますので、なんでも気軽にご相談ください。子育て世代の方は、ゆっくり歯磨きをする時間がなかったり、お子さんを寝かしつける時に歯磨きをしないまま一緒に寝てしまったりする方も多いようです。お子さんだけでなく、ご自分の健康も大切にしていただきたいですね。親御さんが歯科に定期的に通院されると、お子さんも歯科に慣れますし、歯並びのことなどちょっとしたご相談にも乗れます。歯科を上手に活用して、歯や口腔の健康を守ってください。
自由診療費用の目安
自由診療とはホームホワイトニング/3万円~、セラミックを用いた補綴治療/8万円~、インプラント治療/35万円~