室谷 貴弘 院長の独自取材記事
むろや小児科アレルギークリニック
(吹田市/千里山駅)
最終更新日:2026/02/13
千里山駅から徒歩1分。2025年12月に「むろや小児科アレルギークリニック」が開院した。木のぬくもりを感じる院内には電車のおもちゃが置かれているなど、子どもが楽しく過ごせそうな空間が広がっている。院長の室谷貴弘先生は、大阪大学医学部附属病院や大阪はびきの医療センターで研鑽を積んだ、小児科とアレルギー科のエキスパート。特にアレルギー診療を専門としており、喘息・皮膚炎・食物アレルギーを一貫して診る体制を整えている。「当院を受診したら、安心して帰ることができる。そんなクリニックにしたいのです」と、まっすぐなまなざしで語る姿が印象的な室谷院長に、開業を決意したきっかけや診療時に心がけていること、今後の展望などについて詳しく話を聞いた。
(取材日2026年1月23日)
地元への恩返しを胸に、患者に寄り添う診療を
まずは開業のきっかけや、この地を選んだ理由を教えてください。

勤務医として市中病院で働いていましたが、大きな病院ではアレルギーで困っている方がたくさんいらっしゃるのに、紹介患者さんしか直接診ることができないもどかしさを感じていました。「身近なところで患者さんを支えたい」という思いが次第に強くなり、開業を決意したのです。開業の地である千里山は私が生まれ育った地元であり、勤務医として研鑽を積ませていただいた地域でもあります。多くのことを学ばせてもらったこの地域に、医療を通じて恩返しをしたい、残りの医師人生をかけて地元に貢献できればという思いから、迷わずこの場所を選びました。千里山駅から徒歩1分という立地も、お子さん連れの親御さんにとって通いやすい環境だと考えています。
アレルギーが専門だそうですね。専門にされたきっかけをお聞かせください。
きっかけは、アレルギー症状を抱える子の診療に対応したことです。当時の私には十分な知識がなく、どうすればいいのかわからなかったのです。小児科医でありながら、子どもの診療に適切に対応できなかった経験が、専門的に学びたいという強い思いにつながりました。その後、大阪はびきの医療センターで約2年間、アレルギー疾患について集中的に研鑽を積みました。当時の不安や戸惑いは、患者さんのご家族の気持ちを理解する上でも、今も大きな糧になっています。「どうしたらいいかわからない」という親御さんの思いに寄り添えるのは、あの時の経験があったからこそだと感じています。
診療時間など、通いやすさの面で工夫されていることはありますか?

朝は8時30分から診療を開始しています。朝早くから診ているクリニックがあれば、親御さんは仕事や日中の予定を調整しやすくなると考えてのことです。また、土曜日と日曜日も診療日を設けています。この地域では土日に診療しているクリニックが少ないと感じたので、平日は仕事で時間が取れないご家庭にとって、週末に受診できる場所があるという安心感をお届けしたかったのです。地元への貢献という意味でも、必要とされる時間帯にしっかり対応できる体制を整えることが重要ですからね。地域の先生方にもサポートをいただきながら、これからもいつでも安心して受診していただける環境づくりに取り組んでいきます。
病気を見逃さないための総合的なアレルギー診療を提供
こちらで提供しているアレルギー診療の特徴を教えてください。

アトピー性皮膚炎や気管支喘息、食物アレルギー、アレルギー性鼻炎といったアレルギー疾患を一貫して診るという方針を採っています。小児科を受診されるお子さんは、皮膚も喘息もお鼻の症状も、すべて相談されるケースが多いです。それぞれを別の診療科で診てもらうのではなく、一人の医師が全体を把握して対応することで、病気の見逃し予防や患者さんの負担軽減につながると考え、体制を整えました。呼吸機能検査や血液検査機器などの検査機器を一式そろえており、喘息かどうかの評価もしっかりと院内で行えます。幅広いアレルギー疾患を専門的に診ることができますので、成長に伴ってアレルギーの症状が変化しても、継続して診療が可能です。頼りにしていただけましたら幸いです。
治療効果のために工夫されていることはありますか?
薬には正しい飲み方や塗り方があり、それを理解していないと十分な効果が得られません。ですから、塗り薬であれば実際にどれくらいの量を塗るか、飲み薬であればどのタイミングで飲むべきなのかなどを、親御さんに丁寧に指導を行っています。例えば、長く治療を受けているのに改善しないという場合、詳しく話を聞くと、口の中で溶かすタイプの薬を水で飲み込んでしまっているのが原因だったということがありました。当たり前のことのようですが、丁寧な確認と指導の積み重ねが治療効果をしっかりと引き出すための鍵になると考えてます。ですから、当院では服薬方法の説明に力を入れているのです。
お子さんに対応する際、心がけていることを教えてください。

お子さんを怖がらせないことを一番大切にしています。真顔で接するとお子さんは緊張してしまいますから、まずは笑顔で話しかけて、診療とは関係のない雑談から始めるようにしています。少しリラックスしてもらってから、診察を進めるのです。また、インフルエンザ検査のような、鼻に綿棒を入れる検査はなるべく行わない方針にしています。今のお子さんたちは診察室に入るなり鼻を隠すことが多いんですよね。何度も痛い思いをしてきたからでしょう。そこで当院では、喉から検体を採取できるAI搭載のインフルエンザ検査機器を導入し、お子さんの負担を減らす工夫をしています。「ここなら痛いことをされない」と思ってもらえたら、お子さんも親御さんも安心して受診できるのではないでしょうか。一方、親御さんに対しては、最後に必ず「何か気になることはありませんか」と確認しています。主訴は風邪でも、別の心配事を抱えていることが少なくないからです。
帰る時には安心を感じられるクリニックをめざして
クリニックの雰囲気づくりで、こだわった点を教えてください。

院内に電車のおもちゃを置いています。待ち時間でお子さんたちに楽しんでもらえたらという思いからです。また、クマのロゴマークにもこだわりがありますね。実は開業時、私は海が好きなので海をモチーフにしたデザインを考えていたのですが、妻から「自分の好みではなく、子どもたちに親しみを持ってもらえるものに」とアドバイスをもらったんです。「クマのクリニック」と覚えてもらえるような、愛着を持ってもらえるようにしたいと思い、このデザインに決めました。
スタッフの皆さんについてお聞かせいただけますか?
看護師は、勤務医時代から一緒に働いていた顔見知りのスタッフばかりなんです。そのことから、お互いの仕事のやり方をよく知っており、当院は開業したばかりですが連携がとてもスムーズなんです。患者さんにも安心していただけていると思います。事務スタッフも、しっかり勉強に励んでくれているのに加えて、いつも患者さんに明るく声をかけてくれています。毎日とても助かっていますね。
開業したばかりで毎日お忙しいと思います。リフレッシュ方法は何かありますか?

自宅に小さな畑があるんです。そこで、野菜のへたや根、芯などの野菜の切れ端を使う野菜の再生栽培「リボーンベジタブル」を楽しんでいます。ネギや小松菜など、切った後の根元を植えると芽が出てくるんです。子どもたちと一緒に育てていて、ちょっとした息抜きになっていますね。
最後に、読者の皆さんへメッセージをお願いいたします。
「受診すれば、帰る時には安心できる場所」というのが、私がめざすクリニックの姿です。心配や不安を抱えて来院された患者さんとご家族に対し、しっかりと説明を行い、疾患について十分に理解していただくことで、前向きに治療に取り組んでもらえる環境を提供したいと考えています。かゆがる、鼻水がずっと出ている、息がしづらそうに見える、そういった症状はアレルギーの可能性がありますので、気軽に相談していただきたいです。どんな些細な不安や心配にも寄り添いたいと思っていますので、「こんなことで受診していいのかな」と迷われている方も、遠慮なくご相談ください。お子さんの健康を一緒に守っていけたらうれしいです。

