寺嶋 謙 院長の独自取材記事
大日てらしまクリニック
(守口市/大日駅)
最終更新日:2026/01/30
大日駅・寝屋川市駅・守口市駅の各駅からバスに乗り、京阪バス大久保停留所で降りて徒歩1分。2025年開業の「大日てらしまクリニック」。白と木目を基調にした院内には間接照明が取り入れられ、受付正面の盆栽が和のぬくもりを添える。寺嶋謙院長は住友病院で腎臓内科を専門にしつつ幅広い疾患に対応し、腎移植も経験。大阪大学大学院では老齢総合内科学の研究に励み、透析クリニックでは在宅血液透析にも携わってきた腎臓内科のエキスパートだ。プライマリケアの経験も豊富で、かかりつけ医として風邪や生活習慣病など一般内科にも幅広く対応する。穏やかな語り口の中に、患者の選択肢を広げたいという強い思いがにじむ寺嶋院長に、同院の透析治療や腎臓内科の視点で診る糖尿病・高血圧症治療といった幅広いトピックについて話を聞いた。
(取材日2026年1月14日)
腎臓内科を専門とし、プライマリケアでも地域を支える
どんな患者さんがお越しになりますか?

来院される方の主訴は、高血圧症、糖尿病、腎臓のお悩みが中心ですが、最近は睡眠時無呼吸症候群についてのお問い合わせも増えていますね。私は腎臓内科を専門としつつ、内科全般を総合的に診る経験も積んできました。そのため、風邪や生活習慣病などにも、かかりつけ医として幅広く対応させていただいています。当院は守口市・門真市・寝屋川市の境界の辺りにあるので、来院されるのはこれらの市にお住まいの方がほとんどです。この付近は、梅田や伊丹、新大阪へのアクセスが良く、若い世代が多い一方で、大日駅から少し歩けば古くからの住宅街も広がり、ご高齢の方も多くお住まいです。町としての新陳代謝がうまくいっているのでしょうね。
腎臓内科を専門に選ばれた理由をお聞かせください。
臨床研修で内科や外科を回るうち、内科全般を幅広く診られる分野に魅力を感じるようになりました。医師家系の生まれでないからかもしれませんが、医師という言葉からイメージするのは地元の開業医の先生で。内科的なことを何でも最初に診てくれる、そんな身近な存在が私の理想の医師像だったんです。研修医時代から勤めた住友病院の腎臓内科は、透析患者さんを診るだけでなく、高血圧症も専門とした内科全般に広く対応する部門です。振り返ってみると、腎臓という専門性を持ちながらも幅広く診療できる腎臓内科という選択が、自分の原点に一番近いところだったのでしょうね。
開業までにどのようなご経験を積んでこられたのですか?

住友病院の腎臓内科は透析患者さんを中心に、消化器疾患など他の診療科の病気を患う方も主体的に診る場所でした。専門の垣根を越えて幅広い疾患に携わった経験は、地域のプライマリケアを担う今も大いに役立っています。また腎移植にも携わり、移植の流れを患者さんに説明できる力も身につけました。大阪大学大学院では研究を通じて、文献を調べて評価・吟味する力が養われたと感じます。その後、大正くすのきクリニックでは血液透析、腹膜透析、そして在宅血液透析にも携わりました。血液透析、腹膜透析、腎移植という、慢性腎不全に対する3つの選択肢をしっかり検討・提案できることが腎臓内科の医師として最低限求められることだと考えています。その経験を積めたことは、私の大きな強みになっています。
腹膜透析という選択肢をもっと身近に
慢性腎臓病の患者さんの診療で大切にしていることは何ですか?

慢性腎臓病は予防が難しい疾患ですので、早期発見・早期介入が何より重要。最近は進行を遅らせるための良い薬も登場しており、早い段階から治療に取り組むことで透析への移行を遅らせることが期待できます。そうした昨今の事情の中、私が特に大切にしているのは、腎臓が悪くなった際の説明を症状が進む前からしっかりお伝えすることです。末期になってから突然「透析が必要です」と言われても、患者さんは受け入れらないでしょうし、選択肢を比較検討する余裕もないと思います。私は血液透析、腹膜透析、腎移植、それぞれの治療について具体的にお話しすることができます。早い段階から選択肢を知っていただき、患者さんが納得して治療を選べる状況を整えたいと考えています。
こちらで受けられる透析治療についてお聞かせください。
当院では腹膜透析の管理に対応しています。腹膜透析はおなかにカテーテルを留置して自宅で行う透析方法です。カテーテルを入れる手術こそ総合病院で行いますが、その後の管理はクリニックで続けられます。以前は自己管理が必要なため若い方が対象と思われがちでしたが、近年は訪問看護のサポートを取り入れることで、ご高齢の方でも導入できるケースが増えています。夜間、寝ている間に機械を使って透析を行い、日中は普通に生活できるのが大きなメリット。通院も月に1、2回程度で済む場合もあり、通院負担の軽減につながります。国も腹膜透析を推進しています。ぜひこの選択肢を知っておいてください。
糖尿病や高血圧症の治療にも注力されているのはなぜですか?

透析が必要になる原因の第1位は糖尿病性腎症、第2位は高血圧症による腎硬化症です。透析の現場を見てきたからこそ、この2つの疾患は絶対にしっかり治療しなければならないという思いが強いのです。糖尿病の治療では、血糖値だけをお伝えしても患者さんにはなかなか実感が湧きません。合併症が進むとどのような経過をたどるのか、透析になったらどうなるのかを、腎臓内科の医師の視点から具体的にお話しすることで、治療の重要性を理解していただけるよう努めています。高血圧症は、睡眠時無呼吸症候群が原因として隠れていることも。原因があって血圧が上がる二次性高血圧の可能性を最初の段階で評価することが大切で、必要な方にはしっかり検査をご案内しています。
命に関わる病気を見逃さないため先進機器を導入
診療や設備導入で心がけていることを教えてください。

患者さんの訴えにはすべてお応えしたいと思っています。もしわからないことがあれば「次までに調べておきますね」とお伝えし、必ず調べてお答えするようにしています。患者さんからの訴えは生の声ですから、真摯に受け止めることが私自身の勉強にもなりますし、医師として知識をアップデートし続けるきっかけにもなるんですよ。また、プライマリケアを担う身として、命に関わる病気を絶対に見逃さないよう設備面にもこだわっています。先端の超音波診断装置は、心臓や腹部の検査はもちろん、脂肪肝から肝硬変への進行を評価する機能も備えています。このほか急性腎障害の鑑別、心不全や心筋梗塞のマーカー検査、動脈硬化の進行を調べる検査にも対応し、できる限りクリニックで検査を完結できる体制を整えています。
ところで、スタッフさんも院内も明るい雰囲気ですてきですね。
ありがとうございます。患者さんが居心地のいいクリニックにするためにも、いい医療を提供するためにも、スタッフと一緒に風通しの良い雰囲気づくりをすることを大切にしているんです。院内は清潔感を大切にしながらも、白を基調に木の温かみを取り入れた内装にしました。間接照明を使って良い意味で医療機関らしくない、リラックスできる空間をめざしています。受付正面には飾っている盆栽はフェイクなのですが、きれいに仕立てていただいて。患者さんの目の癒やしになればうれしいですね。
最後に、今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

地域の医療の相談窓口となるプライマリケアを担うクリニックとして、「あそこなら安心」と思っていただける場所をめざしていきたいです。妻が皮膚科の医師ですのでいずれは皮膚科も加え、さらに幅広く医療を届けられたら。腹膜透析をはじめ腎臓内科の専門性も、認知していただけるよう取り組んでいきたいですね。将来的には在宅血液透析も導入したいと考えています。一般内科、腎臓内科とさまざまな実績を積んできたこれまでの経験を生かし、自信を持って診療にあたっていますし、今後も知識のアップデートを怠りません。風邪症状などの身近な病気から生活習慣病、透析のご相談まで何か気になることがあれば、ぜひお気軽に頼っていただければとてもうれしいです。

