土橋 一生 院長の独自取材記事
いちごアイクリニック
(神戸市中央区/三ノ宮駅)
最終更新日:2026/03/13
神戸・三宮の各駅からアクセス良好なビルの3階に、2025年12月「いちごアイクリニック」が開業した。グリーンを基調とした院内は、カフェを思わせるお洒落で温かみのある空間だ。間接照明が目に優しく、曲線を描く壁や受付カウンターがやわらかな印象を与える。院長の土橋一生先生は神戸で生まれ育ち、神戸海星病院、兵庫県立こども病院などで研鑽を積んだ日本眼科学会眼科専門医だ。一般眼科はもちろん、小児診療や近視抑制治療にも力を入れている。院名には一期一会という思いが込められ、「来ていただいた以上は手ぶらでは帰さない」という信条で日々の診療にあたる。穏やかな口調の中に、患者を笑顔にしたいという熱い思いと地元・神戸への深い愛情がにじむ。一人ひとりとの出会いを大切にする土橋院長に、開業の経緯や診療への思いを聞いた。
(取材日2026年2月20日)
一期一会の精神で地元・神戸に笑顔を届ける
神戸・三宮でクリニックを開業されたきっかけを教えてください。

大きな病院で経験を積む中で、「目がゴロゴロする」「なんとなく目が開きにくい」「かゆい」といった軽い症状が、患者さんの生活の質を大きく損ねていることに気づきました。病気としては重くなくても、困っている方は確かにいらっしゃる。そうした患者さんのニーズに応えられる小回りの利くクリニックを作りたかったんです。三宮という立地を選んだのは、生まれも育ちも神戸である私にとって、この街の人たちを助けたいという気持ちが強かったから。電車でのアクセスの良さはもちろん、北区など医療機関が少ない地域からもバス一本で来られる利便性も魅力でした。クリニック名の「いちご」は一期一会に由来しています。困っているときに来て良かったと喜んでいただける、そんな出会いを大切にしたいという思いを込めました。
眼科を専門に選ばれた理由を教えてください。
学生時代、白内障の手術を見学したときのことが忘れられません。水晶体に手術を行う光景を「美しい」と感じましたし、強く心を動かされました。生活に彩りを与えるのは視覚だと思っていますので、そこをしっかり治療してあげたいという気持ちで眼科を志しました。初期研修では将来を見据え、糖尿病内科や腎臓内科など眼科と関連の深い科を選んで回っています。そして兵庫県内の基幹病院で経験を積み眼科専門医を取得した後、兵庫県立こども病院で小児眼科も経験しています。
院内の内装や設備へのこだわりについて教えてください。

院内はカフェのような温かみのある空間をめざし、グリーンを基調としたデザインにしました。間接照明を多く使い、目に優しい環境を整えています。壁や受付カウンターに曲線を取り入れたのは、やわらかい印象を与えるだけでなく、曲がり角でぶつからないようにしたかったからです。検査機器は、近視が強い方の緑内障診断に優れたOCTや、手術の精度と安定性を追求した白内障手術機器など、先進のものを導入。手術室はご家族が見守れるよう窓を設け、モニターで手術の様子をリアルタイムで確認できる設計にしています。
子どもの目を守る近視抑制治療に注力
お子さんの診療についてお聞かせください。

眼科は高齢の患者さんが中心になりがちですが、当院ではお子さんの診療にも力を入れています。子どもの段階でしっかり病気を見つけてあげることが、その子の将来につながると考えているからです。例えば弱視は、治療の遅れがその後の人生を左右してしまうこともある疾患。だからこそ、お子さんの診察にはひときわ真剣に向き合っています。兵庫県立こども病院での経験は、私の眼科医人生の中でも大きなターニングポイントでした。検査に協力してもらうのが難しいお子さん、発達の特性でどうしても落ち着かないお子さんに対して、どうすれば検査できるか、どうすれば治療に前向きになってもらえるか。日々考え抜いた経験が今の診療に生きています。私自身も2児の父であり、子どもとの付き合い方が診療の参考になっている面もありますね。
近視の治療について詳しく教えてください。
当院では、低濃度アトロピン点眼による近視抑制治療と、コンタクトレンズを装用するオルソケラトロジーという近視矯正治療を提供しています。近視は目の眼軸長が伸びることで進行しますが、この眼軸長が特に伸びやすいのが思春期です。体の成長と同じタイミングで目も長くなるため、近視抑制治療はなるべく早い時期から介入できたほうが将来的に大きな効果が得られることが見込めます。途中でやめるとリバウンドの可能性があるため、体の成長が落ち着く18歳前後まで継続していただくことを推奨しています。最初は頻回な受診が必要ですが、落ち着けば3ヵ月に1回の通院で済みますよ。
お子さんや保護者への対応で工夫されていることはありますか。

お子さんは検査を自分から受けてくれるとは限りませんし、眼科に行きたくない、目薬もさしたくないという気持ちを抱えていることも多いものです。そこで私は、お子さんと目線の高さを合わせたり、ボディタッチを交えたコミュニケーションを大切にしながら、まずは落ち着いてもらえる状況づくりを心がけています。同時に、親御さんへのケアも忘れてはいけないと思っています。お子さんを病院に送り出すのは親御さんですから、お子さんだけでなく保護者の方にも安心していただくことが大切です。診察室から逃げ出そうとしたり、検査に非協力的な態度を取ったりすることも、ある意味ではその子なりの訴えであると考え、診察の一部として受け止めています。
患者の笑顔を追求し、地域に貢献し続ける
印象に残っている患者さんのエピソードがあればお聞かせください。

勤務医時代に担当した、白内障の手術を受けた患者さんのことです。それまで病気を理由に引きこもっていた方が、術後、外に活発に出歩くようになり、趣味を楽しむ姿を見せてくださいました。眼科の診療は、人生のモチベーションにこれほど大きく関わるのだと実感しました。もう一つ印象深いのは、勤務医時代にお会いした眼瞼下垂の手術を受けた方のこと。手術前はしょんぼりと腰を曲げて過ごされていたのに、翌日の診察では前髪を立ち上げ、襟を立てて来院されたんです。まるで別人のように自信を取り戻した姿を見て、患者さんの訴えに寄り添うことの大切さを改めて感じました。だからこそ、来ていただいた以上は何か新しい治療を提案するなど、手ぶらでは帰さないということを肝に銘じています。
スタッフへの思い、オフの過ごし方について教えてください。
現在は約10人のスタッフで診療にあたっています。毎日のミーティングでは、カルテの内容や疾患についての知識を共有し、スタッフを育てていくことを大切にしています。受付でも検査でも診察でも、患者さんを喜ばせたいという気持ちで接することが当院の理念ですからね。将来的には、二診体制を整えたいという展望もあります。まだ先の話ですが、理念に共感してくれる仲間と一緒に、より多くの方に喜んでいただける眼科をめざしたいですね。プライベートでは2人の子どもとの時間を大切にしていて、自転車の練習に付き合ったり、行きたがっていた場所へ連れて行ったり。うれしそうにしている姿を見ることが、私にとって何よりのリフレッシュになっています。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

神戸という街がとても好きで、神戸の皆さんの役に立ちたいという思いで医師を続けてきました。大都市のような華やかさこそないかもしれませんが、人と人との関わり合いが温かい。そういう土地柄が、私は好きなんです。当院では、白内障や緑内障といった一般的な眼科診療から、お子さんの近視抑制治療まで幅広く対応しています。目がゴロゴロする、なんとなく目が開きにくいといった軽い症状でも、遠慮なくご相談ください。来ていただいた以上は、何かしらの収穫を持って帰っていただきたいですし、新しい知識をお伝えしたり、治療を提案したり、笑顔で帰っていただけるように努めています。一期一会の出会いを大切に、行って良かったなと思っていただける眼科であり続けること。これからも、その思いを胸に診療にあたってまいります。
自由診療費用の目安
自由診療とは低濃度アトロピン点眼(1箱)/4000円~
オルソケラトロジー/15万4000円(両目)、7万7000円(片目)

