塩原 太一 院長の独自取材記事
あおぞら内科・呼吸器クリニック
(宇都宮市/西川田駅)
最終更新日:2026/11/04
宇都宮市西川田町に位置する、ブラウンの外観が青空に映える建物は、2025年12月に開業した「あおぞら内科・呼吸器科クリニック」だ。院長の塩原太一先生は、獨協医科大学で間質性肺炎や喘息の治療・研究に力を注いだ後、全身を診る力を磨くべく、さくらがわ地域医療センターでも研鑽を積んだ日本呼吸器学会呼吸器専門医で、日本内科学会総合内科専門医、日本アレルギー学会アレルギー専門医の資格も持つ。穏やかな口調の中に確かな信念をのぞかせる塩原院長は「行って良かったと思えるクリニックにしたい」と語る。呼吸器の専門性を軸にしながら、何科を受診すべきか迷う人の医療の窓口になることもめざしている同院の姿勢や、患者に寄り添う医療の原点について話を聞いた。
(取材日2026年9月28日)
父の背中に導かれ、患者に寄り添う医療の道へ
先生が医師を志し、呼吸器内科を専門に選ばれた経緯を教えてください

父が医師だったこともあり、幼い頃から医療は身近な存在でした。きっかけは小学生の頃、父と釣りをしていたときに近くで交通事故が起きたことです。父はすぐにけが人のもとへ駆けつけ、そのまま救急車に同乗してしまいました。けが人を優先するその姿に衝撃を受け、「医者ってそういう職業なんだ」と興味を持ったのが始まりです。根本には「人が好き」という思いもあります。呼吸器内科を選んだのは、臨床研修で尊敬する先輩医師に出会ったことがきっかけでした。患者さんと握手してから診察を始め、隣に座って話すその先生の姿に感銘を受けたんです。呼吸器の領域には長く病気と向き合う患者さんが少なくありません。そうした方のそばで荷物を半分持つような気持ちで伴走するというのが、自分の性格に合っていると感じました。
その後、大学病院ではどのような経験を積まれたのでしょうか。
獨協医科大学の呼吸器・アレルギー内科では、喘息やCOPD(慢性閉塞性肺疾患)、間質性肺炎など幅広い疾患を診てきました。中でも印象深いのは間質性肺炎の治療です。急に呼吸状態が悪化する病気で、当時は薬の選択肢も限られる中、知識をかき集めて対応していました。人工呼吸器が必要なほど重症の方の治療にあたることもあり、大変さの中にやりがいを感じていました。大学院では喘息の基礎研究にも取り組み、「なぜこの治療をするのか」という根本への理解が深まりました。一方、全身を診る力をもっと磨きたいという思いも強くなり、さくらがわ地域医療センターへ移り内科医長として研鑽を積みました。
開業を決意されたきっかけと、クリニックに込めた想いを教えてください。

もともと開業は視野に入れていませんでしたが、さくらがわ地域医療センターで働くうちに、自分の力を地域に還元したいと考えるようになりました。病院では紹介していただいたり重症化してから受診されたりする方が多いのですが、クリニックなら早い段階から患者さんに関わり、重症化も防げるのではないかと考えたのです。大切にしているのは、患者さんが「行って良かった」と思えることです。相談で心の負担が軽くなる場所をめざしています。副院長の妻も総合内科専門医で、「受診のハードルが低く、呼吸器で困ったらあそこだよねと思ってもらえる場所にしたいね」と話し合いました。院名は、私が青空を好きなことにちなんでいて、ロゴは肺をモチーフにしたデザインです。ここ西川田は以前住んでいたこともあり、なじみのある場所。地域のこともよく知っており、獨協医科大学との連携もしやすいことから、ここでなら自分のめざす医療を実現できると考えました。
長引く咳や喘息から、気になる症状の相談まで
呼吸器内科にはどのような相談が多いですか。

一番多いのは「咳が止まらない」というご相談です。2、3週間以上続く咳や、季節の変わり目に繰り返す咳がある方は、呼吸機能検査や画像検査を受ける意義があると思います。日本には「隠れ喘息」の方が多数いるとも言われていて、風邪が長引いていると思ったら喘息だったというケースも多いのです。喘息は年齢を問わず発症しますし、お子さんの場合は吸入ステロイドに不安を感じる親御さんもいらっしゃいます。そうした際はメリットとデメリットをお伝えし、薬のやめ時も一緒に考えながらガイドラインに則って提案しています。呼吸器の症状全般に言えることですが、治療を続けても良くならないと感じたら、我慢せずに専門家に相談してみてほしいですね。
院内にCTを導入された背景や、活用の仕方について教えてください。
CTは受診当日に撮影し、肺のCTの結果はその場で私が読影してご説明しています。肺の診断は方向性を誤ると患者さんへの影響が大きいため、適切な評価を早い段階で行えるよう導入しました。健診で胸部異常陰影を指摘されたまま放置している方が多いですが、手遅れになる前に早めに相談していただきたいと思っています。喫煙歴が長い方で、症状はないけれど肺の状態を知りたいという場合は、自由診療での検査にも対応しています。また、睡眠時無呼吸症候群の診療にも力を入れています。ご自身では気づきにくい病気で、だるさや頭痛、ぼーっとするといった症状が無呼吸に起因していることもあります。検査も治療も無理強いはしませんので、気になる方はまず相談だけでもいらしていただきたいですね。
呼吸器以外のお悩みには、どのように対応されていますか。

「何科に行ったらいいかわからない」という方のために、総合内科専門医としてそうした方の医療の入り口になりたいと考えています。当院で完結しない場合でも、お話を聞いた上で「こういう病気が考えられるから、この専門科に相談してみましょう」と次の道を探します。困って来てくださった方と一緒に考えることを大切にしています。アレルギー診療では、スギやダニに対する舌下免疫療法を積極的に行っています。アレルゲンを少量ずつ体に取り入れて免疫の再教育を図り、根本的な改善をめざす治療です。疾患と長い期間付き合い続けるか、改善をめざすか。その選択肢を提案できることは強みだと思っています。また発熱の診療では専用の待機診察室を設けて感染リスクに配慮していますし、予防医療としてワクチン接種にも力を入れています。
「行って良かった」と思えるクリニックをめざして
診療で大切にされていることは何ですか。

患者さんの思いを無視した押しつけも、こちらの妥協も違うと考えています。根拠を持って提案し、理解と納得をいただいた上で治療を進めたい。それが私の基本姿勢です。患者さんがどんな方かをよく見て、求める対応に近づけるよう心がけています。手短に終えたい方もいれば話したい方もいるので、その方に合わせることを大切にしています。ただ、できれば笑顔になっていただきたくて、診察の中で「一笑い」入れたいなと思っています。生活習慣病も同じで、「何キロ痩せて」と言うのは簡単ですが、お仕事やご家庭の状況はそれぞれ違います。患者さんの背景を踏まえ、取り組める範囲を一緒に考えるようにしています。
通いやすさの面で工夫されていることはありますか。
土曜日の午後も診療しています。学生や働き盛りの世代の方も受診しやすいよう、診療時間を長めに設定し、お子さんは3歳から受け入れています。小児科医ではないのですが、「痛い」「つらい」と自分で訴えられる年齢を目安にしました。お母さんと一緒にお子さんも受診されることが多いですね。現在は喘息やCTでの精査、咳や息切れなどの呼吸器症状で来院される働き盛りの世代の方が中心です。当院の前には32台分の駐車場と駐輪場を備えていますので、お車でも通いやすいかと思います。ちなみに周辺は閑静な住宅街で地域のつながりが強く、私自身も清掃活動やお祭りへの協賛を通じて地域の方との交流を大切にしています。
今後の展望と地域の方へのメッセージをお願いします。

地域の皆さまに愛されるクリニックになりたいという思いが一番にあります。幅広いお悩みの入り口になりつつ、「呼吸器で困ったら『あおぞら』に行こう」と思っていただけるよう、一歩一歩信頼と実績を積み重ねていきたいと考えています。相談だけでも構いませんので、気になることがあれば気軽にご相談ください。お話を聞く中で思わぬ病気が見つかることもありますし、医療の入り口としてお役に立てるはずです。症状がひどくなるまで我慢する必要もありません。気になる段階で早めに相談していただくことが、ご自身やご家族の健康を守ることにつながります。一緒に考え、寄り添いながら適切な道を探していく。そんな医療をこれからも心がけてまいります。
自由診療費用の目安
自由診療とは肺CT検査/8800円

