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佐々木 剛 院長の独自取材記事

伊奈整形外科・せぼねクリニック

(北足立郡伊奈町/伊奈中央駅)

最終更新日:2026/07/29

佐々木剛院長 伊奈整形外科・せぼねクリニック main

伊奈中央駅から徒歩4分、白とブラウンを基調にした明るい院内に清潔感が漂う「伊奈整形外科・せぼねクリニック」。2025年11月に開業した同院の佐々木剛院長は、帝京大学医学部附属病院の整形外科に入局後、脊椎外科領域の医師として18年にわたり腰部脊柱管狭窄症を中心に数多くの手術を手がけてきた。「手術に至るまでに予防としてできることがたくさんあるのではないか」。その思いを胸に開業を決意し、エコーガイド下ブロック注射やピラティスの要素を取り入れた運動療法など、特色ある治療の提供に力を注いでいる。穏やかな笑顔で丁寧に向き合う飾らない人柄が印象的な佐々木院長に、開業の経緯やクリニックの特徴、診療にかける思いを聞いた。

(取材日2026年6月22日)

手術を知る脊椎外科に精通する医師がめざす、予防医療

先生のこれまでの歩みと、開業に至った経緯を教えてください。

佐々木剛院長 伊奈整形外科・せぼねクリニック1

広島県呉市の出身で、父が整形外科の開業医でした。小さい頃からその背中を見て育ち、もともと物を作ったり削ったりする手仕事が好きだったこともあって、自然と整形外科の道を志しました。帝京大学医学部附属病院の整形外科に入局後は、提携病院を2年ごとに行き来しながら経験を積み、脊椎外科領域の医師として18年にわたり腰部脊柱管狭窄症を中心に数多くの手術に携わってきました。もともとは開業することなく、病院で一生手術を続けていくつもりだったんです。ただ50歳を過ぎた頃から、手術だけでは足りないことが多いと感じるようになりました。手術に至る前に予防としてできることがあるのではないか。そう肌で感じたことが開業の大きなきっかけになりました。

この伊奈の地を開業の場に選ばれた理由をお聞かせください。

開業前の5年間、伊奈の病院で勤務していたことがご縁になりました。もともとこの辺りにはまったく土地勘がなかったのですが、実際に暮らしてみると穏やかな雰囲気がとても気に入りまして。これも何かの縁だろうと思い、この地での開業を決めました。まったく縁のない場所でゼロから始めるよりも、すぐそばで開業することで、これまで築いてきた患者さんとのつながりを生かせるのではないかという思いもありました。実際に、2025年11月に開業してからは、前の病院で診ていた患者さんも数多く通ってきてくださっています。地域の方々に支えていただきながら、少しずつ診療の幅を広げているところです。

クリニックづくりでこだわった点はありますか?

佐々木剛院長 伊奈整形外科・せぼねクリニック2

院内は白とブラウンを基調にした明るい空間にしました。来院される方には高齢の方が多いので、入りやすいように飾らない雰囲気を大事にしています。設備面では、エコーを使った注射にすぐ対応できるよう診察室を2つ設け、どちらにもエコーを配置しています。エックス線室も診察室のすぐ隣にあり、数歩で行き来できる動線です。ブロック注射や検査にスムーズに移れるよう、患者さんにも私にも負担の少ない配置を心がけました。また、当院はリハビリテーションに注力していますが、電気で温めたり、引っ張ったりする従来型の機器は置かず、理学療法士の指導のもとで実際に体を動かす運動療法を中心に据えています。

注射とリハビリで、痛みを抑えて動ける体をめざす

来院される患者さんには、どのような症状が多いですか?

佐々木剛院長 伊奈整形外科・せぼねクリニック3

特に多いのは腰部脊柱管狭窄症です。背骨の中の神経の通り道が狭くなることで痛みやしびれが生じる疾患で、首に同様の症状を抱えた方もいらっしゃいます。具体的には、お尻や脚の痛み、歩いているうちに痛くなって立ち止まらざるを得なくなる間欠性跛行を訴える方が多いですね。年齢層は50代から80代まで幅広いですが、やはり70代前後が中心です。高齢化の中でこうした疾患は今後も増え続けるでしょう。原因は加齢だけでなく、体の硬さや日頃のコンディションも大きく関わっています。そこの改善を図れば手術に至らずに済むことも見込めますし、画像上は手術が必要に見えるような場合でも痛みが少ない状態で過ごせる場合もあるでしょう。そうした方を一人でも増やしていきたいと考えています。

そうした症状に対して、具体的にはどのような治療を行っていますか?

痛みを抑えるための治療としてブロック注射を行っています。首にはエコー、腰にはエックス線を用いるなど、部位によって画像機器を使い分けています。また当院では、外来受診当日でもその場でブロック注射を受けていただけます。大きな病院では別の日に予約を取り直すのが一般的ですから、すぐ対応できるのは当院の強みです。リハビリも同様に重要です。当院のリハビリでは、常勤4人を含む理学療法士が、保険診療の一環としてピラティスの動きを取り入れた運動療法を指導にあたっています。腰は本来安定させるべき部位ですが、上下の股関節や胸椎が硬いと腰に負担が集中して壊れていきます。ピラティスのような運動を取り入れたリハビリは、関節の可動域を広げるための動きが含まれているため、ひいては脊柱管狭窄症などの予防にもつながります。注射で痛みの緩和を図り、リハビリで動ける体をめざす。この二段構えで改善をめざしています。

患者さんと向き合う上で、大切にしていることは何ですか?

佐々木剛院長 伊奈整形外科・せぼねクリニック4

一人ひとり、生活のスタイルも活動レベルも違いますから、まずはどんな暮らしをされているかを丁寧にお聞きするようにしています。例えば家の中で過ごすのが中心の方と、山登りを楽しみたい方とでは、治療のゴールがまったく異なりますよね。その方にとっての「ちょうどいい状態」を一緒に探していくことが大切だと思っています。また、不安を抱えていると痛みは強く感じやすくなるため、患者さんのメンタル面にも気を配るようにしています。薬だけが治療ではなく、不安を取り除くことで痛みに影響が見られることもあるんです。完璧に痛みをゼロにするのは難しいことも多いですが、日常生活を送れるレベルまで導くことを現実的な目標にしています。

「したいこと」を諦めないために、何でも気軽に相談を

受診のタイミングに迷う方へ、アドバイスをいただけますか?

佐々木剛院長 伊奈整形外科・せぼねクリニック5

受診の目安は、ご自身のやりたいことができなくなったときだと思います。仕事でも趣味でもスポーツでも、大切にしている活動に支障が出てきたら我慢せずにご相談ください。一方で、特に痛みがなくても不安があるだけで来ていただければと思います。不安を抱えたまま過ごすよりも、一度お話しするだけで気持ちが楽になることもありますからね。もう一つお伝えしたいのが骨粗しょう症のことです。自覚症状がないまま進行し、圧迫骨折をきっかけに気づくケースもよくあります。特に女性は、65歳くらいまでに一度は検査を受けていただきたいです。80代になっても未治療のまま過ごしている方が少なくないのが現状で、骨粗しょう症についてもう少し知識を広めていきたいと思っています。

今後、新たに力を入れていきたいことがあれば教えてください。

院名に「せぼね」と入っていますが、実は背骨だけに特化しているわけではなく、肩や膝、股関節など整形外科全般を幅広く診ています。「背骨以外は診てもらえないと思っていました」という声をいただくこともあるので、何でもお気軽にご相談いただきたいですね。今後は膝関節の再生医療をはじめ、さまざまな治療に取り組んでいきたいと考えています。また、お一人お一人に丁寧に向き合う分、お待たせしてしまうことがあるのも事実です。その改善策として、2つの診察室それぞれにスタッフを配置し、私が記録作業に手を取られず診療に集中できる体制を整えました。他のクリニックにはできないことを追求し、唯一無二の存在をめざしていきたいと思っています。

最後に、地域の皆さんへメッセージをお願いします。

佐々木剛院長 伊奈整形外科・せぼねクリニック6

エコーを使ったブロック注射をはじめ、外来中にその場で注射を受けられる体制を整えているクリニックは、このエリアでも少ないと思います。大きな病院では別の日に予約を取って改めて来院するのが一般的ですが、当院ではその日のうちに対応できます。背骨に限らず整形外科のことなら何でも診られますので、どこに相談すればいいか迷っている方は、まずは気軽に声をかけてください。私自身は趣味らしい趣味もなく、散歩をするくらいのものなんですが、その分、医療にはすべてを注いでいます。仕事を続けながら最後を迎えたいと本気で思えるくらいには、この仕事が好きなんですよね。その気持ちを持って、一人ひとりの患者さんと日々向き合っていきたいと思っています。