鈴木 倫雄 院長の独自取材記事
鈴木耳鼻咽喉科 大阪鼻サージクリニック
(大阪市西区/西大橋駅)
最終更新日:2025/12/15
なにわ筋沿いのビル4階、ホテルを思わせる洗練された空間が迎える「鈴木耳鼻咽喉科 大阪鼻サージクリニック」。鈴木倫雄院長は、病院で後進指導に取り組む中で手術への手応えを感じ、サージクリニック、つまり短期滞在手術施設での開業を決意。「本来手術を受けてもいい段階なのに、薬を飲み続け強い症状を感じている患者さんを見て、そんな状況をなくしたい」と、日帰り手術を軸に真摯な医療を追求する。研究所で培った学術的思考、病院で磨いた鼻手術の技術などを礎に、痛みに配慮した手術と徹底した術後ケアで患者に向き合う。「効率良く適切な結果へたどり着けるよう導きたい」と、「必要な医療を妥協なく提供する」という診療方針を貫くため、日々奮闘している。サージクリニックの新しい医療モデルが秘める可能性と、患者への温かな思いに迫る。
(取材日2025年11月7日)
「その人が本来受けるべき医療」を届けたい
開業までの経緯を教えてください。

大阪鉄道病院に勤務していた頃、部長として後進を指導する中で、自分の手術に確固たる自信を持つことができました。指導しながら知識やスキルを再確認でき、「ここまでできるようになった」と手応えを感じ、開業を決意しました。日帰り手術を軸にしたサージクリニックなら、患者さんに丁寧な説明と必要な医療を提供できると考えました。本来手術を受けるべきなのに、長く薬を飲み続けている患者さんを見てきて、そういう状況をなくしたいという思いが強くありました。南堀江は難波より居住人口が多く、複数駅からアクセスできる立地も決め手になりました。患者さんはアレルギーや風邪など、鼻のことでお困りの方が多いです。お子さんは鼻がうまくかめないので、できるだけ早く改善するよう、薬も使いながらしっかり処置に通ってもらっています。発熱の外来にも対応していますよ。
耳鼻咽喉科を専門に選んだ理由と、ご経歴について伺います。
地元は埼玉で、獨協医科大学を卒業後、大阪医科薬科大学大学院へ、その後、研修医として大阪医科薬科大学附属病院に入局しました。耳鼻咽喉科を選んだのは手術の多彩さに惹かれたからです。内視鏡手術、顕微鏡手術、頭頸部がんの手術など多様な手技があり、診断から治療、その後のケアまで一つの科で完結できるのが魅力的でした。大学時代に音楽をやっていたこともあり、音や声への興味もありました。大阪バイオサイエンス研究所では、副鼻腔の好酸球について研究し、プロスタグランジンの専門家の下で学び、そこで身についた専門的な考え方、つまり「なぜこの薬を使うのか」「どうしてこうなるのか」と根拠を追究する姿勢は、今も診療の基礎になっています。必要な薬を必要な分だけ、理由を明確にして処方することが、正しい医療だと考えています。ほかにも大阪府済生会の吹田病院や済生会中津病院、そして大阪鉄道病院に勤務しました。
これまでに印象的だった出来事はありますか?

済生会中津病院では西川周治先生という優れた指導者に出会い、鼻手術の基礎を徹底的にたたき込まれました。その後、西川先生が異動されて私が鼻手術の責任者となり、最初から最後まで責任を持つしかない状況に。緊張とプレッシャーの中、とにかく安全に、自分ができる100点を常にめざし、患者さんの懸念点を最小限にすることを心がけました。積極的に講習会にも参加し、「死ぬ気でやれ」という上司からの言葉どおり必死に取り組みました。背水の陣で挑んだあの時期が、術者として大きく成長できたことが、私にとっては最大のターニングポイントでした。その後、大学病院で乾崇樹先生に師事し、手術スキルを磨いてきたことが、サージクリニック開業への大きな動機となっています。
日帰り手術で快適な生活を取り戻す
日帰りでの鼻内視鏡手術について詳しく教えてください。

アレルギー性鼻炎、慢性副鼻腔炎、鼻中隔湾曲症などに対する内視鏡手術を日帰りで行っています。日本人の約50%がアレルギー性鼻炎で、潜在的には70%に達するという意見もあります。薬の治療というのは、基本的には出てくる症状を抑えることなので、人によっては一生飲み続けることになりますが、長期的には症状を大きく軽減することが見込める手術が適している場合があります。手術時間は、アレルギー性鼻炎なら1時間半程度。車を運転する、薬を飲み忘れやすい、薬を使っても改善しない方には特に有用です。鼻中隔湾曲症のような骨格の問題は手術しか治療方法はありません。短期間で仕事復帰したい方の要望に応えられるのも日帰り手術の大きなメリットですね。
術後ケアへのこだわりについて聞かせてください。
術後ケアが不十分だと炎症や腫れが残り、鼻腔が狭くなったり癒着するなど「悪い治り方」を招きます。大学病院では、退院後の初回受診が1ヵ月後になることもありましたが、私は中津病院時代から最初の2週間は週3回診察を徹底していました。この期間はどうしても炎症が強く、副鼻腔炎でポリープが再燃することがあります。かさぶたが多い場合はできるだけ取り除き、鼻の中をきれいに保つことも大切です。アレルギー性鼻炎でも同様で、鼻中隔の手術などで骨がずれてきそうな場合にはパッキング剤などで修正したりします。こうした細かいケアが仕上がりに影響します。手術は標準術式なら経験を積めば誰でもできますが、良い結果につなげるには術後ケアが不可欠。だから当院では、術後1週目は必ず週3回来ていただき、手厚くフォローします。これが私のこだわりであり、責任だと考えています。
手術の際、痛みにはどのように配慮していますか?

痛みを軽減するため、3段階の麻酔を行います。まず表面麻酔。皮膚に麻酔薬を塗布しガーゼを当て、さらに入れ替えてもう一度。これをしっかりやって、注射の痛みが軽減できるように努めています。次に落ち着いた状態で検査を受けられるよう鎮静剤を使い、最後に局所麻酔の注射をして、手術を始めます。設備面では4K内視鏡を導入しました。手術の安全性を向上させ、出血も減らすためには、細かい部分まで見える4K内視鏡は役に立ちます。内視鏡は6本用意しました。肉眼では見えない細かい部分も確認でき、より良い診断と治療につながります。CTも活用して、構造をしっかり確認し、手術に臨みます。必要な医療を妥協なく提供する、それが当院の方針です。なお、大規模病院とも連携しており、首の手術やがんの詳細な検査が必要なときなどは、適切な病院や医師を紹介していますのでご安心ください。
最短距離で一番良い結果にたどり着けるようサポート
スタッフの方について教えてください。

看護師5人は全員、私が勤務医時代に一緒に働いていた信頼できる仲間です。医療事務を含めて12人体制で運営しています。一人ひとりの患者さんに時間をかけて説明し、処置も丁寧に行いたいので、分業体制を徹底しています。問診と診察後の簡単な説明は看護師が、カルテ入力はクラークが担当し、私は診療だけに専念できる環境をつくりました。患者さんが最初と最後に接するのはスタッフなので、接遇を重視するようお願いしています。そしてプロ意識を持ち、常に考えながら仕事をしてほしい、知識と判断力を高め、患者さんから感謝されるようになってほしいと思っています。
今後の展望についてお聞かせください。
サージクリニックを通して「手術を受けるべき患者さんが手術を受けられる」という潮流をつくりたいと考えています。本来受けるべき医療を受けられていない患者さんがいるので、とにかくそういう状況をなくしたいです。患者さんには、今の時点で一番良い医療を提供したいですし、効率良く最短距離で一番良い結果にたどり着けるよう、治療の道筋をつけて差し上げたい。今後も、本当に必要な医療を届けることを大切にして、患者さんとしっかり向き合い真摯な医療に取り組んでいきます。
読者へのメッセージをお願いします。

悩んでいる人は放置せず、もっと快適な生活を送るためにも、きちんと治療を受けてほしいです。アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎で薬を減らしたい、やめたい方は、ぜひ相談にいらしてください。体全体のアレルギーはつながっていて、放置するとアレルギー体質が進行してしまうことがあります。場合によっては、気管支喘息などの発症につながることもあるので、早めの治療が大切です。好酸球性副鼻腔炎のような指定難病の抗体薬治療など、専門性の高い医療も提供していますし、幅広い診療をカバーしていますので、どんなことでもお声がけください。あなたにとって最適な治療の道筋を一緒に考えさせていただければと思います。

