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仲川 晃平 院長の独自取材記事

KNなんばインターナショナルクリニック

(大阪市浪速区/なんば駅)

最終更新日:2026/08/06

仲川晃平院長 KNなんばインターナショナルクリニック main

なんば駅から徒歩圏内の、路地を少し入った場所に「KNなんばインターナショナルクリニック」はある。院長の仲川晃平先生はアメリカにて家庭医療を学び、その後も長い海外生活の中で、家庭医療がどのように人々の健康や暮らしに根づいているのかを目にしてきた医師だ。2023年に帰国した背景には、医療アクセスに困難を抱える人々を支えたいという使命感があったという。2025年10月の開業後は、インターナショナルクリニックとして外国籍患者への対応に力を入れる一方、日本人も安心して受診できるクリニックをめざしている。「患者さんファーストの姿勢を大切にし、症状だけでなく何でも話してもらえるような雰囲気づくりを心がけています」と語る仲川院長に、現在の医療体制や診療理念などについて聞いた。

(取材日2026年5月20日)

海外で学んだ経験を生かした国際医療クリニックを開業

長年アメリカで生活してこられ、日本での開業を決めた経緯について教えてください。

仲川晃平院長 KNなんばインターナショナルクリニック1

日本で開業を決めた理由は、3つあります。1つは家族と一緒に暮らしたいという思い。2つ目は、アメリカの医療制度にふれる中で、生活が困窮している方や移民の方々への医療提供に限界を感じたことです。そして3つ目は、アメリカ人の同僚が大阪旅行中に体調を崩し、外国人を受け入れる医療施設を探したのですが、たいへん苦労したと知ったことですね。国際都市をめざす大阪での現状を目の当たりにして、外国籍の方々が安心して受診できる場所が必要だと強く感じました。大阪には多くの医師がいますが、それでも医療へのアクセスが困難な方がいる。そういった方たちのプライマリケアの担い手として、最初に診て必要に応じて専門の医療機関に紹介する、そんな役割を果たしたいと考え帰国を決意しました。

もともとは循環器内科を専門とされていたそうですね。

大学を卒業後は耳原総合病院で、内科と循環器内科の医師として約10年間働きました。循環器内科を専門に選んだのは、一番怖いと思う分野を克服すれば良い医師になれるかなと考えたからです。その後、先進医療とガイドラインに基づいた医療を学びたいと思い、アメリカの医療機関で学ぶことを決意しました。当時の日本ではまだガイドラインに基づいた医療が十分整備されていなかったのです。また、総合診療を学び、幅広く診られる医師になりたいという思いもありピッツバーグ大学で、日本でいうかかりつけ医に必要な知識である「家庭医療」を専門的に研究することに。そうして、14年ほど海外で研鑽を積みました。この時、専門の医療機関がほとんどない地方にいたこともあり、かかりつけ医として診療を行うには、幅広い知識と総合的な診断力が必要だという現状を深く知ることができました。

帰国後はどのような経験を積まれたのですか?

仲川晃平院長 KNなんばインターナショナルクリニック2

医誠会国際総合病院に入職し、救急科や国際診療部門で診療を行い、14年離れていた日本の医療を改めて学び直しました。日本とアメリカ、それぞれの良さを組み合わせる、そんな貴重な経験を積むことができましたね。また、救急科では医長も務めたのですが、若い救急科の先生方と一緒に働けたことも本当に幸運でした。医誠会国際総合病院で1年半ほど勤務し、2025年10月に当クリニックを開業しました。一方で、現在も非常勤医師として、アラスカの病院で臨床業務にも携わっています。

国籍を問わず、すべての患者に寄り添う診療体制

現在はどういった患者さんが来院されていますか?

仲川晃平院長 KNなんばインターナショナルクリニック3

当院では、救急科・内科・小児科を標榜し、外国籍の患者さんにも安心して受診いただける体制を整えています。私自身が英語で診察できるほか、英語と中国語に対応できるスタッフが常駐し、さらにオンライン通訳サービスも活用することで32ヵ国語に対応しています。そうした取り組みもあって、現在は外国人の患者さんが7割、日本人の患者さんが3割ほどで、特にインバウンドの旅行者というより、日本で暮らし、働く在日外国人の方が多いですね。言葉の壁から不安を抱える方も多いため、「ここなら安心して相談できる」と知って来院されているようです。もちろん日本人の患者さんにも多くご利用いただいています。なんば駅近くという立地に加え、週2日は夜遅くまで、さらに祝日も診療しているので、仕事帰りに立ち寄られる方や、お子さんの急な発熱などでも受診しやすい環境になっています。

患者さんが安心して受診できるよう工夫されている点を教えてください。

当院には診察室が6室あり、アメリカで学んだ救急科外来形式を採用して、患者さんに各診察室で待っていただく診療体制にしています。体調が悪い時に人の多い待合室で過ごすことが負担になる方も多く、最近は性感染症などデリケートなお悩みで受診される患者さんも増えているため、プライバシーと安心感に配慮し、早めに個室へ案内し、落ち着いて過ごせる環境づくりを大切にしています。発熱症状の外来についても専用入り口と専用診察室を設け、一般診療とは動線を分けています。開業当初は、かかりつけ医として継続的に通えるクリニックをめざしていたんですが、難波という多種多様なお悩みを抱えた方が集まる土地柄もあり、現在は「まず困った時に最初に相談できる入り口のようなクリニック」でありたいと考えています。

「まず相談できる入り口のようなクリニック」をめざされている理由を教えてください。

仲川晃平院長 KNなんばインターナショナルクリニック4

私自身、アラスカの無医村で医療を学んだ経験もあり、幅広い症状に対応してきました。日本人の患者さんはもちろんながら、特に外国籍の患者さんは言葉の壁や診療時間の制限もあることから、専門の医療機関では症状や不安を十分に伝えきれないことも少なくありません。まずはしっかりとお話を伺い、必要な情報を整理した上で丁寧な紹介状を作成し、専門の医療機関へつなぐ橋渡しの役割を担いたいと考えています。そうすることで、受け入れる側も患者さんの状況を把握しやすくなりますし、患者さん自身も安心して次の医療につながることができます。当院の存在意義として、「どの診療科に行けばいいかわからない」「話を聞いてほしい」といった時に、気軽に相談できる場所でありたいと思っています。

国籍を超えて必要な医療を届けるべく尽力

渡航に関する外来や、幅広い健康診断に対応されているのも大きな特徴ですね。

仲川晃平院長 KNなんばインターナショナルクリニック5

海外の患者さんを診る機会が多いため、渡航に関する相談や健康診断にも力を入れています。渡航に関する外来は飛行機内の気圧や酸素濃度の変化による体調への影響や、渡航先ごとに必要なワクチン・感染症対策などについて、専門的な視点からアドバイスを行っています。また、健康診断では6ヵ国語対応の問診票を用意し、外国語対応が可能なスタッフとともに丁寧にサポートしています。特殊な健診項目が必要になるケースもあるため、できる限り院内で完結できるよう検査体制も充実させてきました。院内にはエックス線やエコーをはじめ、PCR検査、心筋マーカー、性感染症関連の検査機器などをそろえ、迅速に対応できる環境を整えています。

外国人の患者さんに対してケースマネジメントも行っていると伺っています。

開業後、想像以上に検査や薬の処方に関する問い合わせや、紹介状を日本語で作成してほしいといったご相談が多かったことから、外国人患者さん向けのケースマネジメント体制を整えました。診察時の会話を自動文字起こしできる機能を導入し、患者さんとの会話に集中できる時間を確保しました。それによって正しく情報を扱えるようになり、個人情報にも配慮した紹介状の作成にもつながっています。検査結果が出る前に別の国へ移動される場合でも、結果をメールでお送りし、その後の治療につなげられるよう対応するなど、問い合わせ対応から受診後のフォローまでサポートしています。また、英語・中国語対応の血圧手帳を独自につくるなど、外国籍の方にも前向きに健康管理に取り組んでいただけるようなサポートも大切にしています。

読者へのメッセージをお願いします。

仲川晃平院長 KNなんばインターナショナルクリニック6

開業してからさまざまな国の患者さんと接する中で、多くのことを学ばせていただきました。言葉や文化、表現の仕方は違っても、不安に思う気持ちは皆さん共通しているのだと感じています。だからこそ、どれだけ時間がかかっても、最後には必ず「ほかに気になることはありませんか?」とお聞きし、不安や疑問を少しでも解消した上で帰っていただけるよう心がけています。日本人の患者さんはもちろん、外国籍の患者さんも安心して受診でき、日々の健康と生活を支える真のインターナショナルクリニックをめざしたいと思っています。