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仲川 晃平 院長の独自取材記事

KNなんばインターナショナルクリニック

(大阪市浪速区/なんば駅)

最終更新日:2025/11/13

仲川晃平院長 KNなんばインターナショナルクリニック main

なんば駅から徒歩圏内の、路地を少し入った静かな場所に「KNなんばインターナショナルクリニック」はある。院長の仲川晃平先生はアメリカにて家庭医療を学び、その後も長い海外生活の中で、家庭医療がどのように人々の健康や暮らしに根づいているのかを見てきたベテランドクターだ。2023年に帰国した背景には、医療アクセスに困難を抱える人々を支えたいという使命感があったという。2025年10月に開業した後は、インターナショナルクリニックとして外国人患者への対応に力を入れる一方、日本人も安心して受診できるクリニックをめざしている。「患者さんファーストの姿勢を大切にし、症状だけでなく日頃言えないようなことも話してもらえるような雰囲気づくりを心がけています」と語る仲川院長に、診療理念などについて聞いた。

(取材日2025年10月22日)

海外で学んだ経験を地域医療に生かすため開業

長年アメリカで生活してこられたそうですね。日本での開業を決めた経緯について教えてください。

仲川晃平院長 KNなんばインターナショナルクリニック1

日本で開業を決めた理由は、大きく分けて3つあります。1つは家族と一緒に暮らしたいという思い。2つ目は、アメリカで見た医療制度の中で、お金のない方や移民の方々への医療提供に限界を感じたことです。そして3つ目は、アメリカ人の同僚が大阪旅行中に体調を崩し、外国人を受け入れる医療施設を探したのですが、たいへん苦労したことを知ったことですね。国際都市をめざす大阪での現状を目の当たりにして、外国籍の方々が安心して受診できる場所が必要だと強く感じました。大阪には多くの医師がいますが、それでも医療へのアクセスが困難な方々がいる。そういった方々のプライマリケアの担い手として、最初に診て必要に応じて専門の医療機関に紹介する、そんな役割を果たしたいと考え帰国を決意しました。

もともとは循環器内科を専門とされていたそうですね。

ええ。大学を卒業後は耳原総合病院で、内科と循環器内科の医師として約10年間働きました。循環器内科を専門に選んだのは、一番怖いと思う分野を克服すれば良い医師になれるかなと考えたからです。その後、先進の医療と、ガイドラインに基づいた医療を学びたいと思い、アメリカの医療機関に在籍することを決意しました。当時の日本ではまだ、ガイドラインに基づいた医療が十分整備されていなかったのです。また、総合診療を学び、幅広く診られる医師になりたいという思いもありピッツバーグ大学で、日本でいう“かかりつけ医”として必要な知識である「家庭医療」を専門的に学ぶことに。そうして、14年ほど海外で研鑽を積み続けました。この時、都市部と違い専門の医療機関がほとんどない地方にいたこともあり、かかりつけ医として診療を行うためには、幅広い知識と総合的な診断力が必要だという現状を深く知ることができましたね。

帰国後はどのような経験を積まれたのですか?

仲川晃平院長 KNなんばインターナショナルクリニック2

医誠会国際総合病院に入職し、救急科や国際診療部門で診療を行い、14年離れていた日本の医療を改めて学び直させてもらいました。日本とアメリカ、それぞれの良いところを組み合わせていく、そんな貴重な経験を積むことができましたね。また、救急科では医長も務めたのですが、若い救急科の先生方と一緒に働けたことも本当に幸運だと感じました。医誠会国際総合病院で1年半ほど勤務した後、2025年10月に開業し、現在に至ります。

国籍を問わず、すべての患者に寄り添う診療体制

診療時に大切にしていることは何ですか?

仲川晃平院長 KNなんばインターナショナルクリニック3

患者さんの話をしっかり聞くことを一番大事にしています。そのため当院では英語、中国語の通訳ができるスタッフが常時います。それ以外の言語も極力機械通訳に頼らず、オンラインの対人通訳を使っています。機械通訳ですと伝わりにくいニュアンスなどがあるので。時間と費用はかかりますが、患者さんが母国語で思いを十分に話せる環境づくりが大切と思いこのような体制を整えています。いくら時間がかかっても最後は必ず「ほかに質問はありますか?」とお聞きしています。患者さんは日常生活で言えない不安や疑問を抱えていることが多いですからね。また外国籍の方は日本の医療制度がわからず、軽症でも総合病院の救急科外来に行ってしまうことも。そういった方を当院で適切に診療することで地域医療全体を支えていきたいです。当院は英語での紹介状、診断書など各種文書の作成が日本語と同じ早さで可能なので、病院側の負担軽減にもつながればと考えています。

診療体制や設備面での特徴を教えてください。

開院当初は12時から21時までの昼夜中心の診療体制だったのですが、午前診療の要望もあり9時から21時まで診療時間を拡大しました。また、診療体制はアメリカで学んだ救急科外来形式を採用し、患者さんに診察室で待っていただく体制にしました。スタッフが診察室を移動することで患者さんの負担を軽減し、プライバシーも確保できると考えたからです。設備面では、迅速な診断につなげるためエックス線やエコー、血液検査機器などを一式そろえました。診察室には2〜3台のモニターを設置し、電子カルテとは別に検査結果や関連資料を患者さんに共有できるようにしました。ちなみに待合室の長椅子に背もたれがない理由は、背もたれが必要なほど長く患者さんを待合室で待たせたくないという信念と、どの方向からでも自由に座れるようにと考えたからなんですよ。

貴院の診療理念をお聞かせください。

仲川晃平院長 KNなんばインターナショナルクリニック4

当院の診療理念は、私の医療の根幹となっている姿勢である、「患者さんファースト」です。もし自分が患者さんの立場だったら、家族が患者さんの立場だったらと常に考えて診療にあたっています。医療について勉強していると、自分の知識・技術を向上させることだけに集中してしまい、「何のために」を見失ってしまいそうになることも……。そんなときは、「患者さんファースト」を思い出し、「目的」を再確認するようにしているんです。先ほどもお話しした、帰国後に若い医師たちと一緒に働く機会を得た時も、患者さんにとって最善の医療を提供することが私たち医師の使命だと改めて実感できたので、良い時間を過ごせたと感じていますね。

国籍を超えて必要とされる医療を届けようと尽力

スタッフとの連携で大切にしていることはありますか?

仲川晃平院長 KNなんばインターナショナルクリニック5

スタッフ皆が仲良く、それぞれの強みを生かして働けることを大切にしています。中国から来たスタッフは中国語対応ができ、日本人スタッフは医療事務の経験が豊富、若手スタッフはIT関連に強かったり、救急のスキルがあるなど、業務内容での上下関係はなく、お互いをリスペクトし合える環境づくりを心がけています。このほかにも、楽しく働ける環境づくりの一環として、季節のイベントも企画しているんです。ハロウィーンやクリスマス、お正月などを通じて、国際色豊かな雰囲気をつくっています。そのことからも、スタッフはカラフルなスクラブを自由に選んで着ているんですよ。こうした雰囲気が、多様な背景を持つ患者さんにも安心感を与えられると考えています。

今後の展望についてお聞かせください。

患者さんに必要とされる医療を提供し続けられるクリニックでありたいです。当院では、検査時の指示を英語・中国語に翻訳して記載したカードなどの診療ツールを独自で作成・使用しており、将来的にはほかの医療機関でも活用できるように普及させたいと考えています。そして日本人の患者さんだけでなく、外国人の患者さんも日本のどこでも安心して医療を受けられる環境づくりに貢献したいです。また対面通訳もさらに言語を充実させて、大阪に住むさまざまな国の方を支えられる体制を整えていきたいと思っています。医療だけでなく生活面の助力も含む、真の意味でのインターナショナルクリニックになれたらうれしいです。

読者へのメッセージをお願いします。

仲川晃平院長 KNなんばインターナショナルクリニック6

当院は患者さんの症状や背景に関わらず、どなたでも安心して受診できるクリニックをめざしています。アメリカで学んだ家庭医療の専門性を生かしつつ、日本の医療制度に沿った診療で皆さんの健康を支えていきます。言葉や国籍を問わず、誰でもしっかりと診療いたしますので、外国人の患者さんだけではなく、日本人の患者さんにもかかりつけ医として頼りにしていただけましたら幸いです。また、ご要望があればガイドラインに基づく治療から生活指導まで、幅広く柔軟に対応させていただきますので、お困り事がありましたらぜひご相談ください。お待ちしています。

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