秋川 泰三 院長の独自取材記事
こどもおとな歯科 藤が丘
(横浜市青葉区/藤が丘駅)
最終更新日:2026/06/05
歯の形をした大きな看板の先に広がるのは、木のぬくもりと窓から差し込む光に満ちた、歯科医院とは思えないほど穏やかな空間だ。藤が丘駅から徒歩1分、2025年に開業した「こどもおとな歯科 藤が丘」は、ひらがなを冠したやわらかな院名が象徴するように、小児歯科に専門性を持つ。院長の秋川泰三先生は、小児歯科専門クリニックで幅広い症例を経験した後、充実した歯科医師人生を歩むべく地元・青葉区での開業を決意。子どもの目線の些細な動きから恐怖か甘えかを見極める鋭い観察力と、痛みに配慮した診療で、歯科を怖がる子どもも笑顔で通えるよう導いている。その診療の土台にある信念や、小児歯科の専門家ならではのこだわりについて詳しく話を聞いた。
(取材日2026年5月21日)
感謝、謙虚、素直を胸に歩んだ小児歯科への道のり
先生が歯科医師の道に進まれたきっかけを教えてください。

祖父が歯科医師をしていまして、小さい頃からよくそのクリニックに遊びに行っていたんです。身近な職業だったこともあり、自然と昭和大学歯学部に進学しました。卒業後に小児歯科の道へ進んだのは、お世話になっていた先輩に誘っていただいたことがきっかけです。知り合いの先生方には小児歯科を苦手とされる方も多く、もともと子ども好きだった自分がやってみようと飛び込みました。実際に携わってみると、大人の患者さんとはまるで違って自分の思いどおりにはまったくいかないんですよね。でもその難しさの中にこそやりがいがあって、毎回異なる反応を返してくれるお子さんと向き合う面白さに、気がつけばどんどんのめり込んでいきました。
勤務医時代のご経験から、開業を決意されるまでの歩みをお聞かせください。
小児歯科を専門で学んだくりた歯科医院ちゃいるどデンタルクリニックでは、さまざまな症例のお子さんを診る機会に恵まれ、小児歯科でできないことがほとんどなくなるくらい多くの経験を積みました。次に勤めたよりおかガーデン歯科クリニックでは包括的な治療を学びながら、「感謝、謙虚、素直な気持ちで人と接すること」、そして「基本が一番大切であること」を教わりました。どんなに先進的な技術を取り入れても、基本がなければ長く持たないという考え方は、今の自分の土台になっています。開業を決意したのは、自分の理想の治療をもっと自由に実現できれば、より充実した歯科医師人生を歩めるのではないかと考えたからです。地元である青葉区の田園都市線沿線で場所を探し、藤が丘での開業に至りました。
クリニックづくりでこだわった点を教えてください。

院名の先頭に「こども」とひらがなで置いたのは、小児歯科に力を入れたクリニックだとやわらかく伝えたかったからです。「こども」のローマ字表記も「k」ではなく「c」を使い、全体の雰囲気を優しく仕上げました。院内はぬくもりのあるデザインにこだわり、大きな窓から光がたっぷり入る明るい空間です。外から中が見えるので、初めての方も入りやすいと思います。バリアフリー設計や広いキッズスペース、プライバシーに配慮した個室も備えました。開業してみると、患者さんは何軒か他の歯科医院を回った上でいらっしゃる方や、ホワイトニングなど審美歯科を希望される方も多く、口腔内への意識が高い地域だと感じています。お孫さん連れのご家族もいらっしゃいます。予約制ですが、急な痛みなどには柔軟に対応しています。
痛みを取り除くことに努め、歯を「一生の友達」に
日々の診療において大切にされていることを教えてください。

「歯は一生のお友達」というコンセプトを掲げています。子どもの頃の歯科体験が嫌な記憶になっているケースが実は多く、大人になっても歯科医院に足が向かなくなってしまう方もいらっしゃるんです。そうならないためにも、通院を楽しめるような工夫や、自分の歯と向き合うモチベーションを高めるお手伝いが大切だと思っています。「友達」という表現には、ずっと付き合っていく歯を大事にしてほしいという思いを込めました。日々の診療では、勤務医時代に学んだ「基本を手抜きしない」姿勢を実践しています。また、歯科医師側が「こうすべきだ」と考える治療と、患者さんが本当に求めていることは必ずしも同じではありません。そこをくみ取った上で一緒に進めていくことを、何より大切にしています。
受診を嫌な記憶にしないために、どのような工夫をされていますか。
歯科に苦手意識を持つ要因はほぼ「痛み」です。痛みがなければ大抵のことはクリアできると考えていますので、そもそも痛みの少ない麻酔の打ち方や、しっかり作用させるための工夫には特に気をつけています。泣いているお子さんでも、治療中に眠ってしまうくらいリラックスしてもらうのが目標です。また、痛みを我慢される方もいらっしゃるので、ちょっとした表情の変化を見逃さず、察してあげることも大事にしています。お子さんの場合は、目線の動き方など些細なサインから、恐怖で泣いているのか、甘えで泣いているのかを見分けることが重要です。「痛い」と言えば大人が手を止めることをわかっていて、あえてそう言う子もいるんですよね。そうした駆け引きの見極めも、小児歯科ならではの面白さだと感じています。
設備面でこだわった部分についても教えてください。

より精密な治療を提供するために、設備面にもこだわりました。レーザー治療装置は歯周組織へのアプローチに活用しており、歯茎を切開する手術をしなくても歯周病の改善が見込めるほか、痛みが出にくく治りの早さも期待できる点が利点です。歯科用CTはインプラント治療や、歯の根の内部にある管の数や位置を適切に確認するために活用しています。安心と安全が一番だと考えていますので、そこをクリアできるよう精密な診断を心がけています。また、小児歯科で研鑽を積んできたからこそできることとして、お子さんの癖を早い段階で見つけ、将来的に自然と良い歯並びへ導く誘導にも取り組んでいます。歯並びは長い目で見るとお口の健康全体に関わりますので、早めに気づいてあげることが大切です。
子どもの成長に寄り添い、笑顔で通えるクリニックへ
印象に残っている患者さんとのエピソードはありますか。

以前、4〜5歳の男の子が来院時に泣いて暴れてしまったことがあるのですが、たまたま時間ができたのでマスクを外して二人でじっくり話をしました。叱るのではなく一人の人間として向き合い、「もしかして怖いわけじゃなくて、ちょっと甘えたい気持ちなのかな」と聞いてみたら、「うん」と素直に答えてくれたんです。自分の気持ちを言葉にできたことで、その子の中でも整理がついたようで、「じゃあ、一緒にやってみようか」と前向きに治療に進むことができました。診療にあたっては、もちろん痛くないよう最大限の配慮は続けます。次の来院時からは泣くことはなくなり、その成長には驚かされました。できなかったことができるようになっていくお子さんの姿を見ると、やりがいを感じますね。
クリニックの雰囲気や、今後の展望についてお聞かせください。
スタッフはやわらかく穏やかな雰囲気の方が多く、お子さんとの接し方も親御さんが安心できるような自然な対応をしてくれています。院全体が温かい空気に包まれているのは、そうしたスタッフの存在も大きいですね。今後はどんな方でも入りやすく通いやすい場所であり続けたいと思っています。そのためにも、どんな悩みにも対応できるよう技術と知識の自己研鑽を積んでいくことが大切です。実は開業してからのほうがセミナーを多く受講するようになっていまして、学んだことを少しでも日々の診療に還元していきたいと考えています。地域の皆さんにとって「ここに来て良かった」と思っていただけるような、長く寄り添えるクリニックをめざしていきます。
最後に、読者の方々へメッセージをお願いいたします。

歯医者さんは「嫌なところ」というイメージをお持ちの方がやはり多いと思います。ただ、どんな治療であれ、まずはご相談だけでもまったく構いません。お話を伺った上で、ご自身が納得できるところまで一緒に考えていきます。私が大切にしているのは、帰るときに笑顔になっていただくということです。お口にコンプレックスを抱えている方や、過去の経験から精神的に歯科を敬遠されてきた方もいらっしゃると思いますが、そうした方にこそ安心していただけるよう、できる限りの対応をさせていただきます。帰るときに「来て良かった」と感じていただけることが良い空間づくりだと考えていますので、お気軽にご相談いただけたらうれしいですね。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/45万円、ホワイトニング/2万円~3万8000円

