力丸 悠 院長の独自取材記事
りきまる整形外科クリニック
(福岡市東区/三苫駅)
最終更新日:2025/12/29
西鉄貝塚線・三苫駅から徒歩9分の場所にある「りきまる整形外科クリニック」。院長を務める力丸悠(りきまる・ゆう)先生は、福岡和白病院など中核病院で多くの手術を執刀してきた。自身もヘルニアで手術およびリハビリテーションを経験したことから、同院内のリハビリテーション施設を整備。「治療を患者さんに強制しないこと」を信条に、一人ひとりの希望や生活背景に寄り添う診療を大切にしている。患者の話への傾聴を重視した、穏やかな人柄の力丸院長に、2025年10月に開業した経緯やリハビリテーションへの思いなどを尋ねた。
(取材日2025年12月16日)
大規模病院での経験を糧に、患者が通いたくなる空間を
まずは開業までの経緯をお聞かせください。

大学卒業後、福岡和白病院をはじめ県内外の中核病院で整形外科医として勤務してきました。外傷の手術を中心に多くの症例を経験してきたのですが、実際の外来では手術にならない患者さんが圧倒的に多いんですね。膝や腰の痛みを抱えながら日常生活を送っている方々に対して、もっときめ細かなサポートをしたいという思いが次第に強くなっていきました。勤務医の立場では、どうしてもやれることに限界がある。ならば自分でクリニックを開いて、患者さんと密接に向き合いながら治療を続けていきたい。そう考えるようになったのが開業を志したきっかけです。準備には約3年をかけ、ちょうど良いタイミングでこの土地が見つかりました。福岡和白病院からも近く連携が取りやすいことに加え、広い敷地を確保できたことで、理想の充実したリハビリテーション環境を整えることができました。
クリニックづくりで工夫された点を教えてください。
「患者さんが行きたくなるような空間」をめざしました。医療機関というのは、本来誰もが進んで足を運びたい場所ではないと思うのです。だからこそ、良い意味で病院らしさを感じさせないつくりにしたかった。色の統一感には特にこだわっていて、白を基調にグレーの石材をあしらい、モノトーンのシックな雰囲気に仕上げています。間接照明を多く取り入れることで、まるでホテルのような落ち着いた空間を演出しました。また、全面バリアフリー設計で車いすの方も通りやすくなっていますし、多目的トイレも広々としたスペースを確保しています。患者さんが快適に過ごせることが、治療への前向きな気持ちにもつながると考えています。
勤務医時代のご経験は、現在どのように生かされていますか?

中核病院で数多くの手術を執刀してきた経験は、今の診療に大きく生きています。特に、手術が本当に必要かどうかの見極めには自信を持っています。手術の適応を適切に判断できるからこそ、必要な方には適切なタイミングで病院などをご紹介できますし、手術以外の方法で改善が見込める方にはしっかりとその道筋を示すことができます。福岡和白病院とはすぐに連絡が取れる距離にありますので、患者さんにとっても安心感があるのではないでしょうか。設備面でも新鋭の機器をそろえることにこだわりました。例えば骨密度検査は、寝たままの姿勢で受けられる装置を導入しているので、腰や足に不安のあるご高齢の方の負担が和らげば良いですね。土曜日も夕方まで診療していますので、平日はお仕事や学校で忙しい方にも対応しやすい体制を整えています。
自身のヘルニア経験を踏まえたリハビリテーション
院内を拝見しましたが、リハビリテーション室がとても充実していますね。

はい。リハビリテーションを充実させたいという思いは、開業当初から強く持っていました。広々としたスペースに新鋭の機器をそろえ、患者さんが気持ち良く治療を受けられる環境を整えています。実は、リハビリテーションへの思い入れには私自身の経験が深く関わっているんです。私はヘルニアで3回手術を受けていまして、不具合のある部分が今もあります。ですが、一患者としてリハビリテーションに取り組んだ経験は貴重なものでした。だからこそ、その経験を踏まえ、患者さんにも同じように前向きに取り組んでもらいたい、清潔感があり居心地の良い場所でリハビリテーションを提供したいと考えています。
具体的にどのようなリハビリテーションを提供されていますか?
高齢の方には、膝痛や腰痛といった慢性的な症状に対するリハビリテーションを提供しています。今の状態を維持することはもちろん、少しずつでも症状を改善していけるよう、運動療法と物理療法を組み合わせながら治療を進めています。一方、スポーツに取り組む学生さんや若い世代の方には、なるべく競技を続けながら治療できるようサポートしています。部活動を休まざるを得ない状況はご本人にとってつらいものですから、可能な範囲で運動を継続しながら回復をめざせるよう、理学療法士や看護師と連携しながら一人ひとりに合った方法を考えています。開業当初はスポーツをされる学生さんはそこまで多くなかったのですが、最近はクチコミで広まってきたようで、来院される方が増えてきました。また、院内でアンケートを取っているので、院内で気になる点があればぜひお知らせいただければと思います。
診療において大切にされていることがあれば教えてください。

「治療を患者さんに強制しないこと」、これは常に心がけています。まずは患者さんの話をしっかり聞いて、私が良いと思う治療法をお伝えします。ただ、たとえ手術が一番良い選択肢だとしても、ご本人が入院できない事情を抱えていたり、手術を望まなかったりすることも。そういった場合は、その範囲内でのベストな治療法を一緒に考え、提案するようにしています。患者さんの生活背景や希望をくみ取り、納得して治療に進んでもらうことが大切だと考えているんです。傾聴を大事にしながら、できる限り患者さんに寄り添っていきたい。当院には2〜3歳の小さなお子さんから90代のご高齢の方まで、本当に幅広い年齢層の方が来院されています。どんな方にも、一人ひとりに合った医療を提供できるよう努めています。
些細なことでも、まずは気軽に相談を
スタッフさんについて教えてください。

看護師が3人、理学療法士が2人、リハビリテーション助手が3人、医療事務が4人、放射線技師が1人在籍しています。採用にあたっては、人柄を重視しました。医療の知識や技術はもちろん大切ですが、患者さんに対してどのように接するか、スタッフ同士でどうコミュニケーションを取れるか、そういった部分がクリニック全体の雰囲気をつくると思っているからです。実際に今いるスタッフは皆人柄が良く、患者さんへの対応も丁寧で、安心して任せられています。スタッフ間の連携もスムーズで、私も含めてチームとして診療にあたっている感覚がありますね。開業して間もないですが、患者さんから「スタッフの方が優しい」「話しやすい」といった声をいただくこともあるんですよ。これからも患者さんが安心して通える雰囲気を大切にしていきたいです。
今後の展望をお聞かせください。
おかげさまで患者さんの数が増えてきており、特にリハビリテーションの予約が取りにくくなったり、お待ちいただく時間が出てきたりしています。ご迷惑をおかけしている部分もありますので、スタッフの増員を進めているところです。より多くの方にしっかりと治療を届けられるよう、受け入れ態勢を整えていくことが当面の目標ですね。また、地域の皆さんに「何かあったらまずここに相談しよう」と思っていただけるクリニックでありたいと考えています。整形外科の領域にとどまらず、困ったことがあれば気軽に声をかけていただける存在になれたらうれしいです。患者さん一人ひとりとの関係を大切にしながら、地域に根差した医療を続けていきたいと思っています。
最後に、読者へメッセージをお願いします。

「こんなことで受診して良いのかな」と躊躇される方も多いと思いますが、遠慮せず、気になることがあればいつでもご相談ください。ちょっとした違和感や痛みでも、早めに対処することで大きな問題を防げることがあります。まずは「相談してみよう」という気持ちで足を運んでいただければうれしいです。お子さんからご高齢の方まで、どなたでも気軽に立ち寄れる場所であれるよう、迷ったり困ったりしたときに、まず思い浮かべてもらえるクリニックであれるよう、これからもスタッフ一同、丁寧な診療を続けてまいります。

