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朝廣賢哲 院長の独自取材記事

朝廣歯科クリニック

(横浜市栄区/港南台駅)

最終更新日:2019/08/28

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港南台駅から桂台中央行きのバスに乗り、犬山南停留所で下車。そこから徒歩1分、上郷郵便局の目の前にある「朝廣歯科クリニック」。実家に併設されたクリニックは、1歳から90歳を超える幅広い患者が訪れる、まさに「町の歯医者さん」。いつも笑顔の絶えない朝廣賢哲院長は、一般的な診療のほかにも、栄区の介護福祉施設や自宅で生活する高齢者の訪問診療を積極的に行っている。さらには、講演活動を通して口腔ケアの大切さを訴えるなど、地域医療の向上に尽力している。「地域の人と一緒に年をとってきた」と語り、とにかく「仕事が楽しい」という朝廣院長。その親しみやすい性格が、たくさんの不安を抱える患者へのケアにも繋がっていそうだ。地域医療にかける情熱、高齢化社会における医療のあり方、さらには意外な趣味についてなど、中身の濃いお話を聞くことができた。
(取材日2012年8月23日)

震災後、注目されている誤嚥性肺炎。高齢者の口腔ケアを

開業前はどのようなお仕事をされていたのですか?

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大学の歯学部を卒業した後は、横浜市立大学の附属病院で研修を受け、口腔外科に勤務していました。そのほかの病院にもアルバイトの形で診療に携わり、1990年に開業しました。この場所に開業したのは、もともと実家があったからです。この付近の住宅街ができた当初から住み始め、以来、地域の人たちと一緒に年をとってきたという感覚ですね。父は歯科医師ではなく、税理士をやっていました。ここには父の税理士事務所があったんですが、開業する際に事務所を2階に移し1階でクリニックを始めました。

患者さんはどういった年齢層の方たちでしょうか?

1歳から90歳を超える方まで、幅広いですね。開業当時は、ほとんどの患者さんが60歳くらいまでの方でした。住宅地であまり人の入れ替わりもなく、引き続き通っていただいていますが、全体的な高齢化にともなって、診療は少しずつ変化してきました。例えば、誤嚥性肺炎の問題です。とくに、阪神大震災や東日本大震災の後、被災したお年寄りのなかから、誤嚥性肺炎で亡くなる方が多いというニュースがありました。これは、口腔内の衛生管理ができず、体調が悪化したことによるものだと考えられますが、私も歯科医師として、地域でお年寄りなどに同じ状況が起きないよう、何かできないかと考えたんです。そこで、摂食・嚥下障害に関する研修や勉強会へ積極的に参加し、横浜市桂台地域ケアプラザの運営協議会委員になり、地域の公衆衛生活動に取り組むようになりました。こうした活動には、関係者同士の連携がとても大事で、医科や福祉施設との連携に加え、高齢者を守っていくためにはケアマネージャーとの意思の疎通もはからなければなりません。ケアマネージャーは、どんなドクターなのかわからなければ、自分が責任を持って担当している利用者さんを安心して任せることはできないと思います。それは私たちも同じで、どこかの病院に患者さんを紹介する際も、お互いによく知っていて信頼のできる先生にお願いしたいと思いますから。だから、日頃からコミュニケーションを深め、信頼関係を築くことが大切です。誤嚥性肺炎を防ぐためには、口腔ケアが必要で、悪くなってから処置をするのではないのはもちろんのこと、もっともっと早い段階、60歳くらいの方たちの口腔ケアに対するIQを上げていくことが必要です。これまでも、各所で予防の大切さを講演させていただいています。これからも呼ばれればどこへでもボランティアで伺うつもりです。

口腔ケアのほかに、高齢の患者さんへ行っていることはありますか?

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機能訓練を目的とした口腔体操の指導も行っています。具体的には早口言葉の練習などですね。そのために、患者さんに合わせて手製の教本を作り、お渡しすることもあります。また、栄区でも高齢者の独居となるケースが増えてきています。たとえご夫婦二人で暮らしていてもほとんど会話がなかったり、独居の方ではここに来て久しぶりに人と会話をしたと言われる患者さんもいらっしゃいます。そこで、最近では、民生委員を務めている知人に相談し、患者さんが住んでいる地区でお年寄りが集まってお話をするようなグループに紹介していただくこともありました。

たくさんの選択肢を用意。保険内でのレーザー治療など患者本位の診療を

診療にあたってのこだわりなどはありますか?

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患者さんは私が最後まで診ます。それは、歯科医師が私しかいないのであたりまえのことなんですが、口腔衛生指導は信頼できる歯科衛生士さんにもお任せしています。インレー(詰めもの)やクラウン(被せもの)などは、ほとんど自分でつくっています。ブリッジや入れ歯、自費診療のものなどは別ですが、それ以外は開業当時より自分でつくってきています。それが患者さんの口にピタッと入ると、とても気持ちがいいのです。歯科技工士さんにお願いして制作物をつくる際には、ただ発注するだけでなく、実際に来てもらって患者さんの歯を直接見てもらうこともあります。そうしないと、微妙な色などが出せないのです。口の中は、直接見ないとわからないと思います。ですから、普段の治療でも、自分で責任を持って確認しないと気が済みません。患者さんのほうだって、その先生に診てもらいたいと思って来ているのに、別の人が治療をするのは納得できないですよね。

先生はもともと口腔外科が専門と伺っていますが、現在でもこの分野が中心なのでしょうか?

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親知らずなどを抜くのは得意ですが、それはあくまで患者さんとの相談のうえです。なんでもかんでも抜くわけではないですよ(笑)。抜きたくないものを無理やり説得して抜くなんてことはしませんし、「抜いてください」と来る方に対しても、まずはよく検査して、確かに抜かなくてはならないということがわかったうえでもその場では抜かず、抜くのは必ず次回に持ち越すように心がけています。そうして、患者さん本人が本当に抜きたいのかどうか意志を確認したところで処置するようにしています。その際、納得がいかなければセカンドオピニオンのために別の医院に相談に行っても良いと思います。患者さんに対しては、いかに歯科医師側が選択肢を持っているかどうかが重要なんだと思っています。決まった治療のことしか話さないのではなく、いろいろな選択肢を提示し、それを患者さんが選ぶようにしないといけません。当院では保険診療が中心です。あまり患者さんに対して自費となる診療をお勧めしていないのかもしれませんが(笑)。レーザーやCAD/CAMシステムというコンピュータを使用したセラミック治療など、さまざまな機器を用意していますが、ケースによって勧められるものと勧められない場合があります。最先端の高額な医療機器は費用を回収するために、どこかにしわ寄せが来てしまいます。設備投資は大事だと思いますが、患者さん本位という目的が本末転倒にならないように注意しなければなりません。当院のレーザーは、私が必要だなと思った時に、患者さんにお勧めして使いますが、あくまで保険内の診療で追加はいただいていませんので、今のところ設備投資の回収率はゼロなんですよ。設備投資をした意味はあったのだろうと信じていますが、不明です。まあいんじゃないでしょうか、私はこの仕事が好きでやっていますので(笑)。

何よりも仕事が楽しい。今後は、自分の育った地域のためにできることを

先生はなぜ歯科医師を職業に選ばれたのですか?

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中学の頃には歯科医師になろうと決めていました。もともと手先が器用だったというのはありますが、きっかけは自分でもよくわかりません。小学生当時、母はプラモデルを買ってくれなかったため、近所で家を建てていると余った木材をもらってきてはノコギリと釘を使って船や飛行機などをいくつもつくり、遊んでいました。中学に入ってからも美術などが好きでしたね。部活はサッカー部でしたが、とにかく細かい作業などが得意でした。

地域の健康を守っている先生ですが、ご自身の健康法などはありますか?

医療に携わっている人間としてあまり良くないことなんですが、ないんです(笑)。でも、仕事に関しては、いろいろな人との出会いがあるし、やっていて楽しいのでストレスもないんですよ。人のために役に立てるというところも、何かをつくるということも実に楽しいことなんです。そんななかで、最近始めた趣味は「一人カラオケ」です(笑)。ただし、これはストレス解消というよりはただ好きでやっているだけです。徳永英明のカバー曲などをよく歌っています。私は好きで歌っているだけですが、実際、「歌う」という行為は、「話す」「笑う」といったこととともに、とても健康に良いことなんです。誤嚥性肺炎の予防などにもつながりますが、高齢者のなかで喉の機能が落ちていない人は歌や詩吟をやっていることが多いですね。ぜひ、カラオケもお勧めです。一人でお店に入るのはちょっと抵抗あるかもしれませんが(笑)。

それでは、今後の展望について教えていただけますか?

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「栄区は私が守る」(笑)。冗談ですが、それくらいの意気込みでこれからも仕事をしていきたいと思っています。歯科医師として、自分の育った地域のために何ができるかを常に考えています。ただ、私は現在57歳なので、13年経てば70歳です。すると、患者さんの最期まで診てさしあげるのはちょっと難しいですね。ですから、私の患者さんの現状をいかに維持し、少しでも健康なまま、次の世代に引き継ぐかということをベースに治療を進めています。そのためには、最新の医療を求めるというよりは、予防を重視する必要があります。そういう意味では、私が最も力を入れ、今後も積極的に進めていきたいと思っているのは予防歯科なのかもしれません。

自由診療費用の目安

自由診療とは

スポーツ用マウスピース作成/5000円~、セラミック治療/4万円~(すべて税抜)

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