西岡 慎夫 院長の独自取材記事
にしおか内科
(大阪市都島区/都島駅)
最終更新日:2026/05/01
大阪メトロ谷町線の都島駅から徒歩約7分。マンションが立ち並ぶ活気あるエリアのクリニックビル4階に「にしおか内科」はある。2026年4月、長年親しまれてきたクリニックを継承するかたちで開業した院長・西岡慎夫先生は、近畿大学卒業後、同大学病院でのカテーテル治療や市立柏原病院での循環器救急など急性期医療の現場で腕を磨き、その後はクリニックで慢性期管理や心臓リハビリテーションにも取り組んできた。「心臓病に至る前の段階の治療が非常に大事」と語る背景には、予防から急性期、慢性期まで一貫して循環器と向き合ってきた経験がある。前身のクリニックからスタッフと患者を引き継ぎ、丁寧に診療にあたる西岡院長に、開業への思いや日々大切にしていることを聞いた。
(取材日2026年4月15日)
「心臓を守れば救命につながる」急性期から予防の道へ
先生が医師の道に進まれたきっかけを教えてください。

小さい頃から生物が好きで、特に人の体の仕組みには強い興味がありました。大学進学を考えた時、その興味を生かして人の役に立てる仕事がしたいという思いから、病気を治療する医学の道を選びました。卒業後に専門を決める際はいろいろと迷ったのですが、最終的に循環器内科を選んだのは、心臓が命に直結する臓器だからです。心臓をしっかり守ることができれば、患者さんの命を助けられるのではないか。その一心が決め手になりました。大きな責任を伴う領域ですが、だからこそ自分がしっかり向き合いたいと感じましたし、その気持ちは今も変わっていません。循環器の道を歩み始めてから長い年月がたちましたが、最初の志を大切にしながら日々の診療にあたっています。
卒業後はどのようなご経験を積んでこられたのでしょうか。
近畿大学病院では内科全般を幅広く学び、大学院を修了してからはカテーテル治療を中心に経験を積みました。その後の市立柏原病院で携わったのは、カテーテルやペースメーカーの植え込み手術、夜間の緊急対応など、循環器疾患の急性期を中心とした救急医療です。さらに柏原市にあるクリニックへ移ってからは、慢性期の管理や一次予防に重点を置いた診療に取り組み、心臓リハビリの立ち上げにも関わりました。糖尿病を専門とされる院長のもとで、心臓病に至る手前の段階である生活習慣病の治療がいかに大切かを実感したんです。心臓病を未然に防ぐことと、心臓病を経験された方の再発を防ぐこと、その両方を自分の手で担いたいという思いが開業の原動力になりました。
こちらで開業されるに至った経緯をお聞かせください。

もともと大阪市の出身ですので、大阪市内で開業したいという気持ちがありました。循環器の一次予防や患者さんの管理をしっかり行っているクリニックを継承できないかと探していたところ、ふなうち内科クリニックの募集を知りました。院長の船内武司先生と何度かお会いして話を伺ううちに、循環器を軸にかかりつけ医として地域に根差した診療をされている姿勢が、自分の考え方と重なっていると感じたんです。院内も船内先生が丁寧に使われていたおかげで隅々まできれいでしたし、同じビルに整形外科や耳鼻咽喉科も入っていてクリニック同士で連携できる環境も魅力でした。スタッフも患者さんもそのまま引き継ぎ、今年の4月に開業しました。患者さんから「優しそうで良かった」と声をかけていただくこともあり、少しほっとしています。
心臓病を防ぎ、繰り返さない。患者の希望に沿う治療を
循環器内科として、どのような診療に力を入れていますか?

当院の循環器診療には2つの柱があります。1つは高血圧症や糖尿病などの生活習慣病を管理して心臓病を防ぐこと、もう1つは心臓病を経験された方の再発や悪化を防ぐことです。近年は心不全パンデミックと呼ばれるほど心不全の患者さんが増えていますが、高齢化や治療の進歩で長寿化が進んだことが背景にあります。心不全は一度なると入退院を繰り返しやすいため、お薬の調整を中心にしっかりコントロールしたいですね。ご事情で入院が難しい方にはこまめに通院いただき、外来で管理することも可能です。また、同じ都島区にある大阪市立総合医療センターとの連携はもとより、北野病院や周辺の基幹病院、クリニックの先生方とも密に連携し、安定期の方のフォローも担っていきます。生活面では心臓のためにまず減塩、そして無理のない運動を心がけていただくことが大切です。
循環器以外の症状で相談に来られた場合はどのように対応されますか?
発熱やおなかの痛みなど一般的な内科症状でも、まず初期の診察と治療を行い、しっかり診断をつけることを心がけています。風邪だと思っていたら実は違う病気だったというケースもありますので、必要に応じて専門の先生にご紹介することもできます。近畿大学時代の恩師に「循環器医師である前に内科医師であれ。内科全般を診てから循環器だ」と教わりました。その言葉が今も私の原点です。ですから、心臓と直接関係のない訴えであっても途中でお話を切ったりせず、患者さんのお話をゆっくり聞くようにしています。一見つながりがなさそうに見える症状が、実は全身の状態と関係していることもありますので、内科医として体全体を診るという姿勢を忘れずにいたいと思っています。
治療方針を立てる上で大切にされていることを教えてください。

一番大切にしているのは、患者さんの希望に沿った治療方針を立てることです。どこまで高度な治療を行うか、費用面も含めて一緒に考えていきたいと思っています。循環器の領域では新薬が次々と登場していますが、中には高額なお薬も少なくありません。良いからといってすべて使うと、お薬代だけでも大きな負担になることがあります。もちろん絶対に必要な場合はしっかりお出ししますが、ほかに選択肢があるときには、その内容をきちんとお伝えし、十分にご理解いただいた上で患者さんご自身に選んでいただくことが大事だと考えています。その分説明にお時間をいただくこともありますが、一人ひとり丁寧に診させていただくことを優先したいと思っています。
頼れるスタッフとともに、地域のかかりつけ医へ
クリニックのスタッフさんについて教えていただけますか?

前任の船内先生の時代からのスタッフが全員残ってくれまして、本当にありがたく思っています。長年この場所で働いてこられた方ばかりですので、患者さんのことも以前の診療スタイルもすべて把握していて、むしろ私のほうが教えていただく立場なんです。患者さんのご家族の背景やちょっとした気がかりなども、さっと一言伝えてくれるのでとても助かっています。今回の開業にあたって紙カルテから電子カルテへ切り替えたのですが、最初こそ戸惑っていたものの、皆さんとても熱心に使い方を学んでくれました。こんなに一生懸命やってもらえるのかと、こちらが感心するほどでしたね。優しくて前向きなスタッフに恵まれたと心から感謝しています。
今後、新たに取り組んでいきたいことはありますか?
今後取り組みたいことの一つに、睡眠時無呼吸症候群に対するCPAP治療の導入があります。睡眠時無呼吸症候群は睡眠中に呼吸が止まる病気で、血圧にも関係しますし、実は患者さんの数がとても多いんです。以前の勤務先でCPAP治療に携わっていたこともあり、有用な治療だと実感しています。また、動脈硬化の程度を調べるABI検査の導入も検討していて、現在機器を選定しているところです。検査や設備の充実も大切ですが、それ以上にまず患者さんに寄り添うことを基本にしたいと思っています。必要なものを一つずつ整えながら、この地域の方々に頼りにしていただけるクリニックにしていきたいですね。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

患者さんお一人お一人の望みに沿った治療を大切にしながら、この地域の皆さんに受け入れていただけるよう努めてまいります。循環器のことはもちろんですが、体のことで何か気になることがあれば、どんなことでもご相談いただけたらと思います。私一人ですべてに対応できるわけではありませんが、必要に応じて適切な専門の先生や医療機関をご案内することはできますので、そういう意味でもまずは最初の相談先として気軽に足を運んでいただければうれしいですね。前任の船内先生が長年かけて築いてこられた信頼を大切に引き継ぎながら、頼もしいスタッフとともに、一人ひとりの患者さんと丁寧に向き合ってまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

