吉水 聡 院長の独自取材記事
六甲なのはな眼科
(神戸市灘区/六甲駅)
最終更新日:2025/11/13
阪急神戸本線六甲駅から山側へ徒歩3分、ビルの2階にある「六甲なのはな眼科」。吉水聡院長は、神戸市立医療センター中央市民病院、神戸市立神戸アイセンター病院で救急対応や幅広い症例を数多く経験し、緑内障治療の専門性も磨いてきた。緑内障治療においては「その時点で患者さんが負担なく視機能を維持するために何ができるか」を常に考え、診療にあたっている。白内障手術では、患者の背景やライフスタイルに応じた個別対応を重視。先端の機器を整え、緑内障と白内障の日帰り手術を軸にトータルな眼科医療を提供する。常に穏やかな笑顔を絶やさない吉水院長に、専門性を生かした診療への思いを聞いた。
(取材日2025年11月4日)
神戸の眼科医療の中核で研鑽、積み重ねた経験を地域に
神戸アイセンター病院での勤務から開業に至った経緯を教えてください。

京都大学卒業後、初期研修を経て神戸市立医療センター中央市民病院の眼科での勤務を開始しました。その後、眼科が独立して神戸アイセンター病院が開設されスタッフ全員で移籍。約10年間勤務し、白内障、緑内障、硝子体の手術にも数多く携わり、難症例にも対応できる力を養うことができました。網膜剥離、急性緑内障発作、眼内炎、眼球破裂などの眼科救急疾患についても、基幹施設で三次救急にも対応した病院ならではの幅広い症例を経験しました。いずれは開業をと考えていたところ、手術に必要なスペースがあり駅前でアクセスも良いこの物件に出会い、この場所で新たなスタートを切ることにしました。以前勤務していた神戸アイセンター病院とも連携しながら、緑内障・白内障手術にしっかり対応できる環境づくりをめざしています。
緑内障治療における先生の専門性と強みは何でしょうか?
中央市民病院は伝統的に閉塞隅角緑内障の治療に力を入れており、私もそこで研究、講演などを重ねてきました。緑内障診療ガイドライン改訂の際には、閉塞隅角緑内障に関する内容の作成を一部分担させていただいた経験もあります。当院では、眼圧のコントロールを目的とした低侵襲の緑内障インプラント手術や、マイクロフックトラベクロトミー(線維柱帯切開術)など、多様な術式に対応しています。大切なのは、その方の緑内障の進行具合や目標眼圧、白内障同時手術との兼ね合いによって適した治療方法を選ぶことです。クリニックで、かつ日帰りでどこまでできるか安全性に配慮しながら、いろんな選択肢から選んでもらえる環境を整えています。手術から術後経過まで多くの患者さんを診てきた経験から、患者さんとよく相談し、その時点で患者さんが負担なく視機能を維持するために何ができるかを追究しています。
白内障手術へのこだわりについて聞かせてください。

難症例も含めて幅広いケースに対応するための手術経験を積んできました。しかし手術そのものと同じくらい大事なのは、患者さんが見え方をどのように感じているかをしっかり確認すること。1.0の視力でもまぶしくて困る人もいれば、視力が落ちても生活に支障がない方もいます。どこから困るかは本当に人によりけり。ライフスタイルによって眼内レンズの選択も変わってきます。どの距離を見たいか、眼鏡をかけてもいいのか、もともと近視か遠視か。バックグラウンドをお伺いした上で相談します。設備面では、光学式眼軸長測定器やOCT、広角眼底検査装置や顕微鏡など、術後の見え方の向上をめざして詳細に測定できる性能にこだわりました。
先端の機器と問診で実現する、負担の少ない診療体制
導入された検査機器のこだわりについて教えてください。

特に重要な機器が3つあります。光学式眼軸長測定器、前眼部OCT、広角眼底検査装置です。光学式眼軸長測定器は白内障手術で用いる眼内レンズ度数を測定するものですが、乱視の程度や角度を撮影し、手術中に顕微鏡の映像に重ね合わせて正確にレンズを固定できるものを採用しました。前眼部OCTは、白内障では水晶体の濁りや乱視の状態を細かく確認でき、緑内障手術では隅角などの前眼部の構造を詳細に評価できます。広角眼底検査装置は網膜の広範囲を短時間で撮影でき、瞳孔を開くための目薬も不要なので、患者さんの負担を軽減できます。設備にこだわったのは、より少ない検査の負担で患者さんの目の状態を正確に測定し、それによる白内障の術後の視力経過の向上を提供したいという思いからです。硝子体注射も、加齢黄斑変性治療に力を入れている前職場で長年経験を積んできたので、OCTで詳細な病態を確認しながら適切な治療を提供することが可能です。
患者さんと接する際に心がけていることは?
何に困っているのか、どう困っているのかをしっかり聞くことを大切にしています。眼科医として何ができるか、どういうことが提案できるかをお話しして、一緒に治療に取り組んでいきたいと考えています。そのため予約システムに事前問診を取り入れました。診察室に入ると言おうと思っていたことを忘れてしまうこともあるので、自宅で落ち着いて気になることを入力していただけるようにしています。こちらも事前に何に困っているかわかるので、限られた診察時間の中で必要な検査を準備できます。
近視進行抑制治療に取り組む理由を教えてください。

学校健診の結果を持って来院するお子さんが本当に多いんです。近視が進むと将来的に緑内障や黄斑変性などのリスクが高くなります。今のうちに近視を抑えることができれば、20年、30年先に目の病気で困る確率を減らすことができるので、未来のためには大切なことだと思っています。近視進行抑制治療は、目薬を使って近視の進行抑制を図るものです。自由診療になりますが、こういう治療があることを親御さんに知ってもらいたいと思っています。経験豊富な視能訓練士もいますし、私自身も子育て中で子どもの対応には慣れていますので、お子さんにも安心して受診していただきたいです。
地域とともに歩む眼科医療を大切に診療を実施
クリニック名の由来と環境づくりへのこだわりは?

菜の花は灘区の「歴史の花」なんです。ある俳人の有名な菜の花の句は、灘区の摩耶山で詠まれたそうで。灘区で長くやっていこうと決めたので、地域にゆかりのあるものをクリニック名に入れたいと思いました。菜の花なら言葉としての響きもやわらかくて、安心して来院いただけるかなと。クリニックが入っている建物は、築50年の歴史あるビルです。その歴史や地域の雰囲気にマッチするよう、木目調とタイルを使った落ち着いた内装にしました。壁の表面の無垢材や焼いて仕上げたタイルを使うなど素材にもこだわり、間接照明も取り入れて、クリニックに来る緊張感を少しでも和らげられる空間をめざしました。
スタッフさんや来院された患者さんについてお聞かせください。
経験豊富な視能訓練士や、眼科手術に精通した看護師など、チームで診療・手術に取り組んでいます。受付スタッフは明るく元気で、患者さんに親身に声かけをしてくれています。開業から間もないですが、スタッフ一丸となることができていますね。白内障手術を希望される方が多く、家の近くで日帰り手術ができるということで来てくださる患者さんが増えています。神戸アイセンター病院で働いていたことをご存じの方もいらっしゃって、その期待も感じています。このエリアは落ち着いたすてきな方が多く、そういった患者さんたちが今後もしっかりよく見える状態で過ごしてくれたら、と思いながら診療しています。
今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

まずは白内障と緑内障の治療にしっかり取り組み、来院された患者さんの見え方に着実にアプローチしていきたいです。そして常にアンテナを張って情報をアップデートしながら、新しい良い治療は積極的に取り入れていきたいと思っています。10年ほど前は緑内障手術も基本入院だったのが、今は日帰り手術も多くなり、ここ最近の進歩はすごいですね。これからの10年も、流れを見極めながら柔軟に取り組んでいきます。緑内障は基本的に無症状で進行する病気ですので、自分で気づかないことも多いです。40歳を過ぎたら眼科検診を受けてほしいですね。長く眼科で検査していなかったという方も、一度来ていただければと思います。緑内障も白内障も、いろんな選択肢から一緒に考えて、できるだけ負担なく視機能を維持するための方法を提供していきます。困ったことがあれば、気軽にご相談ください。
自由診療費用の目安
自由診療とは近視進行抑制治療/8780円~

