藤原 赤人 院長の独自取材記事
用賀けやき内科 呼吸器内科・アレルギー科
(世田谷区/用賀駅)
最終更新日:2025/10/09
用賀駅南口から交差点を渡ってすぐ。2025年に開業した「用賀けやき内科 呼吸器内科・アレルギー科」は、内科診療をベースに、藤原赤人院長が専門としてきた咳や息切れなどの呼吸器症状の治療と、喘息の原因にもなるアレルギーの診療に力を入れている。「対話とコミュニケーションを大事に、安心してもらえる診療を提供したい」と語る姿も、院内の雰囲気同様、穏やかで優しい空気をまとっている。19時まで診療を行い、地元住民はもちろん地域で働く人たちにも気軽に来てほしいと笑顔を見せる藤原院長に、これまでの経歴や同院の特徴、今後の展望などを尋ねた。
(取材日2025年9月25日)
対話を大切にして、安心できる医療提供を
まずは、開業までのご経歴を教えてください。

大学を卒業後、東京医科大学病院の呼吸器内科に入職しました。研修医の期間を含めて10年間大学病院に勤務して呼吸器内科の基礎を築いた後、千葉や埼玉の病院に5年ほど勤めました。その頃、結婚をして子どもができてというライフステージの変化があり、家庭で過ごす時間を持ちたいと思ったことから、外来診療やクリニックでの勤務を考えるように。大学病院では呼吸器に特化した肺がんやCOPD(慢性閉塞性肺疾患)などの病気の治療が中心でしたが、外来ではまた違った呼吸器疾患の患者さんが訪れ、そういった方たちを診療するやりがいも感じました。2023年に内科クリニックに院長として入職し、勤務する中で「こういうふうにしたらもっと患者さんに喜ばれるのでは」と気づくこともあり、開業という考えが芽生えました。その後2025年9月、良い縁があった用賀に開業するに至りました。
外来の診療をしていた際に感じたやりがいとはどういったものでしょうか?
対話をする中で自分が持っている情報をうまく伝えて、患者さんが安心した表情を見せてくれた時ですね。それまでは薬や機器などの道具によって、患者さんを安心や満足させられたと思い込んでいました。そうではなく、1対1で患者さんと向き合って診療を行った時に、自分の培ってきた知識や経験から必要とされる情報を見つけて、言葉で伝えることが大事なのだと気づかされました。ですので、当院でも、対話とコミュニケーションを大事にしています。
開業に際してはどのようなコンセプトを掲げましたか?

「対話とコミュニケーションを大切に、安心の医療を提供する」ことをコンセプトにしました。安心感を与えるために、納得していただくことにも重きを置いています。わかりやすい説明と必要十分な検査によって納得が得られれば、安心して帰っていただけるはず。当院に来たことで安心してもらう、それが目標です。そのために、機械に取って代われるところは機械化して、その分患者さんの対話や情報提供の時間に充てています。例えば、受付は二次元コードをかざしてチェックインが可能で、待機時間を短縮できます。またSNSで予約できるのですが、今後はそのシステムを通して患者さんへの情報共有もしていきたいと考えています。紙でもお渡ししていますが、SNSで届けばいつでも見返せますし、そのほうが慣れている方も多い時代ですので。
内科診療を軸に、呼吸器とアレルギーの専門的な診療も
内科、呼吸器内科、アレルギー科を標榜していますが、診療について教えてください。

まずは私の専門である呼吸器内科とアレルギー科では、咳や風邪、息切れ、アレルギー性鼻炎などに悩んでいる方に頼っていただきたいと思っています。ただ、専門だけのクリニックにはしたくないと思い、地域のかかりつけ医として内科全般の診療にも対応し、生活習慣病の管理や健康診断などの予防医療にも力を入れています。病院で呼吸器内科に勤務する中でも、内科の診療にはずっと関わってきましたので、内科疾患に対してもこれまでの経験を生かして対応させていただきます。そういった想いもあり、クリニック名も「用賀けやき内科」として、呼吸器内科・アレルギー科はサブに掲げました。
9月に開業されたばかりですが、患者層としてはどう考えられていますか?
地域に根差す内科クリニックとして、どんな方にも来ていただきたいと思っています。地元の方をはじめ、用賀には大きなオフィスビルもありますから、仕事終わりに熱が上がってきた、咳が止まらないといった方が受診できるように診療時間を19時までに設定しました。同時にこの辺りは住宅街ですので、都心から帰ってきた時にもかかっていただけるのではないでしょうか。働き盛りの30、40代の方にも気軽に来ていただきたいですね。大人の方がメインのクリニックにはなりますが、アレルギーに悩まれているお子さんは多いですから、中学生以上の咳やアレルギー症状の診療にも対応しています。
咳などで呼吸器内科専門のクリニックを受診するメリットはどんなところでしょうか?

咳や息切れは長引くことがありますのが、それに対して早く原因を探って対処できるのが呼吸器内科にかかるメリットの一つです。呼吸器内科であれば、肺の機能検査や喘息の検査、エックス線検査などを用いて迅速に原因を見つけられ、治療に用いる抗生物質なども熟知しています。咳や息切れは生活の質に直結しますから、適切な治療によって早く改善できればとても助かるのではないでしょうか。また、アレルギーによって症状が引き起こされている場合には、極力アレルゲンを調べる検査を勧めています。アレルゲンを回避するには知ることが大事ですし、回避することでアレルギー自体の治療につなげることも可能です。当院では血液検査、お時間がない方には指先採血後20分で結果が出る検査、プリックテストという皮膚の検査も用意しています。ダニアレルギーやスギ花粉症に関しては舌下免疫療法も行っていますので、悩まれている方は気軽にご相談ください。
気軽に、そして長く頼れる地域のクリニックをめざして
患者さんと接する際に心がけていることはありますか?

深刻になりすぎずに、良くなったら一緒に喜ぶくらいの距離感でいたいと思っています。診察室を明るく楽しくというと極端かもしれませんが、穏やかな空気をつくれるようにしたいですね。患者さんに説明する際は、「このくらい様子を見て、もし良くならなかったらまた来てくださいね」というように、迷わないようにお伝えしたいと思っています。風邪の場合も「風邪薬を出しますね」で終わらず、学校や会社に行って良いのか、咳が止まらなかったらどうすれば良いのかという、状況ごとに気になるであろう疑問にも事前に応えられるように心がけています。基本は楽しく患者さんと向き合いたいですね。
開業したばかりでお忙しいとは思いますが、休日はどのようにお過ごしですか?
小学生の子どもが2人いるので、公園に行ったり車に乗って遠出をしたりすることが多いです。元気でうるさいですが、そうはいっても子どもと遊んでいる時が一番楽しいですね。大学病院に勤務していた時にクリニックでの診療に意識が向いたのも、できる限り家にいたい、家庭を大事にしたいと思ったからなんですよ。
最後に今後の展望をお聞かせください。

気軽にかかれるクリニックと、かかりつけ医として長く通院できるクリニック、この2つをめざしてこの地で診療を行っていきたいです。呼吸器内科が専門ですので、その領域は特にお役に立てるとは思いますが、それだけではなく幅広く内科疾患も診させていただきます。例えば、生活習慣病の一種と考えられている睡眠時無呼吸症候群も、検査からCPAPなどによる専門的な治療、看護師と連携して行う生活指導まで対応します。また、病診連携もしやすくなるように、病院の連携室の方ともよく話をしています。今病院にかかっているけれど通いづらいと思っている方は治療を引き継ぐこともできますし、必要に応じてこちらから病院を紹介することもできます。病院とクリニックとの風通しを良くして、そういう面からも安心の医療につなげていきたいですね。

