大江 俊太郎 院長の独自取材記事
【2025年12月開院予定】世田谷おおえ内科・呼吸器クリニック 上北沢駅前院
(世田谷区/上北沢駅)
最終更新日:2025/10/08

【2025年12月開院予定】※開院前の情報につき、掲載情報が変更になる場合があります。
上北沢駅北口から徒歩2分。閑静な住宅街になじむように立つ新しい医療ビルの1階にある「世田谷おおえ内科・呼吸器クリニック 上北沢駅前院」。長引く咳や風邪のときは「まず呼吸器内科に相談してほしい」と話す大江俊太郎院長は、呼吸器内科を専門に、慢性的な疾患から急性期の対応まで幅広く経験を積んできた。大学病院勤務時に、咳や風邪が正しく検査・治療されていないことに気づき開業を決意。呼吸器内科・内科・アレルギー科・小児科を掲げ、不定愁訴にも対応する。気さくで話しやすい人柄に加え、「当院に関わるすべての人が幸せであってほしい」というスタンスでの大江院長に、開業までの経緯や診療の特徴など広く話を聞いた。
(取材日2025年9月19日)
広い分野で研鑽を積んで開業。理想の医療を提供したい
初めに、先生のご経歴を教えてください。
北里大学医学部を卒業後、臨床研修を受けた病院では、さまざまな診療科を回らせてもらう中で、救急科外来に入ることが多く、急性期の患者さんを幅広く対応しました。その後、北里大学病院呼吸器内科に入局し、肺がんや重症喘息、重度肺炎や慢性閉塞性肺疾患といった呼吸器疾患から、生活習慣病まで診療経験を積みました。ここでも救急科に出向することが多く、集中治療室(ICU)にも在籍していたことから、急性期疾患の対応も得意としています。対応できる幅を広げたいという思いもあり、東京医療センターの小児科で小児医療も学ばせてもらいました。もともと子どもが大好きで小児科の医師になることも考えていたんですよ。その後、早稲田大学大学院に進学し、地域医療や日本の医療政策に関する研究にも従事しました。訪問診療を行うクリニックや、耳鼻咽喉科のあるクリニックにも勤め、喉の奥を内視鏡で診るファイバー検査も対応できるようになりました。
幅広い診療経験を積まれたのですね。
経験豊富かどうかは自分ではわかりませんが、呼吸器は影響を受ける臓器が広く、例えば、肺が悪くなれば心臓や腎臓も悪くなり、心臓や腎臓が悪くなれば肺にも影響します。慢性的な疾患もあれば、急性期で今すぐ対応しなければならないものもあり、そういった面でも難しい臓器だと思います。また、がんや心不全などから、一般的な風邪まで領域が広いことも呼吸器内科の特徴で、その中で呼吸器内科医としてのスキルを上げるためには幅広く経験を積む必要がありました。またそういった広く関わる呼吸器という分野が自分に合っていたことも、専門として学んできた理由です。
病院での診療や大学院での研究に従事される中で、開業しようと思ったきっかけは何かありましたか?

自分の理想とする医療を行うには自分のクリニックを持つのが一番だと思い、開業を考えるようになりました。大学病院に勤務している時に、咳が止まらなかったり長引いたりしている患者さんが、適切な検査や治療を受けられずに重症化して来院されるケースが多かったことも、開業を考えたきっかけの一つです。当院では一般の内科診療をはじめ、私の専門でもある風邪や咳、息苦しさに対する診療に力を入れるほか、高血圧症や糖尿病などの生活習慣病の診療、睡眠時無呼吸症候群の検査と治療、喘息と密接に関係するアレルギーの診療も行います。開業に際して、国立がん研究センター中央病院副院長や東京慈恵会医科大学大学院教授を務めた私の父が院内を監修してくれていて、副院長として診療にも携わる予定です。
風邪や長引く咳、まずは呼吸器内科へ
先生が理想とするクリニックとはどういったものなのでしょうか。
患者さんの病気や訴えに対して、しっかりとした検査や治療を提供することをベースにしながら、ここを受診して良かったと感動してもらえるようなクリニックにしたいと考えています。それは患者さんだけではなく、スタッフを含めて、関わる人たちすべてが幸せになれる場所というのが理想です。スタッフの満足度は、クリニックの雰囲気にも影響しますし、患者さんの満足度としても返ってくると思っています。ですから、スタッフたちの頑張りは適正に評価して還元していきたいですね。
長引く咳には、どのような検査や治療を行っていますか?
咳で悩まれている方の中には、検査を受けていない方も少なくないのですが、咳の出始めやおかしいなと思った時にきちんと検査を受けることで、悪化して喘息に移行してしまう割合を減らすことにつながります。エックス線検査や呼吸機能検査、呼気NO検査などのほか、必要に応じて心臓と肺のエコー検査も行います。エコー検査によって、肺と心臓どちらに原因があるのか判別することができます。また、呼吸器内科の受診を勧める理由には、エックス線検査の解析能力が挙げられます。エックス線画像は読影が難しく、経験を積んだ呼吸器内科の医師でないと難しい部分です。処方する抗生剤やステロイド薬なども、やはり呼吸器内科の医師であれば熟知しています。実は私自身も小児喘息を経験し、呼吸器内科の専門の医師にお世話になりました。風邪をひいたり、咳が長引いたりするようなら、まず呼吸器内科を専門とするクリニックを受診していただきたいですね。
睡眠時無呼吸症候群など睡眠に関わる診療も行っているそうですね。
実は私も睡眠時無呼吸症候群でCPAPも使っているんです。当事者だからわかるのですが、睡眠時無呼吸症候群には肥満が原因の病気というイメージもあり、検査に行くのが恥ずかしいんですよね。もちろん肥満が原因の場合もあるのですが、日本人はもともと骨格的に睡眠時無呼吸症候群になりやすく、痩せている方でも発症します。ですから、気軽に相談に来ていただきたいです。睡眠時無呼吸症候群だとわかって治療に進めると、日中の眠気の軽減が図れ疲労感の回復も望め、脳卒中や心筋梗塞の発症リスク軽減にもつながります。加えて、不眠の相談ができる外来も設ける予定です。睡眠の悩みで精神科にかかるのは少しハードルが高いですよね。私ももともと不眠の傾向があり、患者さんのお気持ちがわかりますので、もう少し気軽に相談できる場を設けたかったのです。「眠れない」というだけではなく、「寝ても眠気が取れない」というご相談も受けつけています。
関わる人すべてが幸せになれるクリニックをめざして
先生が診療の際に大切にしていることを教えてください。
まずは患者さんが話しやすい環境をつくることを大切にしています。こちらからの説明ばかりになるのではなく、最初に患者さんに症状をお話しいただいて、2人で会話を積み上げていきたいですね。例えば、咳の診療では、ざっくりとした治療計画をお伝えします。「おおよそこういうパターンをたどりますが、3日過ぎても良くならないようならもう一度来てください」「この日を過ぎても良くならないようならエックス線を撮りましょう」など、経過を予測しながら患者さんが不安にならないような説明に努めていきたいですね。
2025年12月に開業となりますが、どのような方に頼っていただきたいですか?
風邪や咳が治まらない方、息苦しさ、睡眠で悩まれている方はもちろん、どこにかかっていいのかわからないという方も気軽にいらしてください。当院で検査をして、もし消化器内科などにかかったほうがいいと判断した場合は紹介もいたします。アレルギー診療では舌下免疫療法のほか、重症・難治性喘息治療の生物学的製剤も取り入れています。重度の花粉症の方もご相談いただきたいです。また、当院は小児科も掲げており、6歳前後くらいからご高齢の方まで幅広い年代を対象に診療を行います。風邪をひくと家族全員ひくことも多いですから、ご一緒にいらしてください。私の妻も仕事を持っているのでよくわかるのですが、子育て中の方たちは本当に時間がないんですよね。その中で小児科と自分の内科と行くとなると大変だと思いますので、当院を便利に使っていただきたいです。
最後に、地域にとってどのようなクリニックをめざしていこうとお考えですか?

風邪をひいたり、咳が止まらなかったりしたときに、「まずは大江先生のところに相談してみよう」と思っていただける、そういうクリニックになっていきたいです。もちろん、呼吸器疾患以外にも体調が優れないときに頼っていただけるクリニックでありたいです。同時に、院内の楽しい雰囲気づくりも大切にしたいと思っています。前向きに受診できて、いい気分で帰っていただけるようなクリニックをスタッフとともにつくっていきたいですね。