三浦 佳奈子 院長の独自取材記事
初台皮ふ科クリニック
(渋谷区/初台駅)
最終更新日:2026/09/10
初台駅と幡ヶ谷駅の中間、子育て世帯が多く暮らす住宅街の医療ビル4階に、2025年に開院した「初台皮ふ科クリニック」。窓から光が差し込む明るい待合室と木目調の温かみある内装が、訪れる人を優しく迎えてくれる。院長の三浦佳奈子先生は帝京大学医学部卒業後、小児科で研鑽を積んでから皮膚科へ進んだ経歴を持つ。「患者さんに『寄り添う』とよく耳にしますが、本当の意味で実践していきたい」と、穏やかな語り口の中に確かな覚悟がにじむ。小児科時代に身につけた子どもへの対応力を強みに、乳児湿疹やアトピー性皮膚炎の早期治療を行う。家族みんなで通えるかかりつけ皮膚科をめざす三浦院長に、診療への思いや今後の展望を聞いた。
(取材日2026年8月25日)
小児科での学びを原点に、家族のかかりつけ皮膚科へ
こちらで開業された経緯をお聞かせください。

お子さんを重点的に診たいと希望していたので、オフィス街やターミナル駅ではなく、ファミリー層が多いこの地域を選んで開業しました。地元の方に加え、お仕事でこの辺りに通われている方もいらっしゃいます。開院以来、ご家族でかかってくださる方がとても多く、お子さんからご年配の方まで幅広い皮膚のご相談をお受けしています。ご家族まとめて診させていただけるスタイルが理想で、かかりつけのホームドクターのような存在になりたいという気持ちで日々の診療にあたっています。当院が入っている医療ビルには内科・小児科・内視鏡のクリニックと精神科・心療内科のクリニックも入っていますので、建物全体で地域の方の健康を支えられる環境です。
医師としてのこれまでの歩みを教えていただけますか。
研修医時代からお子さんの診療に携わってきたため、お子さんとの接し方には慣れていると思います。大学病院や総合病院の皮膚科では小児の患者さんを診る機会が少ないのですが、町のクリニックではお子さんの皮膚トラブルに出会う場面がたくさんあります。小児科からキャリアをスタートして皮膚科に進んだ医師は比較的少ないと思いますので、その経験を私の強みにしていきたいですね。お子さんの肌のトラブルは早い段階で対応することがとても大切ですから、その入り口として気軽にご相談いただけたらと思っています。
診察ではどのようなことを大切にされていますか?

患者さんに寄り添うという言葉はよく使われますが、これまでさまざまな現場で働く中で、もっとできることがあるのではないかと感じる場面もありました。だからこそ私は、患者さんの声に耳を傾け、一人ひとりに向き合うことを大切にしたいと思っています。小児科時代に先輩から「自分の意見より先に患者さんの話を聞いてしっかり受け止めなさい。悩みを全部吐き出してもらってから、適切な治療とすり合わせるんだ」と教わったことが、今も診療の原点になっています。他院での診療に不安を感じて来院され、処方されていたお薬自体は適切だったというケースも少なくありません。治療の有用性を感じられない背景には、コミュニケーションの行き違いや、お薬の使い方が十分に伝わっていなかったことなどが関係している場合もあります。私は、患者さんに丁寧にご説明し、ご納得いただくことを大切にしています。その思いはスタッフ全員で共有しています。
乳児湿疹もニキビも、将来のために早めの相談を
小児皮膚科ではどのような相談が多いのでしょうか?

アトピー性皮膚炎は皮膚科で最も大きなテーマの一つであり、小さい頃からの治療がとても大事な疾患です。乳児湿疹の段階から関わらせていただくことで、将来的にお薬を使わなくても過ごせる状態をめざしていきたいと考えています。お子さんの皮膚の症状を小児科でまとめて診てもらっている方もいらっしゃると思いますが、塗り薬の選び方や使い方には、皮膚科の医師ならではの知識を生かした診療ができますので、気になることがあればご相談いただけたらと思います。また今は、赤ちゃんのスキンケアに関する情報がインターネット上にあふれていて、かえってどうすればいいかわからなくなっている親御さんも少なくありません。初めての子育てでは、赤ちゃんの体の洗い方一つとっても迷うものですよね。病気の治療だけでなく、日頃のケアについても気軽に相談できる場でありたいと思っています。
ニキビの悩みで受診される方も多いのでしょうか。
ニキビのご相談はとても多いですね。思春期のお子さんだけでなく、大人の方もいらっしゃいます。ニキビは重症化すると痕になってしまい、そうなると保険診療の範囲では改善が難しくなります。だからこそ早めの受診をお勧めしたいのです。ひと昔前と比べて、お薬がかなり進歩していて、以前とは治療の選択肢がまったく違います。そして思春期のニキビは大人よりも改善が期待しやすく、保険診療の範囲で対応できることがたくさんあるのです。痕を残さないためにも、お子さんがニキビを気にし始めたら、早めにご相談いただきたいと思います。
思春期前後のお子さんならではの悩みもありますか?

体毛に関するご相談が男女問わず増えています。女の子は小学校高学年くらいから気にし始めることが多く、思い悩んでいるお子さんも多くいらっしゃいます。ケアについては、まず状態を確認した上で、剃ってみて様子を見ます。お話を聞いてみると、誤った情報により親子の意見が食い違っていることもあります。体毛を剃っても基本的に毛が太くなったり、量が増えたりすることはありませんから、正しい情報をお伝えした上で、剃るだけで十分ですよとお話しして終わることもあります。病気ではありませんから、一呼吸置いてご家族で納得できる方法を考えることが大切ですね。
「あの先生に相談してみよう」と思える存在に
お子さんが安心して通えるような工夫はありますか?

お子さんの皮膚科治療には痛みを伴うものもありますので、なるべく楽しく通えるような雰囲気づくりを大切にしています。子どもは大人の言葉や表情にとても敏感で、接し方が慣れている人のそばでは自然とリラックスしてくれるものです。当院のスタッフはみんなお子さんへの対応に慣れていますので、緊張せずに過ごせる環境だと思います。待合室は窓から光が入って明るく、院内は木目調の温かみのあるデザインにしました。小さなお子さんを連れての通院は大変なことも多いでしょうから、少しでも気持ち良く過ごせる空間をめざしています。
今後、どのようなクリニックでありたいとお考えですか。
「何かあったら、まずはあの先生に相談してみよう」と思い浮かべていただける存在になれたらうれしいですね。当院ですべての治療に対応できるわけではありませんが、どんなことでも気軽に相談できる窓口でありたいと考えています。また、診療が惰性的なものにならないよう常に意識しています。長く通っていただいている患者さんであっても、「また同じお薬を出しておきますね」で済ませるのではなく、その時々の状態に目を向けながら、本当に必要な治療を一緒に考えていきたいですね。慢性的な症状やお子さんのイボなど、時間がかかる疾患もありますが、なるべく早期の解決をめざすことを常に意識して向き合っていきたいと考えています。改善が見られなければ別のアプローチを検討するなど、その都度、患者さん一人ひとりに合った判断を丁寧にしていきます。
最後に、読者へメッセージをお願いします。

乳児湿疹やアトピー性皮膚炎は、早い段階で皮膚科に相談していただくことで将来の経過が変わることがあります。赤ちゃんのスキンケアに迷ったときも、気軽にご相談いただける場所でありたいと思っています。ニキビも同じで、思春期のうちに治療を始めればより早くの改善が見込めますし、痕を残さないためにも早めにご相談いただきたいですね。体毛のことなど、ちょっと相談しづらいと感じるお悩みについても遠慮なくお話しください。インターネットの情報だけでは判断しきれないことも、専門家の立場から一緒に整理していけたらと思います。当院は赤ちゃんからご年配の方まで、ご家族みんなで通っていただけるかかりつけの皮膚科をめざしています。肌のことで気になることがあれば、お気軽にご相談ください。

