榮木 大輔 院長の独自取材記事
さんさん眼科クリニック
(熊本市南区/富合駅)
最終更新日:2026/06/26
熊本市中心部から車で約30分、南区城南町さんさんにある「さんさん眼科クリニック」。国道沿いに立つオレンジ色の看板が目印で、通いやすさに配慮されたクリニックだ。木目とオレンジを基調としたやわらかな雰囲気の院内に、安心して診療を受けられるように環境が整えられている。診療においては、白内障の日帰り手術をはじめ、日常的な目の不調から小児の視力相談まで幅広く対応し、地域の「目のかかりつけ医」としての役割を果たしている。大学病院や地域の中核病院で経験を積み、同院を開業した榮木大輔院長。「どんなことでも気軽に相談してほしいです」と、穏やかに語る榮木院長に、これまでの歩みや診療への思いについて話を聞いた。
(取材日2026年4月3日)
患者と長く向き合う地域密着の眼科医療
まずは医師をめざしたきっかけと、眼科を選んだ理由を教えてください。

陸上部に所属していたため、けがなどで整形外科に関わることが多く、医療の分野には関心がありました。ただ、当初はリハビリテーションの道を考えていて、医師になるつもりはなかったんです。転機になったのは高校3年の夏の進路相談で、先生から「医学部を受けてみたらどうか」と、勧められたことでした。理系でしたし、挑戦してみようと思って受験したのがきっかけです。眼科に興味を持ったのは、高校生の頃に網膜色素変性症という病気を知り、若くして視力を失うことがあると知ったことや、自分自身も近視だったことが背景にあります。進路を決めたのは初期研修の2年目で、治療により患者さんの生活の質について直接改善を図ることができる点や予防医療に関わりたいという思いから眼科を選びました。
開業まではどのようなご経験を積まれてきたのでしょうか?
初期研修後は、まず大学病院で1年間勤務し臨床の基礎を学びました。その後、熊本中央病院に配属となり、当時の部長の先生から白内障手術の基礎についてしっかりトレーニングを受けました。一度大学院にも進んだのですが、研究より臨床に魅力を感じて途中で臨床に戻り、山鹿市民医療センターで勤務することになりました。そこはへき地医療の現場で、一人医長として診療を担い、初めて1人で現場を任される経験をしました。その後は熊本医療センター眼科に部長として着任し、眼科救急や全身疾患に関連する目の病気の診療、若手医師の指導にも携わりました。それぞれの環境でそれぞれの段階の経験を積ませていただき、臨床医として順調にステップアップできたと感じています。
開業を決意された理由と、この地を選ばれた背景を教えてください。

開業を意識し始めたのは山鹿市民医療センターに勤務していた頃で、地域に根差した医療に携わる中で、地元の方と長く関わりながら診療することのやりがいを感じたのがきっかけでした。総合病院では、治療が一段落すると地域のクリニックにお戻しするので、もう少し長く診ていきたいと感じる患者さんがいても関わりが短くなってしまうことに、少しもどかしさを感じていたんです。そうした経験から、地域の中で継続的に患者さんを診ていきたいという思いが芽生え徐々に強くなりました。城南エリアはもともとなじみがあるわけではなかったのですが、妻の友人に相談したところから土地の持ち主の方とご縁がつながりました。最終的には実際に通勤時間や地域の状況を調べた上で決めました。当初は高齢の方が多い地域と聞いていましたが、実際にはお子さんも増えており、現在は生後1ヵ月から90代まで、幅広い世代の患者さんに来院していただいています。
どんな目の悩みもまず相談できる安心感
診療内容について教えてください。

結膜炎やものもらいといった日常的な症状から、白内障手術や目の注射まで眼科一般を幅広く診ています。手術は白内障の日帰り手術が中心になりますが、翼状片などの目の表面の病気やまぶたの手術、例えば、眼瞼内反症や眼瞼下垂症なども行っています。また、ドライアイや眼精疲労といった日常的なお悩みはもちろん、お子さんの近視についても、検査機器を用いて目の状態を把握しながら、点眼や眼鏡による進行抑制の治療を行っています。学校健診で指摘を受けた視力低下や色覚異常、斜視、弱視などの疾患にも対応し、視能訓練士が2人常駐しているため、眼鏡処方から訓練まで一通り行える体制を整えています。
診療の際に大切にされていることやクリニックの強みを教えてください。
幅広く、目のことを診られることが強みだと思っています。ちょっとした違和感でも気軽に相談に来ていただいて、お話をしっかり伺うことを大切にしています。説明に際してはなるべくわかりやすい言葉や表現を心がけ、話の途中でも気軽に質問していただけるような雰囲気づくりを心がけていますね。「他の医療機関での説明がよくわからなかった。聞きたいことが聞けなかった。」とおっしゃる方もいるのですが、そういった場合でも、問診を通してしっかりとお話を伺っていく中で、診断の手がかりが得られたり、患者さんの目の疑問が解消することも多いと感じています。スタッフにも、患者さんの話をきちんと聞くことやあいさつを大切にすることを伝えていて、院内全体で安心して相談していただける環境づくりに取り組んでいます。
設備や院内環境について、こだわった点はありますか?

患者さんが通いやすく、安心して過ごせることを意識しました。玄関前には屋根つきのスペースを設け、雨の日でも車の乗り降りがしやすいようにしています。駐車場も広めに確保し、大きな車でも止めやすい設計にしました。院内は手術室を2階に配置し、外来診療を受ける方と動線を分けることで落ち着いて手術に臨んでいただけるようにしています。また、これまでの勤務経験を踏まえ、エレベーターはストレッチャー対応のサイズに設計しました。機器については、経験や他院の事例も参考にしながら、本当に必要なものを見極めて整えています。視力検査を効率的に行う工夫や遮光カーテンで検査環境を切り替える工夫も取り入れています。また、待合スペースにはカウンター席やコンセントを設け、1人で来院された方でも過ごしやすい空間をめざしました。院内はオレンジを基調に、やわらかく落ち着いた雰囲気に仕上げました。
丁寧に話を聞き、適切な医療へつなぐ
眼科の医師になって良かったと感じるのはどんな時ですか?

やはり手術や点眼での治療で、患者さんの視力の改善や生活の質の向上につなげられたら、大きな充実感を感じると思います。特に白内障の手術については、術前手探りで壁伝いにようやく歩いていたような方でも、手術翌日にはすたすた歩けるようになることも期待できます。認知症のある患者さんであっても、術後これまでなかった様子を見せてくれるようになるケースも考えられます。ご本人は手術のことを覚えていない可能性もあるのですが、周りの方がその変化を喜んでくださるならうれしく思います。この仕事のやりがいといえますね。
お忙しい毎日だと思いますが、休日はどのように過ごされていますか?
休日は子ども中心の生活になっていて、上の子の少年野球の送り迎えや試合の応援に行くことが多いですね。人手が足りないときは塁審を手伝うこともあり、夏はしっかり日焼けします。下の子はバレエをしているので、その送り迎えもしています。皆仲がいいので家では子どもたちとたくさん話をしていて、それが一番楽しい時間かもしれません。あとは気分転換に、高校入試の数学の問題を解いたりもしています。少し前まではカメラにもはまっていました。いつか天の川をきれいに撮ってみたいですね。キャンピングカーを見るのも好きで、将来は家族で乗ってみたいなという憧れがあります。
最後に、今後の展望と地域の皆さんへのメッセージをお願いします。

目のことで少しでも気になることがあれば、気兼ねなく何でもご相談いただきたいと思っています。当院でできることはできるだけ対応しますし、より専門的な治療が必要な場合は、信頼できる先生や医療機関へご紹介をするなど橋渡しの役割も担っていきたいと考えています。また、私自身、小学生の子どもを持つ親でもありますので、お子さんの目の異常の相談についても任せていただけたらありがたいです。学校健診で指摘を受けた場合やちょっとした違和感でも構いませんので、目のことならまずご相談いただけるような存在でありたいと思っています。また、来院が難しい方に向けて訪問診療も行っています。原則的に病院や施設の方限定ですが、必要に応じてご利用いただければと思います。
自由診療費用の目安
自由診療とは点眼剤による近視進行抑制治療/4000円(1ヵ月分)

