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熊谷 祐 院長の独自取材記事

南さっぽろ内科消化器クリニック

(札幌市豊平区/澄川駅)

最終更新日:2025/11/05

熊谷祐院長 南さっぽろ内科消化器クリニック main

札幌市営地下鉄南北線・澄川駅より徒歩13分の「南さっぽろ内科消化器クリニック」。札幌市出身の熊谷祐(くまがい・ゆう)院長は、関東で約15年、消化器外科医として進行がんの治療も含め多くの症例を経験した肝臓・胆嚢・膵臓領域のスペシャリスト。その後、予防医療にも携わる中で地域医療に貢献したいという思いから札幌に戻り、内科・消化器内科を扱う同院を開業した。先端技術を取り入れた機器をそろえ、自分の目とAIのダブルチェックで、より精密な診療をめざす。元高校球児で、スタジアムではボールボーイの経験もあるという意外な経歴も持つ熊谷院長に、開業に至った経緯や内視鏡検査の特徴、今後の展望などを聞いた。

(取材日2025年10月16日)

地域に貢献するため外科から内科へ転向し、開業

最初に、医師をめざした理由やきっかけをお聞かせください。

熊谷祐院長 南さっぽろ内科消化器クリニック1

私は札幌市出身なのですが、祖父母は北海道の遠い所に住んでいて、何かあると旭川や札幌まで通院しなければならなくて。何時間もかけて行って何時間も待って、というようなことがあったので、そういう姿を見て田舎で総合内科の医師のようなことをしたいなと考えて医師になろうと思いました。地域医療に興味がありましたね。最初は何でもできる医師になりたかったんです。しかし、漫画みたいに何でもできる医師など現実的には厳しいということを医学部6年間で感じ、何かの臓器に絞るとか何かの科に絞るとか、そういうことが必要だとわかりました。現在は内科のクリニックをしていますが、問診以外のかたちで何か治療できることがあると良いなと思い、初めは外科を選びました。

外科の中で消化器外科を選ばれたのはなぜですか?

大学では心臓外科に進む人が多かったのですが、心臓外科は心臓だけですし、そんなに症例がないのでメスを握れるのは一握りという世界なんです。その点、外科は喉も甲状腺も胸も肺も足の血管も、と幅広く診られるのが魅力でした。日本外科学会外科専門医の資格を取るまでは幅広く経験するので、いろいろな臓器に携わることができましたね。守備範囲の広さで一般外科を選び、一般外科の中から消化器外科を、消化器外科の中から肝胆膵外科と、段階を踏んでどんどん狭まっていき、最終的には肝臓・胆嚢・膵臓の専門になりました。決定的な出来事としては、研修医時代、外科を回った際たまたま交通事故で運ばれてきた人の膵臓の緊急手術に助手として入り、膵臓外科の先生が手際良く治療していくさまを目の当たりにしたことですね。膵臓や肝臓は特殊なので難易度が高いといわれていて、それを治療できるのはかっこいいな、難しいほうに進みたいと思い、今に至ります。

でも、クリニックは消化器内科として開業されたのですね。

熊谷祐院長 南さっぽろ内科消化器クリニック2

外科医は長く続けていましたが、もともとずっと外科医でいられるとは思っていなかったんですね。目も悪くなってきますし。研修医の頃から内視鏡を使っていましたので、将来的にはそういった経験を生かして診療できれば良いなという思いはありました。そんな中、3年ほど前に、札幌の時計台記念病院の先生からオファーをいただきまして。肝胆膵センターの開設準備室長を務めながら地域医療を改めていろいろ見ているうちに、札幌市内にもクリニックが足りないことがわかり、そこで何か力になれたらと考え、開業しました。消化器内科にしたのは、進行がんになるケースを予防の段階でブロックすることができれば、救える命がたくさんあると思ったためです。いろいろ予兆があったはずなのに見て見ぬふりをしたり、忙しくて我慢したりということから、結局進行がんになってつらい手術や治療が必要になり、命に関わることになる方をたくさん見てきましたので。

自分の目を過信することなく、AIの併用で精度向上を

クリニックでこだわったところは何ですか?

熊谷祐院長 南さっぽろ内科消化器クリニック3

ここはもともと理髪店だったのですが、自動ドア以外すべてリフォームしました。木目を上手に使われる建築家の方にお願いしたので、優しいイメージに仕上がりましたね。院内設備でこだわったことはAI機能搭載の機器類です。エックス線撮影装置も内視鏡もエコーも、高度なAI技術を用いたものにしています。見逃しを防ぐために、自分の目を過信することなく、いろいろな目で見るというスタンスです。もちろん自分の目に自信は持っていますが、より良い診療をするため補助として利用しているというイメージですね。

こちらの内視鏡検査の特徴を教えてください。

胃の内視鏡検査はすべて、細いカメラを用いて鼻から挿入する経鼻内視鏡としています。鼻からが難しい場合は口からの挿入も行いますが、その場合もカメラが細いので少しは楽かと思います。車で来る方が多い場所ですが、運転されない方は、より楽な検査のため、なるべく鎮痛剤や鎮静剤を希望されると良いかと思います。大腸の内視鏡検査も同じく鎮静剤を推奨しますが、運転される方は事故につながると大変ですし、基本的には使いませんね。それから、腸管洗浄剤という大腸の検査前に飲まなければならない下剤が一番つらいという声が多いのですが、当院は500mlのペットボトル型のタイプを使用しているので、よくある2Lを飲むタイプよりはましではないかと思っています。今、がん統計の中で大腸がんは女性が死因の1位、男性が2位なんですね。ですから「40歳を超えたら一度検査を受けたほうが良いですよ」とお話ししています。

医師になって良かったと思うことはありますか?

熊谷祐院長 南さっぽろ内科消化器クリニック4

やっぱり患者さんからの言葉ですよね。クチコミがあるのはもちろんうれしいですが、直接「ありがとうございました」と言ってもらえた時や、例えば、ご家族を連れて来られるのは信頼していただけているからだと思いますし、そういったことを感じ取ったときに特にうれしいなと思います。外科医の頃は手術で10時間超えることもありましたし、膵臓がんは一番予防の難しい病気なので、術後の経過にジレンマを抱えることはありましたが、つらいとか辞めたいと思ったことは今のところないですね。

オーダーメイドの診療と内視鏡検査の強化をめざす

診療で心がけていることは何でしょうか?

熊谷祐院長 南さっぽろ内科消化器クリニック5

患者さんの目を見て話すようにしていますね。そして最後に、その病気のこと以外で実は気になっていることがないか、聞きたいことはないかを伺うようにしています。そうすると思いもよらない何かが見つかることもあるんです。例えば、「ここにしこりがあるけれどあまり気にしていないんです」とおっしゃるので、念のため調べてみると実は少し悪いものだったというようなこともあります。会話からの気づきで、進行する前に食い止められることがあれば良いなと思いますね。

今後やっていこうと思っている診療はありますか?

オーダーメイドの診療ですね。患者さんとともに考えていきたいというか、こういう要望が多いのであればこれもやろう、やるための勉強もしようというところです。患者さんの思いを吸い上げて、今はまず、できるだけ需要の高いものに特に力を入れて取り組んでいきたいと思っています。それと、内視鏡で発見できることはたくさんあるので、もちろん内視鏡には力を入れていきたいですが、検診でもワクチンでも発熱でもまず一度足を運んでいただいて、それをきっかけに実は困っているという症状などを見つけていけたらと思います。

最後に、読者にメッセージをお願いします。

熊谷祐院長 南さっぽろ内科消化器クリニック6

内視鏡や消化器疾患だけでなく、本当にどんな些細なことでも構わないので、お気軽に相談いただけたらと思っています。診られないということはできるだけ言いたくないなと思っていますので、お話を聞いてできるだけ最善な治療、もしくはアドバイスをさせていただきます。また、知り合いの病院やクリニックとも多く連携しており、お互い何かと理解しているため、患者さんになるべく不利益が生じないような形でご紹介できると思います。風邪でも生活習慣病でも、困ったことがあればぜひ一度足をお運びください。

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