学習や発達に影響することも
小児も発症する睡眠時無呼吸症候群
清澄白河耳鼻咽喉科いびき・無呼吸クリニック
(江東区/清澄白河駅)
最終更新日:2025/11/04
- 保険診療
夜中に何度も呼吸が止まる睡眠時無呼吸症候群。熟睡できないことが原因で昼間に異常な眠気を引き起こし、集中力が低下したり事故のリスクが増大したりする可能性がある。放っておくと、生活習慣病や、心臓・血管の病気の原因になることも少なくない。近年は「もしかして自分や家族も」と病院を受診する人が増えている一方で、子どもでも発症することや、正しい検査・治療につなげるために受診すべき診療科などはあまり知られていない印象だ。そこで今回は、小児・成人を問わず診療する「清澄白河耳鼻咽喉科いびき・無呼吸クリニック」の松浦賢太郎院長に、睡眠時無呼吸症候群の概要や、耳鼻咽喉科を受診するメリットなどについて詳しく聞いた。
(取材日2025年10月8日)
目次
いびきがある場合、大人も小児もまずは耳鼻咽喉科へ。鼻や喉の構造から原因を究明し、根本的な解決をめざす
- Q睡眠時無呼吸症候群について、あらためて教えてください。
-
A
▲「大人も子どもも、気になる症状があれば受診を」と話す院長
睡眠時無呼吸症候群は、眠っている間に繰り返し呼吸が止まる病気です。上気道が物理的にふさがることによる「閉塞性」と、脳から呼吸の指令が出なくなることによる「中枢性」に大別されますが、大半は閉塞性です。閉塞性は物理的な問題で呼吸を妨げられているため、呼吸が止まる度に酸素を求めて大きないびきをかきます。閉塞性の5割は肥満が原因ですが、骨格的な特徴や、喉の左右両側にある扁桃腺の肥大で起こることも。特に子どものいびきや無呼吸の主な原因は、扁桃腺や鼻の奥にあるアデノイドの肥大であることが多いです。
- Qどんなときに受診すべきですか?
-
A
▲丁寧な問診とわかりやすい説明を心がけている
ご家族の指摘や、昼間の眠気をきっかけに受診する方が多いですね。症状が長引くと、心不全や不整脈、心筋梗塞、狭心症、高血圧症などの原因になるほか、日中の眠気で生活の質が低下するため、いびきや呼吸停止に気づいたらすぐ受診してください。注意したいのは、子どもが睡眠時無呼吸症候群を発症することを知らず、放置してしまうケースです。4歳から6歳くらいまでの未就学児は、扁桃腺とアデノイドが生理的に大きくなって気道をふさぎ、鼻詰まりやいびき、口呼吸、睡眠時無呼吸症候群を発症することがあります。顎の成長が阻害されて骨格に影響したり、学力や集中力の低下につながったりするため、睡眠中は注意深く様子を見てください。
- Q耳鼻咽喉科での診断・治療には、どんなメリットがありますか?
-
A
▲明るい雰囲気の院内。子どもも快適に受診できる環境を整えている
睡眠時無呼吸症候群の診断・治療を行っている診療科は多岐にわたりますが、閉塞性が疑われる場合や、小児の場合は耳鼻咽喉科をお勧めします。なぜなら、耳鼻咽喉科は、鼻や喉を専門的に診る診療科だからです。口を開けるだけでは確認できない小児のアデノイドも、鼻咽頭ファイバースコープ、レントゲンなどを使って物理的に状態を把握し、必要に応じて手術を含めた適切な治療をご提案することができます。アレルギーで鼻詰まりが起きて口呼吸になり、気道が狭くなっていびきや睡眠時無呼吸症候群を発症している場合などに、診断から治療まで一貫して提供できるのも耳鼻咽喉科の強みです。
- Q睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合、どんな検査をするのですか?
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A
▲各種の機器を導入し、精密な検査に役立てている
睡眠中の鼻呼吸や口呼吸の状態を簡易的に確認できるセンサーを使ってスクリーニングをし、陽性であれば本検査を行うのが一般的です。本検査では、簡易検査で使ったセンサーのほか、心電図や脳波などを調べる機器を装着して眠っていただき、多角的に状態を診断していきます。さらに、エックス線撮影装置や鼻咽頭ファイバースコープ、副鼻腔用CTなどを使って鼻や喉の構造と状態を詳しく調べ、扁桃腺やアデノイドの状態もしっかり確認して原因を明らかにします。
- Q治療方法を教えていただけますか?
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A
▲患者一人ひとりに合わせて治療方法を提案。幅広い選択肢を用意
成人であれば、鼻から気道に空気を送り込んで無呼吸を防止するCPAP治療やマウスピースが選択されます。当院では、肥満症に対するGLP-1受容体作動薬の処方や、肥満外科手術を行う病院のご紹介、舌下神経電気刺激療法のご提案も可能です。また、形状的な問題が原因の方や、アデノイドや扁桃腺の切除に手術適応がある子どもには、提携する東京慈恵会医科大学附属病院をはじめとする高度医療機関を紹介いたします。

