廣川 佑 院長の独自取材記事
桃園通りこもれびクリニック
(中野区/中野駅)
最終更新日:2026/01/08
2025年、中野駅から徒歩5分の場所に開業した「桃園通りこもれびクリニック」。院長を務める廣川佑先生は、歯科医師免許取得後、医学部へ編入し、大学病院では脳神経外科医として研鑽を積んだという異色の経歴を持つ。「ふらっと立ち寄れる公園のようなクリニック」というコンセプトを体現するかのように、内装は医療特有の固い雰囲気を払拭した、木目の温かい雰囲気に満ちている。また「当院のメインの役割は雑談です」と、生活に寄り添い、安心を提供することを診療理念に掲げている。今回は廣川院長に同院の開業への思いや、独自の診療スタイルについて聞いた。
(取材日2025年12月10日)
生活動線上で、医療を通じて安心を提供する存在へ
まずは医師を志されたきっかけを教えてください。

子どもの頃から「誰かが困っている時に役に立ちたい」という思いを持っていました。人生の中で困る場面はいろいろあると思いますが、やはり誰かの命に関わるような時にこそ、何かできる人間になれたらと考えていたんです。最初は歯学部に入学し、医療について学んでいく過程で、より人の生死に直接関わる臓器を扱う医療に携わりたいという気持ちが強くなっていきました。そこで、歯科医師免許を取得した後、医学部に編入する道を選んだんです。人を救うということに対して、より直接的にアプローチできる医師という仕事に、強く惹かれたのだと思います。
なぜ脳神経外科を専門に選ばれたのでしょうか?
医学部編入の動機でもあった「生活の質に深く関わる診療がしたい」という思いから、脳と心臓の分野を考えました。脳神経外科は、認知症の高齢者の診療から開頭手術まで、幅広く対応できるという点に魅力を感じました。また、歯科医師免許も持っているので、頭頸部領域で歯科の先生と連携することもできます。実際、近隣の歯科の先生と仲良くさせていただいて「歯が痛いと来院された患者さんだが、三叉神経痛のようだ」と紹介していただくこともあります。20年以上前から言われている医科歯科連携に、自分なりに挑戦していけるのも脳神経外科の魅力の一つです。
大学病院から開業を決意された理由をお聞かせください。

最初の動機に戻るのですが、やはり「人々の役に立ちたい、サポートしたい」という思いがありました。大学病院で手術などを経験するうちに、予防医療などもっと日常的に生活に密着した寄り添い方がしたいと感じることもありました。そこで、生活されている方々のサポートをより身近でできる場所をつくり、親しみやすさを持って安心につながるような存在をめざしたいと思い、開業に至りました。中野は働く人も生活している人も多くいらっしゃるため、人々のライフスタイルを尊重したクリニックをしっかり提案できる場所だと感じています。
会話を通じて生活全般をサポートする診療スタイル
「ふらっと立ち寄れる公園のようなクリニック」というコンセプトについて教えてください。

私は「医療」や「クリニック」という枠組みにとらわれず、ともに健康を育む仲間として地域で共存していきたいと考えています。当院の理念は「生活者の生活動線において医療を通じて安心を提供する」ということ。あくまでも医療は手段で、主軸は生活されている方々の日常のサポートなんです。病院は本来、誰もが「できれば行きたくない場所」だと思います。でも、「気楽に相談できる場所」として、日常生活の中に当院があれば、少しでも安心して暮らせるのではないかと考えています。内装はリラックスできるような落ち着いた雰囲気にこだわり、木のオブジェやウッドデッキ、季節のオーナメントなど、温かみのある内装にこだわりました。本当に「公園」のような、ふらっと立ち寄れる存在をめざしています。
診療で大切にされていることは何でしょうか?
「当院のメインの役割は会話です」と表現するくらい、お話を大切にしています。医師・患者関係という枠組みでのコミュニケーションではなく、同じ生活者として、パートナーのような関係でお話ししたいんです。「こんなことをしゃべっても良いのかな」と思うようなことも話してもらえるような関係性をめざしています。ご来院された方の中には、仕事のことや人間関係のことなどを話してくださる方も多くいらっしゃいます。医療は病気をメインに見がちですが、ご本人にとっては日常生活全体が重要。どんな仕事をしているのか、余暇はどう楽しんでいるのか、そういったところも重視して診療を提案しています。
確かに、生活に関する悩みは多くを占めるかもしれませんね。

特に現代社会は、現役世代の方々をもっとサポートすべきだと考え、昼休みを設けず、夜8時まで診療し、仕事の合間や帰りに来院できるようにしています。頭痛や風邪などの体調不良はもちろんのこと「こんなことで病院に行くのは大げさかな」と迷っている方も気軽に相談できる体制を整えています。また「何科に行けば良いかわからない」という場合も、まずはこちらに相談してくれたら適切な専門家へ紹介することもできます。救急の外来的な役割も果たしつつ、市中病院のように長く待つような状況も避けられます。働く方々の時間を大切にしながら、安心を提供したいと思っています。
医療の枠を超えて地域の安心拠点をめざす
医療以外のイベントも開催されているそうですね。

そうですね。10月にはハロウィーンイベントを開催し、紙コップと画用紙でジャック・オ・ランタンを作りました。12月はアクアビーズでクリスマスオーナメントを作りました。一見子ども向けに見えますが、働いている大人の方々に久しぶりに童心に帰ってもらいたいという思いがあります。パソコンやスマホばかり見ている日常から離れて、画用紙の手触りを思い出したり、そこでのワクワク感を周りと共有したり。医療とは一見関係ないようなイベントで、幸せに寄与できればと思っています。実はスタッフの方がいろいろアイデアを出してくれているんです。皆で楽しみながら企画を考えています。
スタッフとの連携についてお聞かせください。
職種に関係なく、一つのチームとして取り組んでいます。ここでは「医師だから」「看護師だから」「受付スタッフだから」という線引きはなく、皆でサポートし合う体制です。「皆さまがふらっと立ち寄れる場所にしていこう」というビジョンを共有し、どうすれば実現できるかを工夫しています。皆さまと楽しくお話しできるような、温かい雰囲気づくりを大切にしています。このチームワークが、クリニック全体の雰囲気をつくっていると思います。
今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

医療という枠組みにとらわれず、公園のような安心できる場所を提供していきたいと考えています。周りの医療機関の先生方とも連携しながら、この地域全体の安心感が高まるようにしていきたいと思っています。困ったことや気になることがあれば、気軽に相談してください。医療を通じて、皆さんの人生そのものをより良くするためのお手伝いができれば幸いです。

