根本的な原因を追究し
薬だけに頼らない治療を
        なかしま内科循環器・整形外科クリニック
(西宮市/阪神国道駅)
最終更新日:2025/10/15
 
         
      - 保険診療
複数の病気を発症したり複数の診療科を受診したりして、多くの薬を服用することで副作用などの有害事象が起きることをポリファーマシーというそうだ。特に高齢者に多く、今や社会問題となっている。その解決も視野に、「薬だけに頼らない治療」に積極的に取り組む「なかしま内科循環器・整形外科クリニック」院長の中嶋哲史先生。循環器内科と整形外科の専門性を生かし、生活習慣の改善や、積極的な心臓リハビリテーション、運動器リハビリテーションによる症状の根本的な原因を解決することをめざしているという。効率的なリハビリテーションや栄養指導が行える設備を整え、理学療法士や管理栄養士との連携も重視。今回は「薬だけに頼らない治療」を実践する中嶋院長に話を聞いた。
(取材日2025年10月4日)
目次
薬だけに頼らず、リハビリテーションや生活習慣の改善で問題の根本にアプローチ
- Qこちらでは「薬に頼らない治療」を実践されているそうですね。
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            A
                ▲薬だけに頼らないことを大切にする中嶋院長 薬は症状を一時的に抑えるための対症療法です。「薬に頼らない治療」では、まったく薬を使わないのではなく、できるだけ薬に頼らず根本的な原因の解決をめざしていきます。病気や症状の根本的な原因を見極め、問題解決を図り、今まであまり目を向けられてこなかった生活習慣の改善やリハビリテーションに取り組みます。そして薬に頼らなくても健康を維持して、快適な生活が送れるようになることをめざすのです。例えば、肥満は膝の痛みの原因となり得るので、肥満解消のために適切な筋肉トレーニングを指導することもあります。私は循環器内科や整形外科については、薬だけに頼らない治療は行えると考えています。 
- Qでは、整形外科での取り組みを教えてください。
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            A
                ▲痛みを抱える人も無理なく取り組める運動療法 医師と理学療法士が二人三脚で取り組むのが整形外科との考えから、理学療法士による運動器リハビリテーションなどに注力しています。パーソナルトレーニングも行っています。特に、吊り下げられたロープを使用して体の一部をサポートし、関節や筋肉への負担に配慮しながら運動ができるシステムを導入しているのが特徴です。膝や腰の痛みのある方も、筋緊張を緩めながら、関節にかかる負担を減らして運動することができます。また、リハビリテーション室と診察室の間には壁がないので、医師と理学療法士とのコミュニケーションが取りやすく、個々の患者さんについてどのようにアプローチしていくか、細かく意思疎通を行いながら進めています。 
- Q循環器内科では、薬以外にどのような治療を行っているのですか?
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            A
                ▲医療スタッフが連携し、個別に最適化を図ったリハビリを提供 心臓リハビリテーションや運動・栄養の指導を行っています。心臓疾患の患者さんの場合、整形外科のリハビリテーションは心臓に負荷がかかることがあり、一方で心臓リハビリテーションだけでは体を鍛えるための運動の実施が難しいことがあります。そこで当院では、一極集中で5人の患者さんの心電図を測定しながら、それぞれのデータに合わせてコンピューターで負荷量を調整してパーソナルトレーニングを行えるシステムを導入しています。すべてコードレスで、理学療法士と患者さんの距離が近いのも特徴です。栄養指導については、専門のカウンセリングルームを設けて、管理栄養士がプライバシーにも配慮しながらきめ細かな指導を行っています。 
- Q薬に頼らないことに不安になる方もいるのではないですか?
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            A
                ▲明るく開放的なリハビリスペース 薬に頼らない治療とは、薬をまったく使わない治療ではありません。当初は痛みや症状に対して必要な薬による治療を行い、無理のないようにリハビリテーションや生活改善を進めて、最終的には薬を使わなくても健康が維持できる状態をめざすのです。私たちの価値観を押しつけるのではなく、その方の人生観に寄り添った治療を提供したいと考えていますので、「薬を使わないことが不安」と言われる方に対しては、なぜそれが不安になるのか、その理由を引き出して、不安を解消できるように対応します。「病を診るのではなく人を診る」というのが当院のポリシーですから、どんな場合もその方の人生観やこだわりを大切にしたいと思っています。 
- Q循環器内科と内科があることも特徴ですね。
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            A
                ▲それぞれの職種が専門性を発揮し、患者を支える 循環器内科と内科は、整形外科と切り離せない診療科であり、両方を診療するからこそ見出せる疾患があると考えています。胸の痛みに対して整形外科を受診するべきか内科を受診するべきか、悩まれる患者さんも少なくありません。「胸と肩が痛い」と整形外科を受診された方が実は心筋梗塞ということがありますし、逆に内科の病気と思って受診された方が、整形外科の病気ということもあります。また、整形外科と内科の病気では重複する薬も多く、別々のクリニックを受診されていると服用されている薬をすべて把握しきれないこともあります。当院では、循環器内科、内科、整形外科の立場から必要な薬だけを処方できるのも特徴だと思います。 

 
             
             
             
             
                 
                 
            
 
                 
                 
                