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中嶋 哲史 院長の独自取材記事

なかしま内科循環器・整形外科クリニック

(西宮市/阪神国道駅)

最終更新日:2025/09/11

中嶋哲史院長 なかしま内科循環器・整形外科クリニック main

阪急今津線の阪神国道駅。改札を出てすぐの歩道橋を登ると、道路向かいの真新しいビルが目に入る。その3階に入っているのが、「なかしま内科循環器・整形外科クリニック」だ。エレベーターの扉が開いた瞬間、緑豊かな広々とした空間や、カフェテーブルが目に飛び込んでくる。白や木目を基調とした空間は、ホテルのラウンジのような居心地の良さだ。中嶋哲史院長は、2025年9月1日にこのクリニックをオープン。循環器内科・整形外科など、一人で多診療を担う中嶋院長に、診療に対する想いを聞いた。

(取材日2025年8月19日)

暮らしの充実から生死まで

最初に、医師としてのご経歴やクリニック開業に至るまでの経緯をお聞かせください。

中嶋哲史院長 なかしま内科循環器・整形外科クリニック1

父は整形外科の医師で、僕が中学生の時に開業しました。その時点で、自分にも周囲にも後を継ぐんだろうという雰囲気があったので、漠然とドクターになるのかなと思っていました。医師というのは仕事としてやってみる価値のある職業だと思いましたし、社会貢献できるという意識もありました。大学を卒業してからは、とにかくいろいろな分野の経験をしようと思い、循環器内科で7年、救命救急で2年、リウマチ科で2年、整形外科で6年、研鑽を積みました。循環器、整形外科、心臓リハビリテーション、整形リハビリテーション、この4つをすべて行うクリニックを作りたかったんです。そのことを父に相談すると「循環器も整形外科もきちんとできる、大きなクリニックを開いたらどうか」と背中を押してくれました。

たくさんの分野で研鑽を積まれた理由は何でしょうか?

医療というのは大きく分けると、生き死にに関わる診療と、生活の質に関わる診療の、2種類に分けられると思うんです。そのどちらもカバーできることが目標でした。循環器内科は、命に関わる場面で、医師として手を差し伸べることができる。整形外科は、痛みの緩和を図ることで、質の良い暮らしの助けになります。どちらにも対応できるドクターになることで、患者さんの幸せにつながる「アクティブライフサポート」のようなことができるんじゃないかと思いました。ところが、せっかく循環器内科と整形外科で経験を積んでも、その2つの分野は切り離されているんですよね。両方を専攻しているからこそできる治療は何かと考えた時に、内科的な要素と整形外科的な要素を合わせ持つ領域として、リウマチ科も専攻することにしました。

クリニックを開業するにあたってどのような点に気を使いましたか?

中嶋哲史院長 なかしま内科循環器・整形外科クリニック2

待ち時間の長さは患者さんの負担になるので、院内で過ごす時間を快適にしたいと考えました。時間短縮の努力もしますが、それ以上に待っていても苦にならない空間づくりを心がけました。待合室を広くしてカフェコーナーを併設し、緑をたくさん取り入れています。カウンセリングルームも明るいガラス張りで、リラックスできるように設えました。ここに来ることで健康になっていくんだ、新しい自分に出会えるんだという高揚感を味わってもらえたらと思います。こうした空間設計は、患者さんのためでもありますが、同時にスタッフのためでもあります。皆が楽しくかつ効率的に仕事ができるよう、院内のテーブルは低めにして見晴らしを良くし、リハビリテーション・事務・診療部がスムーズに連携できるようにしました。院内は約110坪の広さで、待合室と診察室とリハビリテーション室はおよそ1対1対1の割合です。どの空間も同じように気を使って設計しました。

人を診て、人に寄り添う医療を

クリニックのコンセプトを教えてください。

中嶋哲史院長 なかしま内科循環器・整形外科クリニック3

「病ではなく、人を診る」です。患者さんが求めていることは簡単にはわかりません。病だけを診れば、医療ガイドラインの数値に合わせて管理しようとするでしょう。でも、その人が何を幸せに思うか、何に価値を感じるかは、対話して深掘りしないと見えてこない。血圧の数値を下げるために、大好きな食べ物を一切禁止して幸せをなくすより、食べる生活の中でどうにか治療できないかを考えるなど、しゃくし定規ではなく柔軟に対応したいです。また、整形外科の分野ではギプスや松葉づえが必要となる方もいるので、生活環境にも考慮すべきだと思っています。僕はカルテに、家族構成や家の構造、支援・介護の認定など、症状以外の情報をたくさん書き込むようにしています。薬だけ出したり、ガイドラインに無理矢理合わせたりするようなことはしません。AIに頼りきりの医療では、患者さんに満足いただける治療はできないと思っています。

設備のこだわりについてお聞かせください。

まずは、エックス線撮影室です。同じ機械で骨密度の測定とエックス線撮影ができるので、痛みのある患者さんも動く必要がありません。またリハビリテーションでは、自転車型マシンに新しいシステムを導入し、心臓リハビリテーションと整形外科のリハビリテーション、どちらも実施可能です。心臓に疾患のある患者さんにとっては整形外科のリハビリテーションは心臓に負担がかかってしまいます。逆に心臓リハビリテーションだけ実施している場合は、体を鍛えるプログラムを実施するのが難しい。今回導入したシステムでは、一極集中で4人の心電図を測定しつつ、それぞれのデータに合わせて、コンピューターで負荷量を調整できるんです。集団でいながら、オーダーメイドのリハビリテーションを受けられる。また、すべてコードレスになっているので、理学療法士と患者さんの距離が近く、スムーズにコミュニケーションを取ることができます。

どのような症状の患者さんを対象としていますか?

中嶋哲史院長 なかしま内科循環器・整形外科クリニック4

まずは、高血圧症、高脂血症、糖尿病など、生活習慣病の方です。ほかにも心臓に疾患がある方、リウマチの方も診療の対象になりますし、腰痛など、整形外科の症状や疾患も対応可能です。複数の診療科を専攻してきたので幅広く診ることができます。また、僕の方針として、できるだけ薬に頼らない治療を行いたいという想いがあります。クリニックには管理栄養士も理学療法士もいるので、生活相談やリハビリテーションを通して患者さんの生活を変えていくことで、可能な限り薬に頼らず健康になれる方法を模索していきたいです。

スタッフとともに患者の人生を考える

スタッフの体制について教えてください。

中嶋哲史院長 なかしま内科循環器・整形外科クリニック5

理学療法士、管理栄養士、診療放射線技師のほか、事務員もたくさんいます。接遇や清掃、内覧会などについて、手厚い勉強会を行い、スタッフの対応など、クリニック全体でのおもてなしをめざしています。ほかにもチームビルディングに関する勉強会を実施し、話を聞く技術を学んでいます。このクリニックで働くことを通して、一人ひとりが成長していってほしいですね。医療というのは、チームで行うものだと思います。スタッフ全員が患者さんとのコミュニケーションを大切にし、リハビリテーションでの指導・日常生活の指導・栄養指導などを充実させて、ここから先の人生を一緒に考えながらつくっていく。アクティブライフサポートにつなげていきたいです。

地域の皆さんと、どのように関わっていきたいですか?

水曜の午後にクリニックを開放して、地域の方向けの無料セミナーを開催したいと思っています。僕が高槻病院にいた時、業務時間外に、心不全教室というものをやっていたんです。「心不全の人は水分を取ったほうがいいの?」とか、「夏場の脱水対策はどうするの?」など、患者さんやご家族の方の学びになるようなことをお話ししていたんですよ。そういう機会が患者さんの意識を変えていくんだという実体験があって、このクリニックでも行っていきたいです。僕だけでなく、管理栄養士や理学療法士にも話をしてもらおうと考えていて、人が集まるサロンのような、地域の皆さんの暮らしの相談窓口のような場になればうれしいです。

最後に、今後の展望についてお聞きします。

中嶋哲史院長 なかしま内科循環器・整形外科クリニック6

経営面では、優秀なスタッフがいないと素晴らしい医療はできないので、まずはスタッフさんを集めることが大切かなと思います。そして患者さんの目線では、やはり病気のケア=シックケアではなくて、健康のケア=ヘルスケアを行っていきたいです。医療の分野で社会貢献するというのが僕のテーマなんですけども、ヘルスケアを通して、新しい自分に出会えるんだということを、啓発活動で皆さんに知ってもらいたいです。健康に興味を持つというのは当たり前なことに思われていますが、実際はヘルスケアを面倒なこととして感じる方も多いです。このクリニックに来ることで、健康への興味を持つ方が増えていったらいいなと思います。

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