堀田 典寛 院長の独自取材記事
西新井ほった内科皮フ科
(足立区/西新井駅)
最終更新日:2025/09/03

西新井駅から徒歩2分の「西新井ほった内科皮フ科」。2025年7月に開院した同院で院長を務める堀田典寛先生は、総合内科診療を中心に循環器内科、在宅診療、さらには心臓移植や標高3000メートルを超える地域での健康調査まで、実に多彩な経験を持つ。「人生一回なので、ちょっとチャレンジしてみようかなと」と語る堀田院長。その笑顔の奥には勤務医時代に感じた「もう少し早くに検査ができていれば……」という思いがあった。そんな経験から導入した採血迅速検査装置により「今日わかる」診療を実現。患者と接する際は、その人の性格に合わせて敬語で丁寧に対応したり、フレンドリーに接したりと、一人ひとりと適切な距離感を保つよう意識している。地域への恩返しの思いも込めて開院した堀田院長に、診療への想いを聞いた。
(取材日2025年8月6日)
豊富な経験を生かし、地域の「最初の門戸」をめざす
開院までの経緯と西新井を選んだ理由を教えてください。

大学卒業後、東京女子医科大学足立医療センターの前身である東京女子医科大学附属第二病院に入局しました。細分化された内科ではなく、第一内科、第二内科といったざっくりとした分け方で総合内科ゼネラリストをつくるところに憧れて入ったんです。循環器グループに属しながら一般内科も診るスタイルで、心筋梗塞を診ながらパーキンソン病の入院患者さんも診るというような幅広い対応が求められる環境でした。その後、西新井病院に異動し勤務を続ける中で、年齢的にも開業を決断するには最後のチャンスだなと思い「人生一回だ」と決意しました。西新井を選んだのは、コロナ禍で、率先して新型コロナウイルス感染症の対応をし、地域貢献の礎を築いてきた西新井病院での経験があったからです。当時私も西新井病院で勤務していて、地域の皆さんの役に立てたということがうれしく、そんな縁がある場所で開業したいと思い選びました。
勤務医時代に心臓移植や高地調査など、特殊な経験もお持ちですね。
僕の力だけではこのような経験はできなかったと思います。いろいろな人との出会いがあってこそでした。循環器内科医として心臓移植に携われるというのは医師の中でもなかなかない経験ですし、インドのカシミール地方、ラダックという標高3000メートルくらいの地域で、長寿や認知症の研究をされている先生との出会いもあり、一緒に健康調査に行く機会も得られました。こうした特殊な環境での経験ができたことなど、すごく実りある勤務医時代だったなと思います。
クリニックのコンセプトと診療体制について教えてください。

自分の症状が何にあたるのかわからない、どこに行けばいいかわからないといったケースってありますよね。そんな時に、まず最初の門戸としてここに来て、状況を聞かせていただき、私が見れる範囲のものは診て、専門の所へ行ったほうがいい場合は専門の所へ案内する、これまでの総合診療経験を生かして見極めをする役割になりたいと思っています。当院は内科と皮膚科がありますが、内科は私が、皮膚科は家内が担当しています。また、院内は、待ってる間も少しでも居心地いいような空間にしたいというこだわりがあり、待合室は南国風にしてハワイアンなイメージで、病院らしくない雰囲気にしています。
幅広い診療で地域のニーズに応えていく
一般内科・生活習慣病診療について教えてください。

糖尿病をはじめとする生活習慣病の患者さんは非常に多いですね。足立区は社会的背景がさまざまで、健康にものすごく関心のある方もいらっしゃれば、あまり気にされていない人も多くいらっしゃる印象です。そういった人たちに、それぞれどのように説明をしたり、治療をしたりしていくかということが難しいところです。食事は誰が用意してるのか、家で食べることが多いのか、協力してくれる人はいるのかどうか……そのような生活背景まできちんと聞き取ることが大事です。生活習慣病や糖尿病の診療では、そういうことをさりげなく聞いて生活背景を把握するということが大切だと思っています。
循環器内科の専門診療についてはいかがですか?
私の専門が循環器でしたので、虚血性心疾患の胸痛症や不整脈で来られる患者さんはやはり多いです。狭心症に関しては、一瞬だけ胸がズキッとすることや、チクッとしたことを心配して来られる人もいますが、そういった瞬間的な痛みはあまり心配がないことのほうが多いです。気をつけたいのは「分単位」の痛みや違和感です。3分間も胸が圧迫感があるとか、階段を上ったりしたときに出る症状は注意が必要です。最近ではスマートウォッチなどで不整脈を検出できるデバイスもあり、実際にそれで心房細動に気がついて来られるということもありますね。
皮膚科・美容皮膚科診療の特徴を教えてください。

皮膚科の診療日のほとんどが一般皮膚科で、美容皮膚科は1日だけの診療です。多いのはアトピー性皮膚炎や慢性的な湿疹、イボやしみなどで悩まれている方。保険診療で十分対応可能なものに関してはそれをお勧めしていますが、保険診療では難しいところを求めている方には、線引きして美容皮膚科のお勧めもしています。また、内科から皮膚科を一緒に診るパターンもたくさんあります。内科疾患と皮膚疾患は関連していることも多いので、一つのクリニック内で連携できるのは患者さんにとってもメリットだと思います。
迅速な検査とこまやかな配慮で安心の医療を
採血迅速検査装置を導入した背景について教えてください。

患者さんにとって有益なこととして、検査結果が迅速性にわかることは重要だと思いました。血液検査をして、結果はまた来月、ではなくて、急いでる検査は今日、今結果を出せるように。勤務医だったときは、町のクリニックでは風邪と言われたけど、あまり症状が改善せず大きな病院に来て、検査をしたら他の病気が見つかるということにも遭遇してきました。もちろんクリニックで行える検査にはどうしても限界もあるのですが、もう少し早く検査結果が分かれば良いなと思うことがあって……。自分が開業する立場になったときには、なるべくそうした重症の人をもっと早期に発見できる体制を整えたいと考えていました。
患者さんと接する際に大切にしていることを教えてください。
患者さんによっては、距離を保ってきちんと敬語で丁寧に対応することを喜ばれる方もいますし、「大丈夫だよ、大丈夫」とフレンドリーな対応が喜ばれる場合もあります。何回か接しているうちに、この方はこういうほうが好きなのかなと、病気だけでなくその人自身のキャラクターも見て、一番落ち着くような雰囲気を演じる……と言うと変ですけど、そういった役割をすることも医師には必要かなと思っています。検査結果を待っている時って患者さんは不安だと察しますので、「もうちょっとですからね」、「お待たせしてますね」と一言声をかけることでも安心につながると思うんです。そういった気遣いや声がけが実はすごく大切なことだと考えています。
今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

今は僕と家内で診療していますが、一人の価値観だけで診療すると自分が得意なところに偏ってしまう可能性があります。勤務医時代はいろいろな先生とディスカッションしたり相談したりというのが楽しかったですし、新しい発見もありました。今後もさまざま先生の講演などに参加し、いろいろな知識や価値観も入れて層を厚くしていけたらいいなと思っています。「どこ行ったらいいんだろう」、「ちょっと体調悪いんだけど」という時に来ていただければ、お話を伺って診察させていただきますので、些細なことでも気軽に相談しに来てもらえればと思います。
自由診療費用の目安
自由診療とはしみや赤みの光治療(IPL):1万7600円~