全国のドクター14,066人の想いを取材
クリニック・病院 156,415件の情報を掲載(2025年9月12日現在)

ドクターズ・ファイル会員でできること

予約情報をマイページ上で管理できます!

過去の予約を一覧化

予約内容の確認

予約の変更・キャンセル※

※一部対象外の医療機関もありますので、あらかじめご了承ください

会員登録がお済みでない方は

すでに会員の方は

  1. TOP
  2. 東京都
  3. 中央区
  4. 新富町駅
  5. リーボイスクリニック銀座 声の耳鼻咽喉科
  6. 李 庸學 院長

李 庸學 院長の独自取材記事

リーボイスクリニック銀座 声の耳鼻咽喉科

(中央区/新富町駅)

最終更新日:2025/09/04

李庸學院長 リーボイスクリニック銀座 声の耳鼻咽喉科 main

2025年7月に開院した「リーボイスクリニック銀座 声の耳鼻咽喉科」は、一般的な耳鼻咽喉科の診療とともに、声を専門的に診る珍しいクリニックだ。院長は九州大学で音声医学と歌唱音声研究を行い、声帯の構造や発声の仕組みを深く理解する李庸學(り・ようがく)先生。声を使う職業の患者の診療経験も豊富。内視鏡検査や発声機能検査などの各種検査を行い、喉や鼻、口腔など声に関わる部位を総合的に確認。不調の原因を丁寧に探り、一人ひとりに合わせた診療を行っている。「声は誰にとっても大切なコミュニケーションの道具。困っている方が安心して相談できる場所にしたい」と語る李院長は、自身も歌が好きでバンド活動中に声に悩んだ経験があるという。そんな李院長に、開業の経緯や診療で大切にしていることについて話を聞いた。

(取材日2025年7月29日)

声のスペシャリストによる、声に特化した診療

開業の経緯を教えてください。

李庸學院長 リーボイスクリニック銀座 声の耳鼻咽喉科1

私は医師になるずっと前から、声に困っている人を支える医師になりたいという夢を持ち、声の障害を取り扱う音声医学を志しました。耳鼻咽喉科の臨床経験を経て、声の生成メカニズムの基礎研究に没頭し、医学博士号に加えて芸術工学博士号を取得しました。そのタイミングで、これまで自分が行ってきた臨床や研究で培ったものを患者さんに還元するには、やはりクリニックが最適だと思い、夢の実現のために開業しました。銀座は文化・芸術・流行の街であり、関東はもちろん全国からのアクセスが良いことが決め手でした。ここは複数の路線が利用できますし、近隣にはコインパーキングもたくさんあるので、お車でいらっしゃる場合も便利だと思います。東京駅や羽田・成田空港からも近いですしね。

先生が思い描く診療スタイルとは?

患者さんがクリニックを訪れる時間そのものを、前向きで心地良いものにしたいと考えています。そのために、完全予約制によるスムーズな診療と、ホテルのラウンジのような上質な空間づくりにこだわりました。症状を治しながら、来院するたび、少し幸せな気分になっていただければうれしいです。

診察室の大きなモニターが特徴的ですね。

李庸學院長 リーボイスクリニック銀座 声の耳鼻咽喉科2

はい。このモニターにはこだわりましたね(笑)。55インチの大画面で画質が高いものをとことん探し回り、複数メーカーの中から性能が一番優れていた、このフラッグシップモデルの4K有機モニターにたどり着きました。このモニターに鼻の中や喉の中の内視鏡映像を投影して患者さんに説明します。声帯は患者さんにとって自分自身の唯一無二の楽器ですが、自分では見ることができないものです。迫力の映像でご自身の身体の中の楽器と向き合っていただくことで、診療が特別な体験になればうれしいです。

声の探求者としての原点

なぜ声に特化した医師になられたのでしょうか。

李庸學院長 リーボイスクリニック銀座 声の耳鼻咽喉科3

それは、私自身が深く声に悩んだ経験があったからです。もともと私は歌うことが好きで、医学生時代はインディーズバンドのボーカルをしていいました。バンドで歌う活動を行う中で、近くの耳鼻咽喉科には通っていましたが、声がれや声の出にくさ、声の使い方に悩んでも、十分に相談することはできませんでした。そうした「声」に関して悩みながら活動を続けていく中で、耳鼻咽喉科の中に「音声医学」という声を専門的に取り扱う分野があり、声で悩んでいる人に医学で向き合える場所があると知り、自分は一生を賭けてこの道で頑張っていきたいと思ったのです。声を出せないつらさや歌えない苦しみが誰よりもわかるからこそ、一人ひとりの声に寄り添った診療がしたいと思って、研鑽を詰んでまいりました。治療によって患者さんが声を取り戻していく姿を見ることが、医師として何よりもやりがいに感じます。

先生のご経歴についても教えてください。

私は、2012年に九州大学を卒業後、福岡県にある高木病院で初期研修を受けました。地域の中核病院だったので研修医も戦力として期待される中で、内科や外科、救急医療などを幅広く学びました。さらに研修の後期は長期にわたり東京ボイスセンターで勤務し、その後九州大学の耳鼻咽喉科に入局して、さらに臨床を経験しました。東京ボイスセンターや九州大学病院、福岡山王病院 音声・嚥下センターなど、国内有数の声の専門施設で、非常に多くの外来診療や手術を経験できたのはとても恵まれていたと思います。その後同大学の大学院で、8年間にわたって、音声障害や歌唱音声の研究を行い、声が生み出されるメカニズムを徹底的に探求しました。2021年に医学博士号を取得した後も研究を継続し、2025年に芸術工学号を取得しました。発声メカニズムの多くの謎の探求で得られた知見と研究の成果を、これから患者さんに還元していきたいですね。

声の診療とはどういう内容ですか?

李庸學院長 リーボイスクリニック銀座 声の耳鼻咽喉科4

声のトラブルに関する診療は、その原因を突き詰めることが一番大切です。そのためには、「声の源」を作り出す器官である声帯はもちろんですが、「声の響き」を作る鼻や上咽頭、口の中といった部分も同じように異常がないかを診ることが必要になります。特に声帯については、一見異常がないように見えても、声帯振動を細かく観測することにより、異常がわかることがとても多いんです。声帯振動の詳細な観測のために、高性能のハイスピードカメラを用いて1万分の1秒の瞬間まで追い求めることもあります。また発声や歌声のトラブルをお持ちの方は、発声機能検査を行うことで、声帯の使い方を呼気圧や呼気流率などのパラメータで可視化して問題点を突き止めます。耳鼻咽喉科では異常なしと言われたけれど、声がれが治らないという方や、声が出しにくいという方はぜひご相談いただければと思います。

悪いからではなく、良い状態を保つために来る場所へ

具体的にはどういった検査や治療を行いますか?

李庸學院長 リーボイスクリニック銀座 声の耳鼻咽喉科5

声帯は喉のだいぶ奥にあるので、口または鼻から内視鏡を挿入する必要があります。口と鼻のどちらから見るか、については、それぞれのメリットを生かして選択します。口からの観察のほうが圧倒的に声帯を高画質・高精細で観測することできるので、基本的に声帯の評価については口を開けていただき内視鏡を挿入します。一方で鼻から内視鏡を入れる場合は鼻腔や上咽頭の状態もチェックできますし、発声中の声帯以外の挙動も含めて観察できるというメリットがあります。実際には、患者さんの状態やご希望を考慮して選択することになります。治療については、声帯の評価に基づき、こまやかに投薬治療を行います。また鼻や上咽頭については、Bスポット治療(上咽頭擦過療法)を行うこともあります。声帯ポリープや声帯結節などの手術のご相談も可能です。

診療で大事にしていきたいことは何でしょうか。

そうですね、悩んでいるところだけをピンポイントで診るというよりも、トータルで診ていく環境を大事にしたいと思っています。当院は声を中心に診るクリニックですので、声に徹底的に向き合います。しかし、声は声帯以外の鼻や喉、口腔、上咽頭なども関係してきますので、場合によっては声帯以外の箇所の治療も必要です。ですので、普通の風邪症状はもちろん、花粉症や鼻炎、副鼻腔炎、睡眠時無呼吸症候群などのお悩みにも対応いたします。患者さんの悩みに寄り添って、ただ治すだけではなく、より良い状態へ。それが当院のめざすところです。歌手や声優、ナレーターといった声を使ったお仕事をしている方だけでなく、普段の声でお悩みの方も対象としています。新型コロナウイルスの流行後は、後遺症で声がれに悩む方も増えている印象です。声について悩んでいる方は、気軽にご相談に来てください。

最後に、読者の方にメッセージをお願いします。

李庸學院長 リーボイスクリニック銀座 声の耳鼻咽喉科6

声は、特別な仕事をしている人だけに関係するものではありません。私たちはみんな、声を使ってコミュニケーションを取っています。つまり、声は生活の真ん中にある、大切な存在です。だからこそ、声を守ることで、患者さんの暮らしを支えていきたいと考えています。これまでの医療は病気の治療が中心でしたが、これからは良い状態を保つためのサポートも、ますます重要になってくると思います。私自身も、患者さんの悩みに寄り添いながら、その原因は何か、どうすれば予防できるのかといったことを、一緒に深く考えていきたいと思っています。ボイスクリニックと聞くと、専門的で少し遠い存在のように感じられるかもしれません。でも、声の悩みは、職業に関係なく誰にでも起こるものです。当院では、お一人お一人の悩みの原因を見つけ、それに応じて丁寧に対応していきます。どうぞ気兼ねなく、ご相談にいらしてください。

Access