歯周病専門の歯科医師が伝える
予防歯科の重要性とは
青おとなこども歯科クリニック
(豊川市/愛知御津駅)
最終更新日:2025/10/15


- 保険診療
一説には日本人の成人の約8割が罹患しているともいわれる歯周病。初期には自覚症状がなく、出血や腫れなどがあってから歯科医院へ駆け込むケースもあるという。悪化すれば抜歯から入れ歯、あるいはインプラント治療などへ進まなければならず、負担が大きい。そのほか、糖尿病など体の疾患とも関連があるなど、痛みがないから大丈夫とはいえないのが歯周病だ。大学病院で歯周病を専門としてきた「青おとなこども歯科クリニック」の高柳結平院長は、「まずは毎日のセルフケアが大事」と強調する。夜の1回だけでも歯間ブラシやフロスを併用すると良いそう。「できれば子どもの頃から予防を習慣にし、定期的に歯科医院に通うのが理想ですね」と話してくれた。
(取材日2025年10月1日)
目次
予防の第一歩は歯磨き。歯間ブラシやフロスを使って歯と歯の間まできれいに磨こう
- Q予防は大切なのでしょうか?
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A
▲定期的なチェックで虫歯や歯周病などの早期発見も期待できる
はい、大切です。一つには、定期的に歯科医院の予防歯科に通ってケアすることを習慣にしていただくのが良いと思います。歯科医院では噛み合わせの確認、歯石のスケーリング、クリーニングなどを行います。当院では特殊な機械により、歯茎の隙間まで細かな粉末を吹きつけて汚れの除去をめざす処置も行っています。もう一つ、ケアだけでなく、歯科医院での定期的なチェックにより、虫歯や歯周病など問題の早期発見が期待できるのも予防が大切な理由です。いずれも初期には痛みがないことが多いので、気づかないまま時がたち症状が進行すると、治療に費用も時間もかかり、患者さんの負担が大きくなってしまいます。
- Q先生は大学病院で歯周病治療を専門にされていたそうですね。
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A
▲専門的な歯周病治療を提供できるのが強み
はい。病院では30~40代でも歯周病が進行した患者さんを診てきました。そういう方に多いのは、予防を習慣にされていなかったということ。歯がガタガタで磨きにくいために、磨いているつもりでも汚れが残ってしまったと思われる方もおられました。歯並びが悪いと噛み合わせが悪くなり、逆に噛み合わせが悪いと歯並びも悪くなりやすい。そして汚れが残りやすくなり、虫歯や歯周病ができやすくなる。お口の健康にはつながりがありますので、歯をきちんと磨くこと、磨きやすい歯並びをつくっておくことは重要だと思います。食いしばりや歯ぎしりも噛み合わせや歯周病に影響しますので、癖のある方は歯科医院でマウスピースを作製しましょう。
- Qこちらは歯磨き指導に力を入れておられると伺いました。
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A
▲歯の模型などを利用し、丁寧な説明や指導を行う
歯科医院は数ヵ月に1度のことであり、毎日の歯磨きが最も大事だからです。まずご自身で磨けていない箇所を把握してもらい、磨けるようにアドバイスしていきます。その次にご提案するのが、歯間ブラシやフロスです。虫歯や歯周病は、歯と歯の間に起こることが多く、歯だけでなく歯と歯の間を意識して磨くことが大切なのです。朝昼晩3回使うことが理想ですが、新しい習慣を取り入れることは難しいので、「寝る前に使ってくださいね」とお話ししています。寝ている間は唾液の粘性が強く、細菌から出る酸が停滞しやすいからです。使い始めは出血することもあるので、「隙間が広がるのではないか」と心配される方がいらっしゃいますが大丈夫ですよ。
- Q子どもも予防歯科に通ったほうが良いですか?
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A
▲キッズスペースもあり、広くゆったりとした待合室
お子さんこそ、予防歯科に通っていただきたいですね。小さいうちから歯科医院の雰囲気に慣れて、お口をきれいにするのは気持ち良いと感じてほしいです。そして大人になっても予防の習慣を続けてほしいですね。これまでの診療経験で、子どものときの口内環境が良い方は、大人になっても良い口内環境が続くように思っています。お子さん、お父さんお母さん、おじいちゃんおばあちゃん、ご家族で予防を心がけてもらえるとうれしいですね。当院は待合室も広くしており、診療室にもお子さんと大人が一緒に入れるスペースがあります。
- Q歯を守るために心がけたい生活習慣は?
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A
▲毎日の歯磨きや、歯間ブラシやフロスを使うことが大切
繰り返しになりますが、歯間ブラシやフロスを使うことを、夜、寝る前だけでも取り入れていただきたいです。また成長過程のお子さんの場合、おやつや食事など食べることだけでなく、呼吸や姿勢なども歯の健康に影響してきます。特にいつも口を開けたまま口呼吸していると、口からばい菌が入りやすくなるほか、舌が下がり、下の前歯を押すので、歯並びの乱れにつながることも。おやつや食事は正しい姿勢で取るようにし、親御さんは、歯並びが乱れていないかどうか、お口を開けたままでいないかどうかを注意して見て、何か気になることがあれば早めに歯科医師に相談しましょう。