清水 真次朗 院長、清水 里紗 副院長の独自取材記事
しみずクリニック 泌尿器科・内科
(松山市/本町六丁目駅)
最終更新日:2025/07/08

2025年5月、松山市問屋町に開院した「しみずクリニック 泌尿器科・内科」。泌尿器科を専門とする清水真次朗院長と、血液内科を専門とする副院長の清水里紗先生が、夫婦で営む地域密着型のクリニックだ。尿の悩みや男性更年期といった泌尿器の問題から、貧血や発熱といった原因不明の体調不良など、幅広い内科的な訴えに対応。検査結果を当日中に確認できる機器や、開放感とプライバシーへの配慮が共存する建築デザインなど、患者の安心と利便性を追求した設計が印象的だ。診察では「優しく、丁寧に、わかりやすく」をモットーに、患者一人ひとりの生活背景にまで寄り添いながら、長く頼れるかかりつけ医であることをめざしている。そんな両先生に取材した。
(取材日2025年6月11日)
プライバシーに配慮しながら、丁寧に診る
クリニックづくりで大切にしたことはどんなところでしょうか?

【真次朗院長】設計で最もこだわったのは、「プライバシーへの配慮」と「開放感」の両立です。泌尿器科と内科、それぞれを受診する患者さんができるだけ自然にすれ違わないよう、ぐるっと回れる動線や椅子の配置を工夫しています。椅子の向きはあえて外向きにし、視線が交わりにくい設計に。また、ガラス張りながら外から見えにくく、明るく広々とした空間に感じられるようにしました。内装には木を多く使い、カフェのような居心地の良さを意識したんです。観葉植物や花の配置も「医療機関っぽくない安心感」を演出しています。
【里紗副院長】設計を担当てくださった建築士さんとは、松山市の医療者ネットワークを通じてのご縁でした。クリニックのコンセプトを深く理解してくださり、理想を実現できました。
どんな人に来てもらいたいですか?
【里紗副院長】「体調が優れないけれど、どこに相談したらいいのかわからない……」。そう感じた時に、ふと思い出してもらえる場所でありたいと思っています。例えば、おしっこの悩みや男性更年期の不調、「貧血気味」といった体のサイン、原因不明の微熱や倦怠感など、明確な診断がつかないような症状でも構いません。
【真次朗院長】血液内科や泌尿器科にかかるべきか迷う段階であっても、まずは話を聞かせてほしいですね。そんな姿勢で診療にあたっています。ちょっとした不安でも受診していただければ、安心につながりますし、必要な場合は迅速に検査や治療に進められる体制を整えています。地域に住む方々にとって、体調の変化に気づいた時、最初に相談できる身近な存在になれればうれしいです。
診療時に心がけていることを教えてください。

【真次朗院長】お一人お一人の生活背景まで含めて理解するよう努めています。「どこが悪いかわからないけれど、なんとなく違和感がある」といった小さな不安にも、じっくり耳を傾けています。診療時間を調整しやすいように、泌尿器科は予約制、内科は順番待ち制を導入し、患者さんが無理なく受診できる仕組みを整えました。
【里紗副院長】また、検査結果が当日中にわかる血液検査装置などもそろえ、受診から結果説明、そして次の一手までをスムーズに行えるよう工夫しています。説明では「優しく、丁寧に、わかりやすく」を常に意識し、不安を安心に変えられる時間にしたいと思っています。患者さんとともに治療方針を考える「対話型の医療」を大切にしています。
専門性を生かし、多角的に診る医療を
医師をめざしたきっかけは何だったのでしょうか?

【真次朗院長】僕は、医師や歯科医師が多い家庭で育ったことが大きかったですね。最初はパン屋さんやサッカー選手になりたいと夢見る少年でしたが、最終的には尊敬する泌尿器科の先輩との出会いを通じて、自身の専門性を決めました。
【里紗副院長】私は、父が地域に根差した開業医であったことから、自然と医療に関心を持ちました。大学時代に血液内科の奥深さに惹かれ、診断から長期にわたって患者さんと関われる点に魅力を感じました。二人に共通しているのは、「人の人生に関わる責任ある仕事を、自分のスタイルで丁寧に続けたい」ということですね。
それぞれ、ご専門を選んだ理由を教えてください。
【真次朗院長】泌尿器科を選んだのは、体の中でも生活の質に直結する重要な領域であること、そして年齢を重ねるとともに増える症状に柔軟に対応できることに魅力に感じたからです。特に男性更年期や排尿障害、ブライダルチェックなど、男性特有の問題を丁寧に診ることができるのが強みです。
【里紗副院長】血液内科は白血病やリンパ腫といった血液がんから、原因不明の貧血、微熱などまで、幅広く診られる点が特徴の診療科でもあります。今後はがん治療中の患者さんにとって、ちょっとした体調変化でも安心して相談できる場所づくりも進めていきたいです。もちろん、一般内科として地域の皆さんの健康維持にも努めたいと思っています。夫婦それぞれの専門性が重なり合うことで、多角的に患者さんを支える医療を提供していきます。
印象的だった患者さんとのやりとりは?

【真次朗院長】開院して間もないながらも、「泌尿器科がこの場所にできて本当に良かった」といったお声を多数いただいていることが印象的ですね。この辺りの地域では泌尿器科が少なく、これまで遠方の医療機関で診てもらっていた方が、当院の存在を喜んで訪れてくださっているそうです。
【里紗副院長】また、健康診断でたまたま異常が見つかった方が来院してくださったケースもありました。ちょっとした体調変化に対しても、「気軽に相談できる場所があって安心した」と感じていただけるよう努めてまいります。そうしたご相談から大きな病気が見つかり、早期治療につなげられる可能性がありますからね。それがきっと、これから何よりのやりがいになると思います。症状の大小に関わらず、いつでも立ち寄れる場所でありたいと思っています。
ふらっと立ち寄れるクリニックをめざして
どういったときにこちらを受診すれば良いでしょうか?

【真次朗院長】排尿の回数が増えた、夜中に何度もトイレに起きる、残尿感があるといった症状は、泌尿器科を受診する大きなサインです。また、全身倦怠感や微熱、貧血などの「なんとなく体がだるい」症状も、血液内科や一般内科で対応可能です。
【里紗副院長】患者さんの中には「こんなことで病院に行ってもいいのかな」と迷う方も多いと思います。当院はそうした迷うような段階からのご相談も歓迎しています。早めに相談することで、深刻な症状を未然に防ぐことも期待できますし、安心を得るだけでも十分に意味があります。ちょっとした不調も気軽に相談していただきたいと考えています。
診療スタンスで大切にしていることは?
【里紗副院長】一方的に「こうしてくださいね」と押しつけるのではなく、患者さんの生活背景や価値観に寄り添いながら、治療方針を一緒に考えるスタンスを大切にしています。お仕事やご家族の状況によって、治療に対する優先順位も変わってくるものですからね。
【真次朗院長】そのため、生活スタイルに合わせて実行可能な治療計画を立て、「こうしたら続けやすい」「ここは変えられそう」など、対話を通じて柔軟に支援しています。お酒の習慣や運動不足といった生活習慣に関するアドバイスも、頭ごなしに否定するのではなく、小さな一歩を一緒に探していくことを大切にしています。
読者へのメッセージをお願いします。

【真次朗院長】私たちのクリニックは、症状の軽重に関わらず、気軽に立ち寄っていただける場所でありたいと考えています。泌尿器科に対してはまだまだ障壁が高いイメージもありますが、「こんなことで相談していいのかな」と思うような内容でも、気兼ねなくいらしてください。建物や空間にリラックスできる工夫を施していますので、「ちょっとおしゃれなカフェに行く」ような感覚で、受診していただけたらうれしいです。
【里紗副院長】女性にとっても、血液内科というとハードルが高く感じられるかもしれませんが、貧血や倦怠感、微熱などは意外と身近な症状です。「よくあること」だと放っておかずに、一度声をかけてみてください。検査で何もなければ安心できますし、必要であればその場で治療方針を立てることもできます。体や心の変化に気づいたとき、「ここなら話せる」と思っていただける場所をめざして、これからも診療を続けていきます。