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慢性腎臓病の進行抑制は
専門家のもとで早期から対策を

うえだ内科クリニック

(堺市堺区/七道駅)

最終更新日:2025/07/14

うえだ内科クリニック 慢性腎臓病の進行抑制は 専門家のもとで早期から対策を うえだ内科クリニック 慢性腎臓病の進行抑制は 専門家のもとで早期から対策を
  • 保険診療

近年、耳にする機会が増えた「慢性腎臓病(CKD)」。腎臓のろ過機能が低下し、尿に異常が見られる状態が3ヵ月以上続く病気のことだ。日本では1300万人以上、成人の約8人に1人が罹患している、「新たな国民病」ともいわれている。進行すると人工透析が必要になることもあるため、「生涯にわたって透析を回避するには、早期に発見し、適切な治療を行うことが重要です」と、「うえだ内科クリニック」院長の上田仁康先生は語る。今回は、日本腎臓学会腎臓専門医としての専門知識をもとに診療を提供する上田院長に、慢性腎臓病の早期発見と早期治療の重要性について詳しく聞いた。

(取材日2025年6月30日)

慢性腎臓病の抑制には早期発見が鍵となる。腎疾患の専門家による長期的サポートで健康長寿をめざす

Q慢性腎臓病とはどのような病気ですか?
A
うえだ内科クリニック 穏やかな表情で治療の説明を行う上田院長

▲穏やかな表情で治療の説明を行う上田院長

慢性腎臓病は、腎臓のろ過機能が低下し、タンパク尿が出るといった尿異常が3ヵ月以上続く状態を指します。以前は「慢性腎不全」という言葉をよく耳にしたと思いますが、現在は腎臓の機能が低下した「腎不全」に至る前段階からの早期発見と治療介入が重要とされ、啓発のために「慢性腎臓病」という新たな病気が提唱され、予防が呼びかけられています。腎機能は加齢に伴って低下するので、慢性腎臓病は誰でもかかる可能性のある病気ではありますが、日本は特に高齢化が著しく、年々患者数は増え続けています。腎機能の程度によりステージ1~5に分類され、ステージ5は末期腎不全に近い状態を指します。

Q初期の段階ではどのような症状が見られるのでしょうか?
A
うえだ内科クリニック 定期的に健康診断を受けることが早期発見の鍵となる

▲定期的に健康診断を受けることが早期発見の鍵となる

慢性腎臓病の症状としては足のむくみや夜間頻尿、全身のだるさ、尿量の減少、食欲不振、貧血、皮膚のかゆみ、不眠などが現れることがあります。しかしこうした症状はかなり進行してから見られることが多く、初期にはほとんど症状がありません。また心不全や肝臓病など他の疾患の症状とも似ているため見逃されやすいのが特徴です。では、どうやって見つけるかというと、定期的に健康診断を受けることが早期発見の鍵となります。腎機能は加齢とともにある程度は低下しますが、それだけで透析が必要になるわけではありません。問題は腎機能の低下が進行性かどうか見極めること。尿検査や血液検査の数値のわずかな変化にも注意を払うことが大切です。

Q健康診断の結果で、特に注意すべき項目はどれですか?
A
うえだ内科クリニック 血液検査と尿検査の結果に異常が見られた場合は早期受診を

▲血液検査と尿検査の結果に異常が見られた場合は早期受診を

注目してほしいのは「血清クレアチニン値」と「推算糸球体ろ過量(eGFR)」、そして「尿タンパク」の3つです。血清クレアチニン値は血液検査で測定され、腎機能の指標となります。eGFRは血清クレアチニン値などから計算される値で、腎臓のろ過機能を表します。一般的に、eGFRが60未満になると腎機能の低下が疑われ、慢性腎臓病と診断される可能性があるため、一つの目安になります。また、尿タンパクは腎臓の異常を示す重要なサインです。血液検査と尿検査の両方を受けておけば、慢性腎臓病の診断に必要な情報はほぼ得られます。これらの項目に異常が見られた場合は、早めに専門とするクリニックを受診しましょう。

Q糖尿病や高血圧と慢性腎臓病はどう関係しているのでしょうか?
A
うえだ内科クリニック 生活習慣の改善はもちろん、早期に適切な治療を受けることも重要

▲生活習慣の改善はもちろん、早期に適切な治療を受けることも重要

糖尿病や高血圧は、慢性腎臓病の主要な原因とされており、実際に慢性腎臓病の患者の半数以上がどちらか、あるいは両方を抱えているといわれています。これらの疾患があると腎臓に負担がかかり、血糖や血圧のコントロールが不十分となって、腎機能は徐々に低下し、最終的には末期腎不全に至ることもあります。そこまで進行してしまうと、腎移植や人工透析といった腎代替療法が必要になるケースもあります。慢性腎臓病には特効薬はありませんが、近年は糖尿病や高血圧の薬の中にも腎臓を保護する目的で作られたものが登場しており、進行を抑制するためには、生活習慣の改善に加えて早期から適切な治療に取り組むことが有用とされています。

Q日常生活で気をつけるべきポイントはありますか?
A
うえだ内科クリニック 慢性腎臓病の予防について詳しく説明している上田院長

▲慢性腎臓病の予防について詳しく説明している上田院長

慢性腎臓病は生活習慣病と関係するため、予防には生活習慣の見直しが重要です。特に食事面では、高血圧や腎機能の悪化を防ぐために減塩を心がけましょう。また症状や検査結果によってはタンパク質の摂取制限も必要になります。とはいえ、自分にとってどの程度が適量か、取りすぎていないかは判断が難しいものだと思います。これらは定量的に評価できる検査もありますので、専門のクリニックでしっかりとサポートしてもらうと良いですね。自分の摂取量を把握することで生活改善への意識がさらに高まると思います。ほかに、適度な運動やストレスをため込まないような生活も大切です。日常的にこうした点を意識して、慢性腎臓病を防いでほしいです。

ドクターからのメッセージ

上田 仁康院長

慢性腎臓病は自覚症状がほぼないまま進行することが多いため、健康診断で気になる数値があれば、早めに腎臓専門医に相談することが大切です。血液検査や尿検査、エコー検査も当日中に行えることが多く、気軽に受診していただけます。また腎臓の機能を守るには、糖尿病や高血圧のコントロールが重要です。慢性腎臓病や生活習慣病は長く付き合っていく病気です。だからこそ、信頼できる医師やクリニックを見つけることが、安心して日常を送る上での大きな支えになります。当院では、患者さん一人ひとりに寄り添った「患者さん中心の医療」を大切にしています。不安なことがあれば、いつでもご相談ください。

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