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上田 仁康 院長の独自取材記事

うえだ内科クリニック

(堺市堺区/七道駅)

最終更新日:2025/07/14

上田仁康院長 うえだ内科クリニック main

南海本線・七道駅より徒歩1分。2025年6月に開業した「うえだ内科クリニック」は、クリニックではあまり多くないという腎疾患に対応するクリニックだ。院長を務める上田仁康先生は、腎臓内科の医師として研鑽を積んだ後、慢性腎臓病などに悩む人に寄り添った診療をしたいと同院を開いた。「クリニックは何かしらのお悩みがあってくる場所。少しでも明るい気分になれば」と、上田院長が開業に選んだクリニックは大きな窓が特徴で、そこから桜の大木が見える。「春になったら、皆さんに喜んでもらえそう」と優しい笑顔で語る上田院長に、開業の経緯や診療の特徴など話を聞いた。

(取材日2025年6月30日)

医療の地域格差をなくすべく、クリニックをオープン

まずは開業に至るまでの経緯からお聞かせください。

上田仁康院長 うえだ内科クリニック1

私は大学卒業後、腎疾患を専門に研鑽を積んできました。腎臓の病気はかかる人が多いものの、早期から適切に対処すれば、透析や腎移植をせずに生活できることも少なくありません。しかし、これまで勤務していた大きな病院では、腎機能がかなり低下してから来院される患者さんが多く、「もっと早く治療を始めていれば……」と感じる場面がたびたびありました。そうした経験を重ねるうちに、「もっと身近な場所で患者さんを支えていきたい」という思いが強くなり、開業に至ったのです。腎疾患の多くは生活習慣病と深く関わっています。ですので、一般内科の診療にも力を入れてきました。今後は腎疾患に限らず、内科全般を総合的に診るクリニックとして、地域の皆さまのお役に立てるよう努めていきたいと思っています。

こちらの場所に開業されたのはなぜですか?

そもそも腎臓内科の医師は全国的に少ないといわれています。その理由として腎疾患治療は生活習慣の改善が必要であったり、地道な管理が求められること。また、腎機能が悪い場合、薬の選択に慎重になる必要があるため、治療アプローチが困難であることなどが挙げられます。また、腎臓内科を標榜するクリニックがあったとしても、都心部に集中していることがほとんどです。一方で、腎臓に不安を抱える方は非常に多くいらっしゃいます。私は開業前、大阪急性期・総合医療センターに勤務していましたが、当時からこの周辺地域の腎臓病患者さんが多く来られていました。中には「近くに腎臓を診てもらえるクリニックがなかった」「どこを受診すればいいかわからなかった」とおっしゃる方も少なくはなく、この場所での開業を決めました。

総合病院の腎臓内科や海外でも研鑽を積まれたそうですね。

上田仁康院長 うえだ内科クリニック2

大学卒業後は、大阪厚生年金病院(現・JCHO大阪病院)や関西労災病院の腎臓内科で、経験を積んできました。腎疾患は進行性で特効薬がなく、より深く病気のメカニズムや原因を理解したいという思いから、大学院に進学しました。大学院では「腎臓と免疫」をテーマに、大阪大学の腸管免疫の研究室で基礎から学び直しました。その後、さらに研究を深めるためにアメリカのペンシルベニア大学に留学し、免疫の知識や実験手法を生かして腎臓病の研究に取り組みました。帰国後は、大阪急性期・総合医療センターで腎臓・高血圧内科の主任部長として勤務し、多くの患者さんの診療にあたってきました。こういった臨床・研究の両面での経験が、今回のクリニック開業にあたっての自信と支えになっています。

患者一人ひとりに合ったオーダーメイド治療を提案

クリニックのコンセプトについて聞かせてください。

上田仁康院長 うえだ内科クリニック3

まずは腎臓の専門家として慢性腎臓病をはじめとする腎疾患をきちんと診ていくことです。また、私はこれまで一般内科も長く診てきましたので、高血圧や糖尿病、脂質異常症、高尿酸血症といった生活習慣病はもちろん、風邪や腹痛など、いわゆるかかりつけ医的な役割も担っていきたいと思っています。院内には、発熱患者さん専用の診察室も用意し、一般患者さんと接触することなく診察できるようにしています。また睡眠時無呼吸症候群治療、男性更年期の相談も受けつけています。「なんとなく調子が悪い」といった時には、気軽にご相談いただければと思います。大阪急性期・総合医療センターなど近隣医療機関との連携も図っていますので、専門的な治療や入院が必要な場合は、適切な医療機関をご紹介できますし、逆に地域の病院からご紹介いただいて診療を継続することも可能です。

腎疾患を診てもらう場合、一般内科と腎臓を専門とするクリニックの違いは何ですか?

一番の違いは、「腎臓が悪くなった原因をどこまで深く追究するか」という点だと思います。なぜ腎機能が悪くなったのかをできる限り細かく調べることで、その後の投薬の内容、生活習慣や食事への指導といった治療方針が変わってきます。また腎疾患は全身との関わりを見ながら調整していくことが重要です。合併症の有無によっても薬の選び方や管理方法を個別に選択する必要があります。特効薬がないといわれる腎疾患ですが、細かく追求して原因にアプローチすることで、治療予後が期待できるようになったといわれています。特に当院では尿検査や血液検査の結果を重視して、個別にきちんと薬を選び、患者さん一人ひとりに合わせたオーダーメイドの治療を心がけています。

生活習慣の改善に関しては、苦手意識がある人もいらっしゃるのではないでしょうか?

上田仁康院長 うえだ内科クリニック4

そうですね。ですので、当院では「こういうふうにしてみたらどうですかね?」と、できる範囲を一緒に考えていくスタンスで診療しています。食事のことやアルコール、喫煙などについて、頭ごなしに「やめなさい」ということはありません。また患者さんの年齢や状況によって指導の内容や強さも変えています。例えば若い方の場合は、将来どうなりたいかを一緒に考えながらしっかりとした指導をしていきます。一方で高齢の方で進行がゆっくりなケースでは、無理に厳しい制限はかけません。頑張りすぎて逆に栄養が足りなくなったり、体が弱ったりしてはいけませんので。必要な人にはきちんと、でも必要以上には無理をさせないように心がけています。

地域のかかりつけ医として、相談しやすい存在をめざす

患者さんと接するときに大事にしていることは何ですか?

上田仁康院長 うえだ内科クリニック5

患者さんに「いかに安心して帰ってもらえるか」が大切だと思っています。やっぱり皆さんは何かしらの不安や心配があって来院されるので、それがさらに大きくなって帰ってしまうことのないようにしたいと思っております。少しでも気持ちが軽くなったり、不安が和らいだりして、「来て良かったな」と思っていただけるように心がけています。そのためにも、できるだけ話しやすい雰囲気づくりを意識しています。プライベートなことも気軽に話してもらえる、そういう関係が築けたら理想的ですね。ですので、普段の様子や趣味の話など診療と関係のないお話もして、気分良く帰ってもらえることを大事にしたいと思っています。

患者さんとの信頼関係を大切にしているのですね。

慢性腎臓病は長く付き合っていく病気なので、患者さんとは「継続して向き合える関係」をつくっていきたいですね。目標としては、腎機能の進行を抑えて、その人が透析にならずに済むこと。5年、10年といったスパンで、今の状態を維持するために、どういう薬や食事管理が必要かを一緒に考えていきます。また、前向きに治療に取り組んでもらえるように丁寧に説明するようにしています。透析になるかどうかというのは、多くの患者さんが一番気にされているところです。だからこそ、前向きに伝えることで、モチベーションにつながればいいなと思っています。

最後に、読者へメッセージをお願いします。

上田仁康院長 うえだ内科クリニック6

風邪や生活習慣病など、一般的な内科疾患を幅広く診て、地域の「かかりつけ医」として、身近に感じてもらえる存在になっていきたいと思っています。その中で自分の専門である腎疾患になるべく早い段階から関わらせていただき、地域の皆さんが将来的に透析にならないようにサポートしていきたいと考えています。さらに、今後は訪問診療にも取り組んでいけたらと思います。私自身も以前の勤務先で、退院後に家で過ごすのが難しい患者さんが多い現実を見てきました。腎臓病を持っている方は、腹膜透析など専門的なサポートが必要になることもあるので、そうした方々のためにも、訪問で継続的に診ていける体制を整えていきたいですね。将来的には、通院から在宅まで、切れ目なく関われるような医療をめざし、地域の皆さんの健康寿命延伸を支えていきたいと思います。

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