水間 紘子 院長、水間 啓太 先生の独自取材記事
用賀砧公園はるかぜ呼吸器・内科クリニック
(世田谷区/用賀駅)
最終更新日:2025/09/10
用賀駅から徒歩8分の住宅街に2025年6月に開院した「用賀砧公園はるかぜ呼吸器・内科クリニック」。呼吸器内科・アレルギー科を専門とする水間紘子院長と、脳神経内科を専門とする水間啓太先生が、各領域の一般的な疾患から高い専門性を要する病気まで幅広く対応している。患者が安心して本音を話せる雰囲気を大切にし、こまやかな観察やわかりやすい説明を心がける姿勢が印象的だ。地域に根差しながら、専門性を生かして協力し合う2人に、同院の取り組みについて話を聞いた。
(取材日2025年8月8日)
「はるかぜ」のように温かな想いが詰まったクリニック
開業に至った理由をお聞かせください。

【紘子院長】もともと大学病院に勤務していたのですが、3人の子の妊娠出産・育児もあって、近年はクリニックでの外来や訪問診療などに携わる機会が多くなっていました。働く環境に変化があったことで、大学病院よりもアクセスしやすい地域のクリニックで、より専門性の高い診療・検査ができることの重要性を強く感じていたんです。そんな中、後継者を探していた「用賀アレルギークリニック」の永倉俊和先生とのご縁があり、継承させていただくことに。施設の一部をリニューアルし、2025年6月に「用賀砧公園はるかぜ呼吸器・内科クリニック」として開業しました。温かで癒やされる空間をイメージした院名「はるかぜ」は長女が発案し家族会議で決めたもの、風が吹き抜ける優しいロゴはデザイナーであるママ友に頼んで描いてもらったもの。みんなの想いがたくさん詰まったクリニックです。
現在の診療体制を教えてください。
【啓太先生】小児にも対応していた前医院とは異なり、当院は15歳以上が対象です。月・火・木・金曜日は呼吸器内科・アレルギー科が専門の紘子院長が担当し、脳神経内科が専門の私は現在も大学病院に勤めながら、週1回・水曜日のみ当院で外来を担当しています。現在は予約優先制としており、予約なしで直接来院される場合は待ち時間が発生することもあるかもしれません。また時間内はオンライン診療にも対応しているため、お忙しい方や感染症が気になる方、病状が安定していて薬を受け取るだけという方はぜひご活用ください。また2人とも専門分野に関する知識に加え、日本内科学会総合内科専門医も有しているため「受診すべき診療科がわからない」などありましたらご相談いただけたらうれしいですね。
お互いの長所はどんなところですか。

【紘子院長】啓太先生は患者さんに対して熱心で、患者さんに寄り添う姿勢、スタッフから深く信頼されている面を特に尊敬しています。脳卒中などを中心に高度医療に従事していている彼の高い専門性にはいつも感服しています。
【啓太先生】紘子院長は子育てをしながら、医師として仕事を両立し、さらにクリニックの立ち上げに尽力してきました。その行動力と熱意、多忙な中でも診療の場面では常に優しく丁寧であるところに頭が下がります。専門医療を突き詰めたいと仕事に没頭してきた私を支えてきてくれたことにとても感謝していますし、これからは紘子院長がやりたいことができる環境を一緒につくり上げたい、そう考えています。
呼吸器・アレルギーと脳神経、専門性の高い医療を提供
呼吸器内科・アレルギー科の診療について教えてください。

【紘子院長】私が特に強みとしているのがアレルギー症状のある呼吸器疾患のため、喘息を中心に長引く咳の患者さんが圧倒的に多いのが特徴です。まれに肺炎やCOPD、間質性肺炎といった病気の方もいらっしゃいますが、肺がんなどは手術や化学療法などによる治療が必要なため、大規模病院にご紹介しています。この他当院でできる呼吸器内科・アレルギー科の検査は、スパイロメトリーや呼吸抵抗などの呼吸機能検査、呼気NO検査、胸部レントゲンなどを導入し、血液検査など一部を除いて即日結果報告可能です。CTやMRIは当院から徒歩10分程度の場所にある連携施設と密に連携しており、当日を含む迅速な検査予約と結果説明を行っています。
脳神経内科の診療はいかがですか。
【啓太先生】脳卒中の予防と再発防止に力を入れており、生活習慣病を持つ方や、脳卒中を発症した後の患者さんが主な対象です。血管の問題を指摘され、長期的に経過観察が必要となる方に対しても頸動脈や脳の血管の評価を継続的に実施しており、再発リスクを減らし、生活習慣病の管理強化につなげています。この他一般神経内科として頭痛、物忘れ、てんかん、パーキンソン病など、日常的な症状から専門的な診断が必要となる神経疾患まで幅広い患者層を受け入れ、物忘れなどは必要に応じて専門医療機関へ紹介し、その後のサポートにも継続的に関わっています。当院で可能な検査は、エコーを用いた血管の評価、タブレットを利用した新しい認知機能検査、心理検査、HbA1cの即日検査など。脳神経超音波検査では原因のわからない脳梗塞の診断見直しなどにも対応しています。またCTやMRIは呼吸器内科・アレルギー科同様に連携施設で実施しています。
患者さんに接する際に心がけていることはありますか?
【紘子院長】患者さんは体の不調を抱え、つらい状態でご来院いただいています。そんなときに「こんなこと言っていいのかな」「言いたいことがあったのに言えなかった」と患者さんが遠慮することがないよう、安心感のある優しい空間でお迎えできるよう努め、時間がある限りじっくりお話を聞く姿勢を心がけてきました。そして、重大な病気の危険な兆候や症状を見逃さないように、常に意識を高めて患者さんに接しています。説明の際には、自作の資料を活用して視覚的なわかりやすさを大切にしている他、各種検査結果をカラー印刷して渡すなど目に見える形で伝える工夫をしています。
啓太先生はいかがですか。

【啓太先生】悩みやつらさを抱えていても、さまざまな面で医療機関を受診するというのはハードルが高いもの。それでも暑い中や、大雨の中でも来てくださる患者さんがいらっしゃる意味をしっかりと受け止め、ただ診察を終わらせるのではなく、その背景まで丸ごと診られるよう努めています。また診察室に入る前からの動きや表情、手足の先の動きなど細かいところを観察し、重大な傾向を見逃すことがないように注意していますね。説明の際は、必要なことははっきりと伝える一方で、不安が強い方には前向きに受け止められるように説明や声のトーンを変えるなど、患者さんに合わせた対応を大事にしています。
みんなが安心できる場所に。医療を通じて恩返しを
地域にとってどのような医院になりたいと考えていらっしゃいますか。

【啓太先生】地域の方々にとって「呼吸器といえばここ」「頭に関することはここで相談」と気軽にご来院いただけるクリニックをめざしています。院内では患者さんが緊張せず、安らげる場所を提供したいと考えおり、1階には「出張本屋さん」を設置しています。これは待ち時間にリラックスして過ごしてほしいとの思いから。定期的に変わる本を楽しみにご来院いただけたらうれしいですね。実はこのエリアは私の地元で、幼い頃からなじみがある場所。現在進行形でお世話になっている地域に、今度は医療を通じて少しでも恩返しし、貢献できればと考えています。
今後の展望を教えてください。
【紘子院長】まずは神経内科と呼吸器内科、2つの科の診療をやっていくのが第一の目標です。将来的には循環器や消化器などを専門とする医師にもご協力いただき、いろんな病院を回らなくても済むように、1つのクリニックで幅広く診られるようにしたいと思っています。そして当院が、出産・子育てで大学病院を離れたけれど専門医資格を持っている女性医師が活躍できる場となれればベストですね。患者さんにとって便利で、医師にとって良い形で成長できるクリニックにしていくのが大きな夢です。
最後に、地域の方にメッセージをお願いします。

【紘子院長】つらいときに少しでも安心して受診できるような環境づくりを心がけています。何かあれば気軽に行けるクリニックをめざして頑張っていきます。どんなことでも気軽にご相談ください。

