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一城 千都絵 院長の独自取材記事

Smile中井小児科・アレルギー科

(新宿区/中井駅)

最終更新日:2025/08/22

一城千都絵院長 Smile中井小児科・アレルギー科 main

中井駅からすぐの真新しい医療モールの中にある「Smile中井小児科・アレルギー科」。包み込むような笑顔の一城千都絵院長と、明るいスタッフたちが迎えてくれるクリニックだ。大きな本棚には子どものための名作が並び、絵本選びに悩む親にも参考になるだろう。大学病院で小児外科チームの一員として長年にわたり研鑽を積んできた一城院長は、常に子どもの命と真摯に向き合ってきた。それはプライマリケアの前線でさまざまな疾患に幅広く対応する今も変わらない。「町の保健室」として適切な案内をしていきたいと熱い思いを持つ。子どもには心からの愛で接し、親には「育児のパートナー」として寄り添う。児童館のようにふと立ち寄りたくなる空間で、一城院長に診療にかける思いなどを詳しく聞いた。

(取材日2025年7月29日)

子育て経験も生かし「育児のパートナー」として開業

慶應義塾大学経済学部に進まれた後に医学の道を歩まれたのですね。

一城千都絵院長 Smile中井小児科・アレルギー科1

医師というのは学んできたことを誰かのためにストレートに生かせる仕事なのだなと魅力を感じました。学位論文を書きながら受験勉強にも取り組み、杏林大学医学部に入学。高校時代に1年間オーストラリアに留学していたのですが、多国籍の優しい同級生に恵まれて楽しく過ごすことができました。卒業後はスーパーローテート制を導入していた国立国際医療研究センターで初期研修を受けました。最終的に小児科を選んだのは、がんのお子さんとの出会いからです。どう言葉をかけたらいいのかまったくわからず……。小児についてより深く学ぶのはもちろん、人生経験も必要だと痛感しました。

小児外科から本格的にキャリアをスタートしたのはなぜですか?

小児のすべてを理解したかったので、できるだけ体力のあるうちが良いと考え小児外科から始めました。「断らない小児外科」として山高篤行先生が難症例を執刀していた順天堂大学小児外科・小児泌尿生殖器外科に入局。数多くの手術を経験しつつ、同大学院で生まれつき肛門が閉じているお子さんに対する開腹手術と腹腔鏡手術の比較をテーマに博士号も取得させていただきました。東京大学医学部附属病院小児外科で時短勤務制度が開始され、そちらでお世話になることで、出産などを経験しながら岩中督先生や藤代準先生のもと日本小児外科学会小児外科専門医を取得させていただきました。その後、複数の小児科・耳鼻咽喉科・アレルギー科のクリニックで経験を積み2025年6月に開業しました。

なぜ中井で開業したのでしょうか。

中井は小さな頃から過ごしてきた大切な町だからです。近隣に小児科をメインにしているクリニックが不足していたのも理由の一つで、当院のスタッフの子どもたちもこれまでは内科の先生方にとてもお世話になってきました。今後は当院も力を合わせて、地域の子どもたちの健康を見守っていけたらと思います。

子ども連れ歓迎のカフェのようなすてきな雰囲気ですね。

一城千都絵院長 Smile中井小児科・アレルギー科2

まず、子どもたちに「ここは楽しい所」と伝えるために、小さな仕掛けをたくさん取り入れています。待合室にもミラー、ガラガラ回すおもちゃ、水槽など子どもが好きなものをさりげなく配置しました。絵本は子どものためになるものを厳選していますが、読み聞かせだけではなく親御さんご自身が楽しんでいるのを見ると、うれしいです。BGMはヒーリングミュージックにして大人もリラックスして過ごせる空間にしたいと思っています。「育児のパートナー」としてお役に立てれば幸いです。

あらゆる悩みに耳を傾け「町の保健室」として水先案内

こちらではどのような診療を受けられますか?

一城千都絵院長 Smile中井小児科・アレルギー科3

赤ちゃんから10代のお子さんまでを中心に「子どもの総合クリニック」として小児科全般の診療を行っています。特に乳幼児期は免疫機能が未熟なため体調を崩しやすいにもかかわらず、本人がうまく言語化できないので病気の発見が遅れがちです。「いつもと様子が違う」と感じたときは、遠慮せずにご相談ください。親御さんはさまざまな心配を抱えていらっしゃいますが、診察してみると特に問題はなく、「大丈夫ですよ」と伝えることも少なくありません。一方、必要があればすぐに紹介できるように近隣のクリニックや大学病院などと密に連携しています。「何科にかかったらいいのかわからない」というときも、適切に水先案内できる「町の保健室」をめざしています。

アレルギーの相談もできるのですね。

小児外科からアレルギーまで幅広く診ていこうと決めた時に、笹本明義先生に非常にお世話になりました。地域にはアレルギーでお困りの方も多いので、しっかりと診ていきたいと思っています。中でもアレルギーの大半を占めるスギ、ダニに関しては保険適用で舌下免疫療法も可能です。舌下免疫療法を3年以上続ければ、高い確率で5年から10年ほど症状を抑えることが期待できるといわれています。舌下免疫療法は5歳から始められますが、例えば中学受験時に症状が出ないように目標を定めて、計画的に治療をすることもできます。また、スギ、ダニ以外の複数のアレルギーを持っている場合も、舌下免疫療法によって全体的な症状の抑制が見込めるとの報告もあります。舌下免疫療法をはじめとするアレルギー診療は、年齢を問わずに対応しているので、親御さんはもちろんどなたでもご相談ください。

子どもの心も見守っていきたいとお考えだとか。

一城千都絵院長 Smile中井小児科・アレルギー科4

お子さんの心も診ていくために、講習会などにも参加して勉強を続けているところです。思春期はもちろん、幼稚園や保育園に通っているような小さなお子さんでも心の問題は起こり得ます。そんなときはまず「子どもを安心させて包み込む」のが大事なのですが、大人もいろいろと忙しいのでつい忘れがちですよね。私も一人の母親として実感しています。だからこそ、親御さんに日々のライフスタイルを伺いながら、どうお子さんと接していくべきか一緒に考えていきたいです。必要に応じてより専門的な治療が受けられる医療機関も紹介しているので、発達障害が心配な方なども一度お話を聞かせてください。悩みを抱えながらも立ち止まったままの状態から、一歩先へ踏み出すお手伝いをさせていただければと思っています。

ありのままの子どもを受け止め、生きる力を支えたい

診療にあたって何を大切にしていますか?

一城千都絵院長 Smile中井小児科・アレルギー科5

目の前にいる方のお話にきちんと耳を傾け、丁寧に診察することです。親御さんの中には強い不安を抱え、あれもこれも伝えたいという方もいますが、途中でさえぎることはありません。「この方は話したいことがあるのだな」と感じると、必ず耳を傾けたいと思っています。また、大人同士の会話だけで良しとせず、お子さんに対しても「ここ痛い?」「ちょっと触らせてもらってもいい?」と問診することも大切にしています。親御さんと私が話している間、スタッフがお子さんと遊んでくれるので、すっかりご機嫌になって答えてくれることも。子どもを心から愛しているスタッフたちのおかげで、院内はいつも温かな雰囲気に包まれているのはありがたいです。

今後の展望についてお聞かせください。

今、受付デスクの下には息子が小学生の時に作った恐竜の折り紙を飾っているのですが、いずれは子どもたちの作品を飾るスペースにしたいと考えています。子どもたちの自己肯定感を少しでも高めるきかっけになりそうなら、どんなに小さなことでも取り入れていきたいです。自己肯定感は生きる力。生きたくても生きられなかったあのがんのお子さんに、今ならどう話しかけるか時々考えることがあります。あれからさまざまな経験を重ねましたが、まだ気の利いたことは言えないかもしれません。でも、できることなら隣に横になって、同じ目線で世界を共有したい。そして、その子のすべてを肯定したいと思います。これからも、どの子に対してもそのような気持ちで接していきたいです。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

一城千都絵院長 Smile中井小児科・アレルギー科6

中井も私が子どもの頃とはずいぶん変わってとても多国籍な場所になり、当院も英語での診療にも対応しています。子どもたちには「どの国の子もみんな同じだよ」と伝えていきたいです。私自身、留学先のオーストラリアでは人種差別も受けましたが、財産ともいえる多様な人々との出会いもありました。その時の経験があるからこそ「世界中の子どもたちが笑顔で暮らせる社会づくり」をミッションと考えています。ロゴマークでは多様性のシンボルである虹を背景に、うさぎ、カメ、ヒトが笑い合っている世界を描きました。それぞれが違う個性を発揮して競争しながらも、最後は仲良し。そんな未来に向けて、心身の健康をサポートしていけたらと思っています。

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