吉沢 亮平 院長の独自取材記事
U family clinic
(小平市/一橋学園駅)
最終更新日:2026/10/08
一橋学園駅から徒歩5分の住宅街に「U family clinic(ユーファミリークリニック)」はある。ブラウンを基調に間接照明がやわらかな光を落とす院内は、居心地の良い空間だ。吉沢亮平院長は、年齢や診療科を問わず幅広く診る家庭医療を専門とする医師。病気を治すことだけでなく生活背景や価値観にも目を向け、「家族や大切な人を想うように寄り添う医療」を信条に掲げる。中学から大学までをニュージーランドで過ごし、英語での診療にも対応。映画のモデルとなった医師のもとでボランティアに参加した経験が、その原点にあるという。温かく穏やかな語り口が印象的な吉沢院長に、家庭医療の実践や診療で大切にしていることについて話を聞いた。
(取材日2026年7月24日)
ある医師との出会いを原点に、笑顔の医療を志して
開業のきっかけをお聞かせください。

当院は、赤ちゃんからご高齢の方まで幅広い健康相談に対応する家庭医療のクリニックです。私はこれまで2つのクリニックで院長を務め、多くの患者さまやご家族と向き合ってきました。その中で、「もっと一人ひとりの人生に寄り添える医療を届けたい」という想いが強くなり、当院を開院しました。私が大切にしているのは、病気だけでなく、患者さまの生活や価値観、ご家族とのつながりまで含めて支え笑顔を届ける医療です。「ここに相談して良かった」と安心できる存在でありたいと考えています。クリニック名の「U」は「あなた」「あなたたち」、「Family」には「家族」や「大切な人たち」という意味を込めました。一橋学園の活気ある商店街や世代を超えてあいさつを交わす姿に魅力を感じ、この温かい街で寄り添う医療を築いていきたいと考えています。
医師を志されたきっかけを教えてください。
中学から大学までをニュージーランドで過ごす中で、医師を志す大きなきっかけとなったのが、ある映画のモデルとなった医師との出会いでした。その先生は、ピエロの姿で世界中の病院や孤児院を訪れ、多くの人に笑顔を届ける活動を続けています。私も先生とともに、ピエロ姿でグアテマラの孤児院を訪れたことがあります。その時、一人の子どもに寄り添い続けました。 心を閉ざしていたその子が、最後に最高の笑顔を見せてくれた時、気づきました。人の心を動かすのは、正しい言葉でも何かをしてもらった時でもない。「他の誰でもない『私』を見て、心から大切に想ってくれている」と感じた時なのだと。病気ではなく人を見る。その人の人生に向き合う。それが私の医療の原点です。
院内づくりで工夫された点は?

私自身、小さい頃は病院に対して「怖い」「緊張する」という印象を持っていました。だからこそ、「病院らしくないクリニック」をつくりたいと考えました。来院された方が「ここなら安心して相談できそう」と感じていただける空間をめざしています。院内は自然をイメージした温かみのあるデザインとし、待合室には季節の風景が映し出されるデジタルウインドーを設置しました。アロマの香りも取り入れ、リラックスできる空間にしています。また、バリアフリー設計や安全性に配慮したキッズスペースなど、幅広い年代の方が安心してお過ごしいただける環境を整えました。クリニックのロゴや院内のピクトグラムは、「家族や大切な人を想うように寄り添う医療」への想いを込め私自身がデザインしています。「身体も心も笑顔になれる場所」と感じていただけたらうれしいですね。
病気だけでなく「人」を見る、寄り添う家庭医療の形
どんなことでも相談できますか。

当院では、「何科を受診すればいいのだろう」「病院へ行くほどではないかもしれないけれど気になる」といった段階から気軽にご相談いただけます。家庭医療は日本ではまだあまり知られていませんが、欧米では地域医療の中心となる診療分野です。困ったことがあれば、まず最初に相談する「かかりつけ医」としての役割を担っています。当院では診断から治療まで一貫して行い、専門的な検査や治療が必要な場合は適切な医療機関へ速やかにご紹介します。また、複数の持病をお持ちの方もできるだけ1ヵ所で診療し、通院やお薬の負担軽減に努めています。家庭医療の魅力は、病気だけでなくその方の人生に長く寄り添えることです。年齢やライフステージが変わっても、いつでも気軽に相談できる存在であり続けたいです。
訪問診療ではどのようなことを大切にしていますか。
訪問診療で私が最も大切にしているのは「その方らしい人生を支えること」です。住み慣れたご自宅でご本人が望む暮らしをできる限り続けていただくために、治療だけでなく望む暮らしをご本人やご家族と一緒に考えます。そして、訪問診療は患者さまだけでなく、ご家族を支える医療でもあります。精神的な支えとなり、必要に応じて介護サービスなどもご提案しながら、ご家族にも安心していただける医療を心がけています。私は、訪問診療とは「人生に寄り添う医療」だと考えています。患者さまだけでなく、ご家族にも「先生に出会えて良かった」と思っていただけることが、私がめざす訪問診療です。
患者さんと接する際に心がけていることを教えてください。

患者さまの「声にならないメッセージ」を受け取ることです。例えば「体調どうですか」と尋ねると「問題ないです」と答える方でも、「最近お散歩に出かけていますか」と聞くと「膝が痛くて行けなくて」と初めてわかることがあります。膝の痛みを診ることも大切ですが、それ以上にお散歩ができなくなったことのほうがその方にとってはずっと切実で、また楽しめるようにするにはどうすればいいかを一緒に考えたいんです。そうした思いは検査結果だけでは見えてきません。何げない言葉や表情にも目を向けながら、その方がどう生きたいか、どんな生活を送りたいかも含めて一緒に方針を決めていく。それが本当の意味での寄り添う医療だと思っています。
何かあったらまず相談を。家族みんなの安心のために
この街で診療して感じることは?

開院してから、多くの地域の皆さまに支えていただいていることを日々実感し、家庭医療の役割を少しずつ知っていただけていることもうれしく感じています。家庭医療の特徴は、年齢や診療科にとらわれず、幅広い健康相談に対応できることです。複数の病院へ通院されている方も、できる限り一つのクリニックで診療することで、通院の負担やお薬の管理を総合的にサポートできます。また、駐車場を完備していることもあり、小平市をはじめ近隣地域からも多くの方にお越しいただいています。私は病気だけを診るのではなく、その方の人生に長く寄り添える医師でありたいと考えています。地域の皆さまにとって、「困ったらまず相談しよう」と思っていただける存在であり続けることが私の目標です。
今後、取り組んでいきたいことをお聞かせください。
病気を治療するだけではなく、受診自体が心の安らぎになるような存在になりたいです。そのためには、患者さまと丁寧に向き合うことはもちろん、地域全体の健康や幸せにも貢献していきたいです。 私には、一つ大切な夢があります。それは、目の前の人だけでなく、人種を越えて、本当に医療を必要とする人の支えになることです。いつか、 日本で暮らす海外難民の方々にも医療を届けられたらと思っています。制度などの壁によって、必要な医療にたどり着けず、不安を抱えている方が大勢います。そんな時、「ここなら大丈夫」と思ってもらえる場所でありたい。患者さま一人ひとりを大切にし、安心と笑顔の輪を広げていく。その想いを私一人のものではなく、クリニックの仲間全員で大切にし、その想いが人から人へと広がっていく。そんな医療を、届けていきたいと思っています。
読者へメッセージをお願いいたします。

当院がめざしているのは、「何かあったらまず相談しよう」と思っていただけるクリニックです。風邪や発熱、おなかの痛みなどはもちろん、健康診断のこと、お子さんの気になる症状、ご家族の介護に関するご相談、「何科を受診すればいいかわからない」といったお悩みまで、どんなことでも安心してご相談ください。病気を治療することは医療の大切な役割ですが、私たちがめざしているのは、その先にある「その方らしい人生」を支えることです。病気の時も、健康な時も、人生の節目を迎えた時も、家族や大切な人を想うように一人ひとりに心を込めて寄り添う。それが当院の変わらない想いです。皆さまやご家族、大切な方々がこれからも安心して笑顔で毎日を過ごせるよう、その歩みに寄り添い続けられるクリニックでありたいです。

