小林 大地 院長の独自取材記事
三好丘こば内科クリニック
(みよし市/三好ヶ丘駅)
最終更新日:2025/07/04

働き世代も通院しやすいようにと、日曜診療やオンライン診療を導入している「三好丘こば内科クリニック」。地元出身の小林大地院長が、生まれ育ったこの地域への恩返しの気持ちで2025年5月23日に開院した。小林院長は日本糖尿病学会糖尿病専門医の資格を保有し、内科全般の知識が深い。糖尿病など生活習慣病の他、甲状腺疾患、発熱などの風邪症状など、幅広い患者に対応している。「一人ひとりの患者さんと向き合うことを大切にしています」と語る小林院長に、開院の経緯やクリニックで受けられる治療、今後の展望など詳しく聞いた。
(取材日2025年6月17日)
恩返しの気持ちで地域医療に貢献
ご開院おめでとうございます。この地域は先生の地元だと伺いました。

ありがとうございます。この辺りはまさに私の地元で、当院のすぐ近くにある三好丘小学校に通っていました。名古屋市立大学薬学部卒業までこの地域で過ごしてきたので特別な愛着があり、いつかは地域に貢献したいという想いがありました。その後、医学部進学を機に滋賀県へ転居しましたが、地元への想いは変わりませんでしたね。滋賀県で医師として研鑽を積んでいたある日、以前この場所にあった内科クリニックが閉院されることを、偶然耳にしました。「内科医である自分がこの場所を引き継げたら、地元の役に立てるのではないか」と感じたのが、開院を決意したきっかけです。開院前に行った内覧会には多くの方が足を運んでくださり、皆さんの期待の大きさを実感しました。できるだけ多くの方の力になりたいという思いから、休診日は火曜日のみで、土日も午前中は診療を行っています。
日曜日も診療されているのですね。
はい。勤務医として病院で働いていた頃、必要な治療が途中で途切れてしまい、結果的に病状が悪化してしまうケースをたくさん見てきました。特に働き盛りの方はご自身のことを後回しにしてしまいがちです。一度通院を中断すると気持ちのハードルが上がって、なかなか再開できないという方も少なくありません。そうした治療の中断を少しでも防げるように、日曜日も診療することにしました。休日にクリニックを開ける理由は、実はもう一つあります。病院で救急外来を担当していた時に、休日という理由で軽症の方が多く集まり、現場がひっ迫してしまう課題を見てきました。そのため、救急外来では重症患者さんの診療に集中できるよう、私のようなクリニックが軽症の方を受け入れることで、地域医療のバランスが少しでも良くなるのではと考えています。
どのような患者さんの来院が多いですか?

内科として、風邪や生活習慣病の方はもちろん、発熱のある方や健康診断を希望される方など、幅広い患者さんが来院されています。発熱のある方については、事前にお電話をいただければ来院時から動線を分け、他の患者さんと院内で接触することなく診療からお薬の受け取りまで、すべて別室で完結できる体制を整えています。また、私は内分泌内科を専門としていますので、甲状腺の不調を心配されて受診される方もいらっしゃいますね。糖尿病患者の来院も多く、その方のライフスタイルやご希望に合わせた治療を一緒に考えるようにしています。
オンラインを活用して通院負担を軽減
ご専門の糖尿病治療について教えてください。

糖尿病は年々研究が進んでいる分野で、新しいお薬や治療法が次々と登場しています。私は糖尿病専門医として新しい情報を取り入れながら、患者さん一人ひとりの病状やライフスタイルに合わせた治療がご提案できるように努めています。また、治療のIT化により、”持続血糖測定器”と呼ばれる機器を使って、血糖値の変動をリアルタイムで把握できるようになりました。このデータはクリニックでも確認できるため、診察時に「どのような食事で血糖値が上がったのか」といった具体的な説明が可能です。実際の数値を一緒に見ることで、血糖値と食事の関係について納得できる説明ができると思いますし、生活改善につながると考えています。この持続血糖測定は、自費の健診としても取り扱っています。ご家族に糖尿病の方がいらっしゃる方や、健診で血糖値が高めだと指摘された方など、気になることがあればお気軽にご相談いただければと思います。
院内でどのような検査ができますか?
当院では、即日検査が可能な機器を数多く導入しています。糖尿病治療で重要なヘモグロビンA1cという数値は約1分で測定できるので、その場で治療の調整が可能です。その他、炎症の程度を示すCRP、甲状腺ホルモン、血液中の細胞の数などを調べる血算なども、院内で検査が可能です。また、糖尿病の合併症を早期に見つける体制づくりにも注力しています。例えば、脂肪や筋肉の量が測定できる体組成測定や、簡易な神経伝達検査、眼底検査などが受けられるようにしました。これらの検査を通じて、自身の体の状態をしっかり把握することが、患者さんの安心感や治療への意欲につながると感じています。
オンライン栄養指導とオンライン診療も始めたそうですね。

はい。糖尿病などの慢性疾患では、継続的な通院や栄養指導が重要です。ただ、お仕事や子育てなど、さまざまな理由で定期的な通院が難しい方もいらっしゃいます。そうした方の負担を少しでも軽減できればと思い、オンライン栄養指導とオンライン診療を導入しました。オンライン栄養指導では、ご自宅にいながら食事に関する具体的なアドバイスが受けられます。また、病状が安定している方を対象に、来院せずに診察とお薬の処方ができるオンライン診療も行っています。ライフスタイルに合わせて、気軽に活用していただけたらうれしいです。
患者一人ひとりと向き合いたい
先生が医師になった経緯を教えてください。

幼い頃から、漠然と「人の役に立つ仕事がしたい」という思いがありました。その思いが強くなったのは、小学校6年生の時に入院した経験がきっかけです。入院中、医療従事者の方々がとても優しく接してくださり、「自分も医療の分野で人を支えられる存在になりたい」と思うようになりました。最初は薬学部に進学し、研究者として薬を開発する道を志しました。研究室で実験に没頭する日々はとても面白かったのですが、次第に「もっと患者さんと近い距離で関わりたい」という思いが募り、医学部への再進学を決意したんです。内分泌科を専門としたのは、研修医時代に出会った恩師の影響です。研究熱心で、私が質問したことに対して一つ一つ丁寧に調べて教えてくださいました。誰に対しても真摯に対応する恩師の姿勢は、今の私の診療の礎になっています。
診療において大切にしていることは何でしょうか?
私が診療で一番大切にしているのは、患者さんに寄り添うことです。糖尿病などの慢性疾患では、生活習慣との関係が深いため、その方の暮らし全体を理解し、無理なく続けられる治療法を一緒に考えることが欠かせません。そのため、診察ではまずお話をじっくり伺った上で、いくつかの治療の選択肢を提示しながら、患者さんが納得して取り組める方法を一緒に決めています。また、検査結果を共有することも重視しています。数値を見ながら変化をお伝えすることで、患者さんのやる気につながればと思っています。無理せず、でも少しずつ良くなっていく、そんな診療を心がけています。
最後に、今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

今後の展望としては、地域に根づいたクリニックになっていくことです。体調を崩したときだけではなく、小さな違和感があった際に、気軽に相談していただける存在でありたいですね。例えば、最近疲れが取れない、体重が急に増えた・減った、食欲がない・食べすぎてしまうという症状は、甲状腺の病気が隠れている可能性もあります。診察を受けて何もなければそれが一番いいことですから、遠慮しないで来院してほしいです。これからも患者さん一人ひとりと丁寧に向き合って信頼を積み重ね、この地域の皆さんにとって身近なクリニックになっていけたらと思っています。
自由診療費用の目安
自由診療とは持続血糖測定健診 1万2000円