棚橋 義直 院長の独自取材記事
くすのき内科外科クリニック
(名古屋市港区/荒子川公園駅)
最終更新日:2025/06/27

県道59号沿いに立ち、隣接するドラッグストアとの共同駐車場には、60台分の駐車スペースを用意。そんな利便性の高い場所に2025年5月開業した「くすのき内科外科クリニック」。院長の棚橋義直先生はもともと外科医として、大学病院で消化器疾患の手術を中心に研鑽を積み、その後、クリニックで内科の診療や訪問診療にも携わった。その経験を生かし、開業後も幅広い診療に対応している。なぜ外科から内科、訪問診療まで幅広く経験を積んだのか。開業までの経験や診療に対する思い、健康に対する考えなどについて話を聞いた。
(取材日2025年6月4日)
気軽な相談から、専門的な診療、他院への橋渡しまで
これまで外科や内科の診療、訪問診療と幅広く携わられたそうですね。

大学病院の外科で消化器がんや肝臓がんの治療を中心に、乳腺や痔、鼠経ヘルニアなどの治療にあたり、その後、内科と訪問診療の経験を積みました。消化器外科の診療はかなりハードで、ふと自分の将来について考えることもありましたね。そこで出た答えは、「原点に戻ろう」。幅広く患者さんを診療し、地域医療に貢献したいと思ったのです。そこから内科のクリニックに勤務し、風邪や生活習慣病などの一般的な内科診療の研鑽を積み、さらに介護施設や個人宅での訪問診療も経験しました。大学病院での高度な医療から地域のクリニック、介護の現場まで幅広く経験したことは、私の強みであり自信につながっています。地域医療に関わりたいと考えていたときに、この場所を紹介してもらいました。名古屋市港区は父の実家がある場所なので、縁を感じましたね。区の木であるクスノキを院名とロゴに取り入れました。ロゴには、私が好きな猫をさりげなく入れています。
こちらのクリニックの診療内容を教えてください。
これまでの経験を生かし、内科から外科まで幅広い診療に対応しています。内科では風邪や生活習慣病の治療、外科ではけがの治療から消化器、肛門、乳腺など、急性期から慢性期の症状まで診療し、専門の医療機関への橋渡しも行っています。「何科にかかれば良いのかわからない」という方も気軽にご相談ください。セカンドオピニオンとしてご相談いただいても構いません。例えば、「病院で大腸がんだと言われたが、これからどうしたら良いのか」「抗がん剤治療を行っているが、体調が悪くなった」など、治療方法や治療中のお困り事などの相談に乗り、患者さんの手助けをしたいと考えています。また、今後ご要望があれば訪問診療にも対応する予定です。
乳腺や肛門に関する相談をしたくても、ためらってしまう人が多いと聞きます。

そうですね。いきなり専門の医療機関に行くのは、ハードルが高いと思われるかもしれません。当院では、乳腺外科、肛門外科の診療を行っていますので、専門の医療機関を受診する前に、まずは当院で気軽にご相談いただければと思います。乳腺の外来では、乳房のしこりや張り、乳頭から出る分泌物などの乳腺全般の症状、乳がん手術後の経過観察も対応しています。乳腺の超音波検査も可能です。肛門外科では、痔の治療や肛門周辺の痛み、かゆみ、排便トラブルなどを診療します。「症状は出ていないけれど、何となく違和感がある」「健康診断で指摘された」など、気になることがあればご相談ください。
豊富な検査経験を生かし、病気の早期発見に努める
こちらのクリニックでは、どのような検査が受けられるのでしょうか?

乳腺、腹部、甲状腺、頸動脈の超音波検査をはじめ、CT検査、経鼻内視鏡検査、AI補助診断装置を備えたエックス線検査などに対応しています。特にこだわって導入したのはCTです。エックス線検査だけでは発見できない病気もありますので、CTを活用し、病気の早期発見・早期治療につなげたいと考えています。必要なときにすぐに検査ができるよう、さまざまな検査機器をそろえました。ですが、不必要な検査は行いません。診療において一番大切なことは、医師が患者さんをしっかりと診察すること。診て、聞いて、触れて診察し、必要に応じて検査を実施するようにしています。
内視鏡検査の経験が豊富だと伺いました。
勤務医時代は、週に1度、健診施設の内視鏡検査を担当していました。内視鏡検査には専門的な技術が必要です。開業後は、これまでの経験を生かしながら経鼻内視鏡検査を行っています。「胃カメラはつらい」という患者さんに対しては、鎮静薬を使って負担を軽減できるように努めていますので、安心して検査を受けていただきたいです。当院では、基本的に診療日の朝に内視鏡検査を行っています。待合室のモニターでは、さまざまな検査に関する情報を映していますので、検査に関心を持っていただけるとうれしいですね。
健康維持や病気の早期発見のために、特にお勧めしたい検査はありますか?

名古屋市が受診を推奨しているピロリ菌の検査ですね。胃がんの原因の多くがピロリ菌であるといわれており、ピロリ菌を除去することが胃がんに罹患するリスク軽減につながるとされています。名古屋市では、20歳から39歳までの方は市の助成を利用してピロリ菌の血液抗体検査が受けられますので、ぜひ若い世代に受けていただきたいですね。内視鏡検査で胃がんが確認され、ピロリ菌陽性の場合は除菌治療をお勧めします。除菌したからといって、胃がんになる確率がゼロになるわけではありません。定期的に内視鏡検査を受けることをお勧めします。
介護や健康管理も視野に入れた、包括的な医療を提供
診療の際に心がけていることを教えてください。

患者さんの訴えをしっかりと聞いて、必要な検査をすること。検査結果や患者さんの体の状態をわかりやすく伝えること。この2点を大切にしています。健康の基本は食事と運動ですので、生活習慣に関するアドバイスもしています。時には私の実体験を交えてお話しすることもありますね。実は、外科の診療が多忙だった頃、運動不足に不摂生、食事のタイミングが取れないことなどが重なり、血圧が150を超えていました。そこでランニングを始めて、現在も週に1度10キロほど走っています。やはり食事と運動は健康の基本だと痛感していますので、体づくりの大切さを患者さんにもお伝えしたいですね。
スタッフの皆さんとのコミュニケーションも大切にされているそうですね。
患者さんを診るのは医師だけではありません。スタッフ全員で患者さん一人ひとりを診ていると考えています。そのため、スタッフ同士の連携やコミュニケーションは欠かせません。2025年5月現在、看護師が2人、医療事務スタッフが3人在籍しています。開業して間もないですが、すでにコミュニケーションはよく取れていますね。スタッフにお願いしているのは、「ここに来て良かった」と思っていただけるように、患者さんと接すること。私が消化器外科で勤務医をしていたときは、1人の患者さんを10年以上診ることもありました。消化器外科の疾患は手術後も治療が続くケースが多いことも関係していますが、開業後もさまざまな相談に訪れる患者さんと、長くお付き合いしていきたいと考えています。そのためには、「ここに来て良かった」と思っていただけるような対応が必要ですね。
最後に、この地域の皆さんにメッセージをお願いします。

風邪や生活習慣病、ケガの治療から、健康管理、介護や訪問診療などの相談まで、幅広く診療や患者さんのお手伝いをしたいと考えています。小児外科での診療経験もありますので、お子さんの体調やちょっとしたケガなどでお困りのことがあればご相談ください。これまで、大学病院、地域のクリニック、介護の現場など、さまざまな側面から医療に携わってきました。「介護保険を申請するにあたり、主治医意見書を書いてほしい」などの相談にも対応します。地域貢献をめざして幅広く研鑽を積みましたので、手助けできることは多いと思います。ウェブ予約を行っていますが、直接お越しいただいた方にも対応しています。お買い物のついでに立ち寄る感覚で、気軽にお越しください。