佐藤 尚栄 院長の独自取材記事
辻堂おひさま眼科クリニック
(藤沢市/辻堂駅)
最終更新日:2026/07/30
辻堂駅から徒歩約10分の住宅街に、2025年に開業した「辻堂おひさま眼科クリニック」。クリニック名には、訪れる人が温かさに包まれ、笑顔になれるようにという願いが込められている。院長の佐藤尚栄先生は日本医科大学卒業後、大学病院や関連病院で研鑽を積み、白内障や緑内障をはじめ幅広い眼疾患に対応。白内障の日帰り手術など高齢者の眼疾患の治療に注力する。「患者さんのお話に真摯に耳を傾けることを大切にしています」と語る佐藤院長は、すべての患者を自ら診療し、一人ひとりの生活スタイルに合わせた眼内レンズ選びにも丁寧に向き合う。スタッフと患者が快適に過ごせる環境づくりを重視する姿勢からは、温かな人柄が伝わってくる。今回は、白内障手術へのこだわりや眼内レンズ選びの考え方、理想のクリニックづくりについて話を聞いた。
(取材日2026年7月14日)
ぬくもりあふれるクリニックで質の高い眼科医療を
クリニックを開業された経緯をお聞かせください。

開業を決意した理由は大きく2つあります。1つは自分が理想とする医療を思い切りやりたいと考えたこと。もう1つは、スタッフ全員が楽しく、やりがいを持って働ける場所をつくりたいと思ったことです。患者さんにとってもスタッフにとっても居心地の良いクリニックを実現したいという思いが、開業への原動力になりました。辻堂を選んだのは、大学病院の関連施設との連携も考慮して横浜近辺で物件を探す中で、家族にとっても暮らしやすいこの場所に出合えたことがきっかけです。クリニック名の「おひさま」には、来院された方が「温かいな」と感じて安心し、笑顔になれる場所でありたいという願いを込めました。実は妻も医師で、いつか二人でクリニックをやりたいという思いをずっと温めていました。その夢を形にしたのが、このクリニックです。
眼科の道に進まれたきっかけを教えてください。
父が内科医院を開業していたので、小さい頃からその背中を見て自然と医師という仕事に憧れました。眼科を選んだのは、学問としての奥深さに魅力を感じたことに加え、「見えるようになる」ことは患者さんの喜びにつながるという明るいイメージに惹かれたからです。診療では、画像検査などで目の状態を直接患者さんと共有しながら治療を進めています。丁寧にご説明した後に「よくわかりました」と安心してくださる声をかけていただける瞬間は、日々のやりがいにつながりますね。また、眼科は診断から手術、術後のフォローまで一つの診療科で完結できるのも特徴です。術後の患者さんの笑顔を見るたびに、この仕事の大きなやりがいと喜びを実感しています。
院内空間のこだわりや、診療内容について伺えますか?

内装は「おひさま」のイメージに合った明るく温かみのある空間にしたいと考え、眼科クリニックを数多く手がけている建築士さんにお願いしました。院内に足を踏み入れた時にほっとしていただけるような雰囲気を大切にしています。立地は駅から少し離れていますが、駐車場を5台分備えていますので、お車でいらっしゃる方が多いですね。近隣にお住まいの方が自転車や徒歩でいらっしゃることもあります。診療内容としては白内障や緑内障をはじめ、加齢黄斑変性症や糖尿病網膜症など幅広い眼疾患に対応し、注射やレーザーによる治療も行っています。中でも特に力を入れているのが高齢者の眼疾患です。白内障の日帰り手術をはじめ、安心して治療を受けていただける体制を整えています。
見え方を左右する白内障の眼内レンズ選びも丁寧に
白内障の日帰り手術で大切にされていることは何ですか?

安全面には特にこだわっています。手術室には3Dモニターシステムを導入していて、従来の顕微鏡では捉えにくかった細部まで大画面で確認しながら操作できるため、合併症のリスクを抑えやすくなっています。麻酔についても、一般的な点眼麻酔に加えてテノン嚢下麻酔を併用し、痛みの軽減に努めています。手術時間の短さよりも、ひと手間かけてでも丁寧に行うことで、患者さんへの負担をできるだけ少なくするのが私の方針です。白内障はご自身では気づきにくいことが多く、見えているつもりでも実は視力が出ていなかったり、想像以上に進行しているケースも少なくありませんので、早めのご相談をお勧めしています。
白内障手術で入れる眼内レンズにはどのような種類がありますか?
大きく分けると、単焦点眼内レンズと多焦点眼内レンズがあります。単焦点眼内レンズは、保険適用で費用負担を抑えられる一方、ピントを遠近のどちらかの距離に合わせる必要があります。そのため、選択した距離以外を見る際には眼鏡が必要になります。多焦点眼内レンズは複数の距離にピントが合うよう調整でき、眼鏡なしで過ごせる場面が増えることが期待できます。また、多焦点眼内レンズには主に2種類あります。三焦点眼内レンズは遠・中・近の幅広い距離に対応できる一方、見え方のコントラストがやや低下したり光がまぶしく感じるグレアハロー現象が出ることがあります。そのため、夜間に運転する機会が多い方、75歳以上の方、目に他の疾患をお持ちの方には適さない場合があります。もう1つの焦点深度拡張型眼内レンズは良好な見え方が望め、グレアハローもなく、幅広い方に適していますが、手元の細かな作業では眼鏡が必要になる場合があります。
眼内レンズを選ぶ際に大切なことは何でしょうか?

どの眼内レンズを選ぶかで術後の見え方は大きく変わりますので、レンズ選びはすべて私が患者さんと直接お話しし、一緒に決めています。どんな見え方を望まれるか、日常生活でどの距離を見る機会が多いかはお一人お一人異なりますから、じっくりご相談するようにしています。眼内レンズは、手術後も長く使い続ける大切なものです。だからこそ、費用だけで判断するのではなく、それぞれの特徴を十分に理解した上で選んでいただきたいと考えています。実際に、単焦点眼内レンズを選んだけれども、後から「多焦点にしておけば良かった」と感じる方もいらっしゃいます。また、多焦点眼内レンズという選択肢自体をご存じない方も少なくないので、将来のご自分への投資として前もって選択肢を知っておいていただくことが大切だと思います。
傾聴する姿勢とわかりやすい説明で安心につなげたい
診療で心がけていることを教えてください。

一番大切にしているのは、患者さんの訴えにしっかり耳を傾けることです。過去に十分な説明がないまま治療が進み、不安を感じた経験をお持ちの方も少なくありません。だからこそ、お話を丁寧にお聞きして、現在の状態や治療内容をわかりやすく説明することを心がけています。診察室では、目が悪い方にも見やすいよう画面のサイズにもこだわった大きなモニターに検査結果を映しながらご説明しています。また、医師である妻のサポートもあり、私は患者さんとの対話に集中できる体制を整えました。笑顔でお話を聞く雰囲気を大切にしていると、「医療機関が怖かったけれどここなら安心して通えます」という言葉を聞けるとうれしくなりますね。
クリニック全体の雰囲気や、今後の方向性についてお聞かせください。
患者さんに質の高い医療を届けるためには、スタッフが楽しく生き生きと働ける環境が欠かせないと考えています。当院は予約制を取り入れ、診察や手術件数も無理のない範囲に設定することで、患者さん一人ひとりに丁寧に向き合える体制を整えています。その結果、スタッフにも心の余裕が生まれ、患者さんの満足度も高まっていると感じています。今後も規模を広げるというよりは、今の温かい雰囲気を大切に守りながら、チーム全員で同じ方向を向いて地域の皆さまへ良質な医療を届け続けたいですね。辻堂にもそれぞれ特色のある眼科がありますので、患者さんがご自身に合った医療機関を選んでいただくことが何より大切だと考えています。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

目の病気は自覚症状がないまま進行することがあります。目安として、40歳を過ぎたら緑内障検診、60歳になったら白内障のチェックをぜひ一度受けてみてください。手術が必要な場合は80歳前に済ませていただくのが理想です。大切なのは、ご自身に合った眼科を見つけて継続的に通うことです。白内障手術では多焦点レンズという選択肢もありますので、前もってその存在を知っておいていただければと思います。主治医と十分に相談し、ご自身のライフスタイルに合った後悔のない選択をしていただきたいですね。
自由診療費用の目安
自由診療とは多焦点眼内レンズ(選定療養)/片眼:30万~40万円 ※眼内レンズ代以外の手術費用は保険診療となります。
レンズの種類(3焦点レンズ・焦点深度拡張型レンズ)、乱視矯正の有無、保険負担割合等により費用が異なります。詳しくはクリニックへお問い合わせください。

