藤井 恭太郎 院長の独自取材記事
針中野内科消化器内視鏡クリニック
(大阪市東住吉区/針中野駅)
最終更新日:2026/04/02
近鉄南大阪線の針中野駅から徒歩2分、活気ある商店街をエリアに持つクリニックビルの2階に「針中野内科消化器内視鏡クリニック」はある。2025年に開院した同院は、内科・消化器内科・内視鏡内科を診療し、院内にCTを設備。内視鏡検査から精密検査まで、大きな病院へ行かずともワンストップで完結できるような体制を整えている。院長の藤井恭太郎先生は、複数の総合病院で救急を含む幅広い診療に携わってきた消化器内科の医師だ。物静かで穏やかなたたずまいの中に、救急の現場で磨かれた迅速な判断力が垣間見える。「何科に行けば良いかわからない時に、まず最初に相談してもらえる場所でありたい」と話す藤井院長に、診療への思いや地域に届けたい医療について聞いた。
(取材日2026年3月12日)
救急の現場で培った判断力を、地域のかかりつけ医療に
まずは、先生が医師を志されたきっかけをお聞かせください。

父が外科医師でしたので、中学生の頃から自然と医師という仕事を意識するようになりました。医学部に進んで専門を決める際に大切にしたのは、患者さんの話をしっかり聞ける科に進みたいという思いです。外科医師として働く父の姿を身近に見てきましたが、私自身は患者さんと向き合い、じっくり対話を重ねながら診療できる内科の道が合っていると感じました。内科は扱う領域が幅広く、体の不調を最初に受け止められる分野でもあります。患者さんは何科を受診すれば良いかわからないことが多いですから、そういう時にまず最初に相談してもらえる場所でありたい。その思いが開業の原点になっていますし、今も変わらず診療の軸になっています。
開業前は、どのような環境で診療されていたのですか?
開業前は複数の総合病院に勤務し、入院患者さんの診療と救急の対応を担当していました。救急では搬送されてきた方をまず診察し、採血やCT検査などで迅速に状態を把握する。その繰り返しの中で、急を要する場面での判断力が身についたと思います。中でも実感したのがCTの重要性です。CTを撮って初めて発見につながる病気が非常に多く、診断に欠かせない存在でした。その経験があったからこそ、開業にあたっても院内にCTを導入しています。この近隣ではCTを備えたクリニックが少ないため、紹介状を書いて大きな病院へ行く手間なく、その場で検査から診断まで完結できるような体制を整えました。急病に対する対応は、地域のクリニックとしての強みだと感じています。
クリニックをつくるにあたり、こだわった点はありますか?

院内の設計では、患者さんの動線を一番に考えました。例えば内視鏡検査で鎮静剤を使った場合、検査後はリカバリー室で休んでいただくのですが、途中で一度立ち上がらないと移動できない造りもあります。当院では内視鏡室からリカバリー室までストレッチャーでそのまま運べるよう設計し、患者さんに余計な負担をかけない動線にしています。大腸内視鏡検査の前処置で院内に滞在される場合は3時間ほどかかることもありますので、検査準備室にはコンセントを設け、スマートフォンなどを使いながら過ごせるよう配慮しました。発熱のある方は受付で確認の上、別室にご案内する体制も整えています。当院のある針中野は商店街が栄える下町で、40代から50代の働く世代を中心に多くの方に通っていただいています。
「楽だった」と感じてもらえることをめざす内視鏡検査
胃や大腸の内視鏡検査に不安を感じる方も多いと思いますが。

当院では細いカメラを導入しています。細いカメラでも太いものと同等の画質まで進歩していますので、診断の精度を保ちながら患者さんの身体的な負担を軽くすることが期待できます。眠っている間に検査が終わるような感覚で受けていただけるように、ご希望の方には鎮静剤も使用可能です。大腸内視鏡検査の前に飲む下剤も4種類用意しており、飲みやすさに優れたもの、味が苦手な方向けの錠剤タイプ、前日と当日に分けて飲むタイプなどがあります。過去につらかった経験をお聞きした上で、合うものを一緒に選んでいきます。「こんなに楽だとは思わなかった」と言っていただくことを目標に、苦手意識を持たず続けてもらうことを心がけています。
症状があるとき、すぐに検査を受けることはできますか?
他の患者さんの予約がない場合に限りますが、胃の内視鏡は当日の検査に対応しています。胃の痛みなどの症状が強く出ている方の場合、何週間も先の予約を待つ間に不安が募りますし、異常があれば早く見つけたほうが治療にもすぐつなげられます。思い立った日に検査を受けられる体制を整えているのはそのためです。また、胃と大腸の内視鏡検査を同じ日にまとめて受けていただくことも可能です。別々の日に分けると、その度にお仕事を休んだり準備をし直したりと負担が重なりますから、同日にまとめたほうが患者さんは絶対に楽だと思うんですよね。大阪市が実施している胃がん検診にも当院は対応しており、2年に1回の検診をご希望の方もいらっしゃいます。気になった時にすぐ動ける環境を大切にしています。
まだ検査を受けたことがない方に向けて、アドバイスをいただけますか。

胃内視鏡検査については、まずピロリ菌がいるかどうかを調べておくことをお勧めします。ピロリ菌は基本的に子どもの頃に感染するもので、大人になってから新たにかかることはほとんどありません。成人になってから検査を受け、もしいた場合は放っておくと胃がんのリスクが徐々に上がっていきますが、早めに除菌を図れば将来のリスクを下げることが期待できます。推奨は20歳以上で、症状がなくても一度は受けていただきたいですね。大腸内視鏡検査は40歳以上の方に推奨されています。この年代からポリープが増えてきますが、検査で見つかれば基本的にその場で切除術が可能です。定期的に受けていれば早い段階で対処できますので、少なくとも5年に1回程度の検査をお勧めしています。
何でも相談できる場所として、地域の健康を支えたい
日々の診療で心がけていることを教えてください。

一番大切にしているのは、わかりやすい説明です。納得した上で治療に臨んでいただきたいので、今の時点でどういう病気の可能性があるのか、どんな検査を行うのかといったことを丁寧にお伝えするようにしています。わからないことについてはわからないと正直にお話ししますし、あいまいなまま治療を進めることは避けたいと考えています。患者さんが不安を抱えたまま帰ることのないよう、一人ひとりの疑問にしっかり向き合うことが基本だと思っています。スタッフとも月1回のミーティングのほか、午前と午後の診療後に情報を共有する場を設けており、チーム全体で同じ方向を向いて対応できるよう心がけています。どなたが受付をしても安心していただける体制でありたいですね。
患者さんとの印象に残っているエピソードはありますか?
患者さんから「先生を信頼しています」と言っていただいたことがあり、とてもうれしかったですね。また、わざわざお礼を伝えるために来院してくださった方もいらっしゃいました。内視鏡検査においては、何年も受けていなかった方にも満足していただけるよう心がけています。一度きりではなく安心して繰り返し受けてもらえることが将来の予防につながりますから、定期的に検査を続けてもらうことも大切にしています。そうした言葉や再来院が、日々の診療の励みになっています。
最後に、今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

現在はおなかの痛みや便の悩みで来院される方が多いのですが、今後は生活習慣病をはじめとした一般内科にもより力を入れていきたいと考えています。健康診査で気になる結果が出た方の精密検査にも対応できますので、内科全般の相談窓口として幅広くお役に立てればと思います。院内にCTを含めた検査体制がありますので、今後は60代以降の方にも、大きな病院に行かなくても地域のクリニックで必要な検査が受けられるという安心感を届けていきたいですね。何科に行けば良いかわからない、こんなことで相談して良いのかわからない。そう感じている方は少なくないと思います。けれど一度お話を聞かせていただくだけで解決につながることもありますので、何かあった時に一番最初に相談に来てもらえたらと思います。

