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白坂 知識 院長の独自取材記事

芦屋甲南クリニック

(神戸市東灘区/甲南山手駅)

最終更新日:2025/07/15

白坂知識院長 芦屋甲南クリニック main

JR神戸線・甲南山手駅から徒歩6分ほどにある「芦屋甲南クリニック」は、神戸で学生時代を過ごした白坂知識院長が2025年に開設したクリニックだ。木目の看板や照明を抑えた落ち着いた雰囲気の院内は、誰もが立ち寄ってみたくなる優しい空気感が漂う。「地域に根差した診療をするオールラウンダーでありたい」と自ら国内外問わず勉強会に赴き、自己研鑽を重ねてきたという白坂院長。内科と訪問診療を軸に、生活習慣病、甲状腺疾患、がん予防、 原因のはっきりしない眠気やだるさといった体調不良、 など幅広い診療に対応。専門である循環器疾患では二次・三次医療機関との連携も徹底し専門性高く診療する。その一方で、あらゆる面で患者ファーストを実践しているのも同院の特長。今回は白坂先生に同院の診療方針や取り組みについて話を聞いた。

(取材日2025年6月23日)

自分や家族が通いたいと思うクリニックをめざして開業

2025年5月にご開業されたそうですね。クリニックの特長を教えてください。

白坂知識院長 芦屋甲南クリニック1

“自分自身と友人、その家族が「通いたい」と思えるクリニック”をめざして東灘区甲南山手で開業しました。診療は一般内科と専門である心臓血管病の管理、さらに訪問診療が中心ですが、高血圧・糖尿病といったよくある病気に加えて、複数の病気の包括的管理、さらにがんの予防から終末期対応まで、幅広い領域をカバーしています。診療後に「相談して良かった」「納得できた」と言っていただける診療が私の理想です。訪れる皆さまが少しでもホッとできる空間になればと、院内をカフェのような雰囲気になっています。基本は予約制ですが、地域のかかりつけ医として飛び込みでも受け入れています。

なぜ医師をめざしたのですか?

大学生の時に自分の将来を想像したことが動機です。中学生の時に柔道部でのけががきっかけでひどい腰痛に悩まされ、通学すらままならない時期があったんです。ふるさとは九州の片田舎で、十分な医療を受けられず、10代はつらい思いをして過ごしていました。その後少し病状が良くなり、大阪大学基礎工学部へ進んだ後、就職が決まった頃、「このまま就職して、自分は将来どうなりたいんだろう」と考えるようになり、「あのつらい時期があったから、今の自分がいる。その時の経験を生かして、同じように病気で悩む人を救えないだろうか」という思いが強くなりました。いろいろ迷いましたが、自分に正直であることが大切だと、改めて医学部に入り直したんです。

早くから地域のかかりつけ医をめざしてきたそうですね。そのきっかけを教えてください。

白坂知識院長 芦屋甲南クリニック2

大学6年生の時にハワイ大学に留学する機会があり、現地の開業医であった渡慶次先生との出会いで衝撃を受けたことがきっかけです。患者ファーストの実践者で、患者さま一人ひとりに対して尊厳を持って接しておられる姿が印象的でした。例えば留学生の私にも「どんな高齢者でも女性はあくまでレディーとして対応しなさい。患者さまの着替えや体に触れる際はあるべきマナーを守りなさい」と厳しく教える方でした。そんな先生は在住日本人だけでなくローカルの人たちにも大人気で、 その周りには自然と人が集まって来ていました。そんなかかりつけ医になりたいと、自分なりに自己研鑽を重ねてきました。

地域医療の未来のため、世界で磨いた医療力

具体的にどのような自己研鑽を重ねましたか?

白坂知識院長 芦屋甲南クリニック3

軸となる専門性を持つことは医師として重要ですから、卒業後は循環器外科を専門として研鑽を積んできました。大学院の研究テーマは心不全で、その分野知られている大阪大学心臓外科へ研究留学した後、バンコクの国立病院へ留学して専門の医師としての研鑽を積みました。その後、健康問題を総合的に扱うプライマリケアについて勉強しようと、アメリカで本格的なトレーニングを受けた医師が多く在籍する札幌手稲渓仁会病院の家庭医療部門に在籍しました。心臓疾患に加えて糖尿病や喘息といったクリニックでよく遭遇する病気の新しい情報から若年者の不登校や出社困難といったメンタルヘルス、スポーツ医学や先端の栄養学まで幅広く学びました。中でもそこで訪問診療部のリーダーとなり、在宅医療の経験を集中的に積んだことや複数の大学の総合診療部の先生方と頻繁に症例研究会を行ったことは良い経験となりました。

そんな先生が、東灘区で開業されたのはなぜですか?

かかりつけ医はゲートキーパーとして、次の専門分野につなぐ大事な役割も持っていますが、どれだけ自分の腕を磨いたとしても、一人きりで患者さまを支えることはできません。前職で訪問診療部のリーダーとして意見交換会を何度か行いましたが、その中で東灘区の地域医療関係者とお話しする機会があり、芦屋市や神戸市の東灘区・灘区は医療・介護・福祉といった連携に力を入れている地域だと感じていました。この町なら、自分が本当にやりたい・理想とする医療ができるのでは、と感じたところも大きい決め手でした。また神戸は私が学生時代を過ごした大切な町でもあります。近隣病院とも強固に連携していますので、安心していただきたいですね。

外来診療と訪問診療の両方を行うクリニックは珍しいと思います。

白坂知識院長 芦屋甲南クリニック4

どちらか一方の診療をしている方が経営的には効率が良いでしょうが、私としては患者さまが歩けなくなってもずっと診ていきたいですし、通院が良いとか訪問診療が良いとか、医師が押しつけるのではなく患者さま自身が選べることが重要だと考えています。「今は元気だけど、介護のことについて相談したい」といった方も多いですね。病気や世代に関係なく患者さまの健康管理を得意としていますので、「健康診断の結果が悪くなってきた」「痩せて健康になりたい」といったご相談にも積極的に応じています。健康に関することなら「まるっと任せられる」、そんな懐の深いクリニックになっていければと思います。

「待たせない技術」と「対話する医療」を

受診のしやすさにも注力されているそうですね。

白坂知識院長 芦屋甲南クリニック5

前職で患者満足度調査をしましたが「待ち時間が長い」「何の診療をされたのかわからない」の2項目が最も多い不満であった結果を受け、当院ではこの2点の解決に注力しています。まず従来のクリニックではこれまでは独立したサービスとして展開していたウェブ予約、ウェブ問診、患者管理システムをシームレスに組み合わせたユニットフロント型システムを導入し、迅速で無駄の少ない診療に努めています。当院の平均待ち時間は、初診の方でも5分以内の状況です。また診療内容の不明瞭さへの対策に関しては、かかりつけ医登録システムを導入し、会員登録された患者さまやご家族さまにPDFで診察内容のまとめをお送りするようにしています。検査結果についても「可視化」できますし、例えばご高齢で耳が遠くなって不自由という方の場合でも、ご家族と診療内容を共有することで安心を得られると思います。

一方で、診療は「しっかり話し合う医療」にこだわっておられるそうですね。

来院予約や情報共有・会計処理などもろもろの事務業務をユニット型システムで効率化させたことで、患者さまと対話できる時間をしっかり確保しています。また医療はあくまでオーダーメイドであるべきと私は考えています。診療内容の説明や検査結果の報告をAIチャットサービスに頼ることも可能ですが、私はあえて自分で報告文言を作成しお伝えする取り組みを行っています。診察ではまず聴診器をきちんと当てて体に触れるといった身体診察を重視し、相手の目を見てお話を伺うことを大切にしています。主役はあくまで来院する患者さまと考えていますので、安心して気軽にご相談いただきたいですね。

最後に地域の方へメッセージをお願いします。

白坂知識院長 芦屋甲南クリニック6

私の母はケアマネジャーをしていますが、母に開業の話をした時に「クリニックの看板を見ただけで、患者さまが安心できるようなクリニックになるまで頑張りなさい」といわれました。なるほど人に寄り添うということは、こういうことかと思いました。私が尊敬するハワイで出会った渡慶次先生のクリニックがまさにそうでした。地域の皆さまにとってほっと安心できる場所になることが、われわれのこれからの目標です。医療のご相談だけでなく、在宅診療へ移行するタイミングや、すべてを任せられる医療機関を探している方にとって、頼れる存在でありたいと思っています。そして「また来たい」と思っていただけるようなクリニックをつくりたいと考えています。何か健康のことでお悩みがあれば、気軽に訪れてみてください。

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