八木 久実 院長の独自取材記事
KUMI皮膚科クリニック
(奈良市/大和西大寺駅)
最終更新日:2025/06/09

大和西大寺駅北口の商業施設近くに新設されたビルの4階。クリニックフロアの一角に「KUMI皮膚科クリニック」はある。自身も健康的な肌の維持に気をつけているという八木久実院長。小学生の頃より医師を志し、大学教授の「皮膚は最大の臓器」という言葉に衝撃を受けて皮膚科を専門に勉強した。奈良ではまだ珍しいとされる紫外線治療器を導入し、患者が選べる治療の選択肢を増やしているという八木院長。同院では手術や生体検査も可能で、病診連携も徹底して取り組んでいる。季節によって増減する皮膚疾患も把握しており、同院では1年を通して多いアトピー性皮膚炎とニキビの治療に注力。老若男女問わず、みんなが安心して通えるクリニックをめざしているという八木院長に、話を聞いた。
(取材日2025年5月8日)
皮膚は最大の臓器。恩師の言葉に感銘を受けて皮膚科へ
開業おめでとうございます。開業までの経緯についてお聞かせください。

ありがとうございます。医師をめざすようになったのは、小学生の時です。祖父が病気になり、総合病院にかかったんですが、その時の外科の先生がとても優しくて。祖父にはもちろん、私たち家族のことにも親身になってくれたのが印象的でした。そこから医師に憧れを持つようになり、中学受験の面接でも、将来は医師になりたいです、と言っていたほどです。大学卒業後は、大学病院や医療センターといった基幹病院で皮膚疾患についてを学び、開業を視野に美容皮膚科領域も学びました。いつか開業できればと思っていたところに、いろいろな縁が重なって、ここで開業することが決まったんです。開業前に亡くなってしまったのですが、祖母がずっと開業することを一番に応援してくれていました。そのこともあり、無事開業できてうれしく思います。
なぜ皮膚科を専門に勉強しようと思われたのですか?
祖父のこともあって最初は外科をめざしていたんですが、当時の大学の教授から「皮膚は全身に及ぶ最大の臓器」という言葉を聞き、衝撃を受けました。この言葉を聞かなければ、皮膚科の医師になろうとは考えなかったと思います。目に見える皮膚から病気のサインを出されることも多々あり、内臓の疾患がわかることも珍しくありません。また皮膚科の医師は病理検査も自身で行う人が多いのですが、検査から診断、治療という、最初から最後まで自分が関われる皮膚科が面白いとも感じました。
奈良の患者さんと接するのは初めてとお聞きしました。ほかの地域との違いはありますか?

そうなんです。今まで京都と大阪の病院やクリニックで勤務してきたので、奈良の患者さんと接するのは初めてなんです。開業するまでは何かしら違いがあるだろうと思っていたんですが、今のところ特に違いは感じていません。患者さんは老若男女問わず来院されますし、季節によって増減する皮膚疾患もほかの地域と同じです。春先はヘルペスが増えますし、連休明けは帯状疱疹が多くなります。ニキビやアトピー性皮膚炎は1年を通して多い皮膚疾患ですね。奈良は私が生まれ育った場所なので、医療で地域貢献できるのはうれしく思います。
紫外線治療から手術、生検もできるクリニック
紫外線治療を取り入れていると伺いました。

はい。奈良で紫外線治療を導入しているクリニックは、まだ少ないんじゃないでしょうか。紫外線治療は、アトピー性皮膚炎や乾癬、円形脱毛症にも効果が期待できる治療法です。多くの方は、皮膚疾患の治療は飲み薬と塗り薬が中心で、長期間かかるものだと思われていますが、実はそんなことないんです。もちろん、時間を必要とする治療もありますが、医療は日々アップデートされています。効果がより期待できる薬も開発されていますし、治療法も確立されています。一日でも早く、患者さんが飲み薬や塗り薬を少なくしていけるように、当院では治療の選択肢を増やし、患者さんに有用な治療を提案できるよう尽力しているつもりです。
ほかにどのような治療を受けることができますか?
一般的な皮膚科領域の治療から、美容皮膚科の領域も扱っています。小児皮膚科も掲げているので、とりあえず皮膚のことで困ったらご来院くださればと思います。小児科から当院にご紹介いただけるパターンも多くなってきましたね。アトピー性皮膚炎はもちろん、感染性の皮膚疾患、毛じらみも皮膚科で診ることができます。足裏のたこやイボは、炭酸ガスレーザーで削ったり、液体窒素での治療を行っています。また、保険診療でニキビを治療した後、美容皮膚科で赤みに対するケアを行うことも可能です。除去手術や治療でできた縫合痕や色素沈着も、自由診療にはなりますが美容皮膚科で施術できるというのは、当院の強みだと思っています。患者さんに寄り添った診療をめざしています。
手術もされているんですね。

はい。粉瘤や小さなイボは当院での手術が可能です。がんが疑われる場合は、皮膚生体検査も実施しています。可能な限り、患者さんが当院への通院だけで完結できるような環境にしておきたいんです。「少しでも悪性の可能性があれば、念のため検査しておく」が気軽にできるのは、当院の大きなメリットだと思います。検査のためにわざわざ病院に行って長い時間待って、検査結果にも時間がかかってというのは、たとえ結果が良性であっても、患者さんは疲弊してしまいますよね。それに万が一悪性の場合でも、当院で生検を実施して病変を特定するまではできるので、紹介先での診断や治療を効率的に進められると思います。重病だけは見逃したくないんです。以前、皮膚疾患から血液のがんが見つかったこともありますし、発疹の出方がちょっと違うと感じて血液検査をしたら、急性の肝臓疾患だったこともあります。
家族みんなが安心して通えるクリニックをめざして
皮膚の健康について、先生ご自身が気をつけていることはありますか?

日焼けはしないように、かなり気をつけています。日焼け止めは一年中使っていますね。化粧品も低刺激なものを選ぶようにして、成分表や使用期限にも注意しています。以前に古くなった化粧品を使って、顔中がかぶれてしまったんです。このあたりのことは、患者さんにもお話しするようにしています。治りづらい皮膚疾患の原因になっている可能性もありますからね。
今後、クリニックをどのようにしていきたいですか?
アトピー性皮膚炎とニキビの治療には、より力を入れていきたいと考えています。きれいになるように治療して、患者さんが治療後の状態を長期間キープできるような治療をしていけたらと。勤務医と違って開業医は自分から情報収集していかなければならないので、私は近隣の病院と連携して常に新しい情報を得られるようにしています。医療は日進月歩ですから。少しでも新しい情報をつかんで、患者さんに還元していきたいと思っています。それから患者さんの負担軽減にもさらに取り組んでいきたいです。病診連携で迅速な治療を行い、入院や手術を終えた患者さんが当院に戻ってきやすい環境をつくっていきます。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

家族みんなが安心できる医療を提供するため、日々尽力しています。皮膚疾患は老若男女問わずかかるものですし、年代によって起こりやすい疾患も異なります。患者さんの生活背景や、考え方に合わせた治療の選択肢を提案していきたいと思っているので、小さなことでも遠慮なくご相談ください。「これくらいで」と思って放置していると、疾患が悪化してしまうこともあります。適切な診断と適切な治療で、地域の皆さんの力になりたいと思っています。
自由診療費用の目安
自由診療とは赤み(赤ら顔)のケア/3300円~、除去手術・治療でできた縫合痕や色素沈着のケア/8800円~