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佐野 浩之 院長の独自取材記事

さの内科循環器クリニック

(神戸市灘区/六甲道駅)

最終更新日:2025/05/30

佐野浩之院長 さの内科循環器クリニック main

2025年4月に神戸市灘区に誕生した「さの内科循環器クリニック」。白・グレー・ブラウンを基調に木目も取り入れた院内は、洗練され落ち着いた雰囲気が漂う。日本内科学会総合内科専門医や日本循環器学会循環器専門医、日本超音波医学会超音波専門医としての豊富な経験を持つ佐野浩之院長が、特に力を入れるのは心臓リハビリテーション。リハビリテーション室に先進の医療機器を備え、患者それぞれに最適な運動処方を行うためにCPX(心肺運動負荷試験)を実施。安全性に配慮した運動環境の提供に努める。「患者さんの人生なので、その思いや希望を尊重し、一緒に方針を決めていきたいです」という言葉からは患者に寄り添う姿勢が感じられた。地元出身の佐野院長に、患者の声を傾聴する診療姿勢や思い描く地域医療の未来について語ってもらった。

(取材日2025年5月7日)

内科、循環器内科での専門的な治療経験を生かして開業

クリニックを開業されたきっかけをお聞かせください。

佐野浩之院長 さの内科循環器クリニック1

内科、循環器内科の医師として、大学病院や総合病院で長年勤務医として働いてきました。数多くの診療を経験し、患者さんの生活の質を維持するためには、重篤な状態になる前の心疾患の早期発見と予防医療が重要だと強く実感するようになりました。また、急性期の治療後のケアも非常に重要です。大学病院や市中病院では急性期の治療が中心ですが、その後の継続的なケアを地域で支えていく役割を担いたいと考えてきました。人と人とのご縁を大切に、誠意を持って患者さんに寄り添える医療を提供したいという思いから開業を決意しました。

この地で開業された理由は何ですか?

ここ六甲道は私が生まれ育った場所で、地域に根差した医療を通じて恩返しがしたいという特別な思い入れがあったからです。また、高齢化が進み、平均寿命が延びたことで、心不全患者は増加しています。新型コロナウイルス感染症の流行以前から「心不全パンデミック」ともいわれているほどです。医学の発達で治療法は進化していますが、私は薬物療法だけでなく、患者さんの生活状況に合わせた食事指導や運動療法といった包括的なケアが必要だと考えています。特に心臓リハビリテーションは、病気の進行防止や健康維持に大きく貢献します。この地域にそうした専門的なケアを提供できる医療施設をつくりたいと考えて、心臓リハビリテーション設備を備えたクリニックを開業しました。

主な患者層と主訴を教えてください。

佐野浩之院長 さの内科循環器クリニック2

現在は男女比はほぼ半々で、さまざまな年齢層の方にご来院いただいていますが、特に心疾患がある方が多いですね。具体的には、狭心症や心筋梗塞後などの虚血性心疾患の方、心不全の方、心臓手術後の方などです。また最近では、健康意識の高まりもあり「体を動かしたいけれど心配」というご高齢の方も多く来院されますね。安全に運動できる環境で健康を維持したいというニーズにお応えしたいと考えています。特に、ご高齢の方は心臓の問題とともに栄養面での課題を抱えていることが多いです。当院では栄養管理にも力を入れており、管理栄養士と連携しながらバランスの取れた食事が取れるよう支援しています。

患者の希望を尊重し、健康を守るため多職種連携を実施

診察や検査において、特にこだわっている点を教えてください。

佐野浩之院長 さの内科循環器クリニック3

循環器疾患は迅速な判断が重要なため、その場での的確な診断ができるようこだわっています。心電図検査や血液検査、超音波検査などを活用することで、早期に異常を発見して、病気の進行防止につなげられると考えているからです。それと同時に、検査の必要性や結果についても丁寧に説明し、患者さんの負担を最小限に抑えるため、できるだけ体に負担の少ない検査を優先しています。何より大切にしているのは、患者さんの意思の尊重です。一方的に指示をするのではなく、患者さんがどのように考え、何を望んでいるのかをしっかり伺って、一緒に方針を決めていくスタイルを大切にしていますね。病気と向き合うのは患者さん自身ですから、その方の人生観や価値観を尊重した医療を提供したいと考えています。

治療後のフォローアップにはどのように対応されていますか?

当院の特徴の一つが、心臓リハビリテーションを通じた継続的なフォローアップです。特に力を入れているのがCPX(心配運動負荷試験)という検査で、患者さん一人ひとりに合わせた運動を、安全性に気を配りながら提供できます。「どこまでが安全な運動で、どこからが危険な運動か」を詳細に把握し、それに基づいた運動プログラムを提案します。患者さんの状態を確認するため、半年後や10ヵ月後に再度検査を行い、運動強度を調整することもあります。また、栄養面でも管理栄養士が個別にアドバイスを行っています。心不全の患者さんには塩分制限が必要ですが、あまり厳しくしすぎると食欲が落ち、栄養不足になることもあるんです。適切な栄養摂取と塩分制限のバランスを取りながら、おいしく食べられる工夫を提案しています。これらの取り組みを通じて、入院や手術後の社会復帰を支援し、将来的な予防をめざします。

患者さんの不安に対しては、どのように寄り添っていますか?

佐野浩之院長 さの内科循環器クリニック4

心臓の病気は命に関わるため、患者さんの不安は大きいものです。私自身も入院経験があり、患者さんの立場を少なからず理解しているつもりです。だからこそ、お話をしっかり聴くことを第一に考えています。「どう思っているのか」「どのように生活していきたいのか」を丁寧に聞き取り、患者さんの人生のサポートをすることが私の役割だと思うんです。限られた診療時間の中でも、要点を絞りながら患者さんの本当の気持ちを理解できるように、患者さんの不安や希望をきめ細かく把握するよう心がけています。また、当院では多職種連携を重視しており、医師・看護師・理学療法士・管理栄養士がチームとなって患者さんをバックアップ。さまざまな専門家の視点から患者さんを総合的にケアして、安心感を持っていただけるように努めています。

地域医療の連携を深め、生まれ育った地域へ貢献

今後、クリニックとして挑戦したい分野や展望をお聞かせください。

佐野浩之院長 さの内科循環器クリニック5

心臓リハビリテーションを通じて患者さんの健康寿命を延ばすことが、私たちの大きな目標です。また、予防医療にも一層力を入れていきたいです。病気の早期発見・早期治療はもちろんのこと、生活習慣の改善や定期的な健康チェックを通じて、病気になる前の段階からサポートしていく体制を整えていきたいです。さらに、スタッフ教育にも力を入れていく予定です。心臓リハビリテーションの理解を深める勉強会や、新たな医学知識を学ぶ機会を定期的に設けたいと思っています。医学は絶えず進歩していますから、新しい薬剤やガイドラインの変更など、常に新しい情報を取り入れることで、患者さんにより良い医療を提供していきたいと考えています。

地域医療への貢献については、どのようにお考えでしょうか?

地域の方々の健康を守るため、近隣の病院やクリニックとの連携を強化していきたいと考えています。神戸大学医学部附属病院、神戸市立医療センター中央市民病院、甲南医療センター、神戸赤十字病院、神戸労災病院、神鋼記念病院など多くの医療機関と連携体制を構築しています。今後は、患者さんに適切な医療を提供するハブとしての役割を担い、必要に応じて専門的な検査や治療ができる医療機関への橋渡しをしていきたいと思います。また、各医療機関の強みを生かしながら、患者さんにとって最適な医療選択ができるよう支援していきます。将来的には、地域の方々に向けた心臓病予防や健康維持に関する講演会も開催し、医療知識の普及活動にも取り組みたいと考えています。健康に関する知識を持ち、自分自身の健康管理に積極的に取り組んでいただけるよう支援していきたいです。

最後に地域の皆さんへのメッセージをお願いします。

佐野浩之院長 さの内科循環器クリニック6

病気になることは確かに悲しいことですが、人生の中で何か意味のある出来事かもしれません。「このままでは駄目ですよ」という体からのメッセージかもしれないし、何かを知るためのきっかけかもしれません。私自身も病気で入院した経験があります。ですから、患者さんの気持ちを少しでも理解してお話を伺っていきたいという思いがあります。一緒に考え、どういう方針が最も幸せなのか、どうすれば最良の形になるのかを模索することが、私の生きる意味だと思っています。どうぞ気兼ねなく何でもご相談ください。症状が軽いうちに来ていただくことをお勧めします。「こんなことで受診して良いのかな」と迷われたら、ぜひ一度ご来院ください。

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