槇田 智生 院長の独自取材記事
北松戸駅前おなかと内科・内視鏡クリニック
(松戸市/北松戸駅)
最終更新日:2025/07/07

JR常磐線北松戸駅から徒歩1分の「北松戸駅前おなかと内科・内視鏡クリニック」。院長の槇田智生先生は、大学病院や松戸市立病院(現・松戸市立総合医療センター)など、地域の基幹病院でクローン病や潰瘍性大腸炎といった炎症性腸疾患の治療を数多く経験してきた消化器内科のエキスパートだ。おなかの病気はもちろんのこと、地域のかかりつけクリニックを担いたいという想いで開業し、一般内科診療や、糖尿病、高血圧、脂質異常症などの生活習慣病の治療を中心に行っている。かかりつけ患者の消化器系疾患の症状を見逃さず、内視鏡検査にも対応してくれるのが同院の特徴だ。相談しやすく、来てよかったと思えるクリニックをめざしているという槇田院長に、地域医療に向き合う想いなどを詳しく聞いた。
(取材日2025年6月18日)
地域のかかりつけ医として専門性を生かした診療を提供
まず、開業までの経緯を教えてください。

千葉大学医学部を卒業後、千葉大学医学部附属病院や千葉市立青葉病院などで経験を積みました。大学院に進学し、腸管の動きの研究に携わった後、松戸市立病院(現・松戸市立総合医療センター)で8年間勤務。消化器内科、特に炎症性腸疾患治療の研鑚を重ね、内視鏡を使ってがんの早期発見と治療ができることにもやりがいを感じていました。そんな中で、地域には炎症性腸疾患に対応できる紹介先があまりなく、患者さんが基幹病院に集中し、予約がなかなか取れない状況を目にしていたんです。そうした課題を踏まえ、基幹病院と連携しながら、患者さんが安心して受診できる場所をつくりたいと考えるようになりました。そして、千葉市内のクリニックでさまざまな内科、消化器内科の診療を担当してから開業しました。
クリニックの特徴についてお聞かせください。
一般内科や消化器内科とともに、専門的な消化器疾患診療も可能なところが当院の特徴だと考えています。風邪や発熱といった内科診療から、糖尿病や高血圧、脂質異常症などの生活習慣病、おなかの不調まで幅広く対応しています。消化器内科の分野では、これまでクローン病や潰瘍性大腸炎といった炎症性腸疾患の診療に多く携わってきました。この病気は専門的な知識と継続的な診療が必要です。若い世代が罹患するケースも増えており、就職活動や仕事のキャリアに影響を与えています。そうした患者さんが、制限の少ない状態で日常生活が送れるように力になれたらと思っています。また、胃や大腸の内視鏡検査を実施しており、精密で苦痛の少ない検査を心がけています。
現在は、どのような症状の方が多いのでしょうか?

おなかの調子が悪い方をはじめ、風邪や体のだるさ、生活習慣病の治療でも来院されています。2025年4月に開業したのですが、20〜30代の若い方の受診が多いことに驚きました。「おなかの調子が悪いけれど、どこに相談したら良いかわからなかった」と話される方も多く、そうしたニーズの高さも実感しています。実際、機能性ディスペプシアや過敏性腸症候群などでつらい思いをなさっていた患者さんもいらっしゃいます。こうした症状にしっかり向き合える場所として、安心していただけるよう努めています。当院としては、内視鏡検査もできる地域のかかりつけクリニックをめざしていますので、身近な不調で気軽に相談していただければと思います。
安心感と高度なスキルを両立させた内視鏡検査
胃と大腸の内視鏡検査について、詳しく教えてください。

胃と大腸の内視鏡検査に対応しており、胃は経鼻と経口のどちらかを希望に応じて選んでいただけます。「苦しかった」という経験を持つ方も多いため、うとうとした状態で受けられるように鎮静剤を使うなど、苦痛の少ない検査を心がけています。大腸では、軸保持短縮法という技術によって、腸への負担を抑えながら丁寧に検査。さらに膨満感の苦しさの軽減に努め、炭酸ガスを使用することもあります。新鋭の内視鏡機器を導入し、小さな病変も見逃さない、高精度な診断も可能になっています。「また受けても良い」と思ってもらえるような、少しでも楽で、安心できる検査を提供することが目標です。決まった方法ではなく、患者さんお一人お一人の症状やご希望に寄り添いながら検査・治療を行うことを大切にしています。
どんな人が内視鏡検査を受けたほうが良いのでしょうか?
胃に痛みがあったり血便が出たりする方は、すぐに受けていただきたいです。もっと大切なのは、症状がないうちに検査をすることです。胃がんや大腸がんの治療をするには、早期に見つけることが大事です。治療がしやすいのは初期の段階だけで、症状が出てからでは手遅れになることもあります。大学病院や地域の基幹病院に勤務していた時は、そのような患者さんを診療し、もう少し早ければと悔しい思いも経験してきました。大腸内視鏡は、胃カメラよりハードルが高い印象を持たれがちですが、症状のない段階でポリープなどの前がん病変を見つけられれば、将来のリスクを下げられる可能性があります。40代から50代に入ったら、定期的な検査を意識していただきたいですね。医療保険の仕組み上、症状がないと受けにくい部分もありますが、気になることがあれば早めにご相談いただければと思います。
内視鏡検査の際に、意識していることはありますか?

特に意識しているのは、検査中に患者さんが不安を感じないようにすることです。内視鏡検査が苦しいと感じる原因は、身体的な苦痛もですが、「次に何が起こるのかわからない」という不安から来ることが多いと感じています。視界も制限されているため、どうしても緊張してしまいます。そのため、常に「少しおなかが張るかもしれません」「ここで少し楽になります」など、患者さんに声をかけ、何が起きるかをお伝えするようにしています。知らずに受けるのではなく、理解した上で受けることが、安心にもつながると考えています。また、検査の際は不必要な操作はせず、必要な動きだけを丁寧に行うことで、体への負担を最小限に抑えられるよう努めています。鎮静剤を使う患者さんには、検査結果や注意事項などを検査後にしっかり説明させていただく旨を、検査前にお伝えしています。
相談しやすく、来て良かったと思える場所に
診察をする上で、どんなことを心がけていますか?

どれだけ忙しくても、患者さんを流れ作業のように診ることはありません。お一人お一人の話をしっかり聞き、疑問や不安に丁寧に向き合うことを心がけています。中には、聞きたいことがあっても遠慮してしまう方もいらっしゃいます。そうした表情を感じたときは「何か気になることはありますか?」と、こちらから声をかけるようにしながら、患者さんの本音や不安を受け止める診療をめざしています。また、スタッフにも「患者さんのお話をしっかり聞きましょう」と伝えており、クリニック全体で、患者さんに寄り添う空気をつくるようにしています。「このクリニックに来て良かった」と感じてもらえるような信頼関係を築いていきたいですね。
今後の展望について教えてください。
消化器に強みを持つ地域のかかりつけクリニックとして、おなかの不調がある方や生活習慣病の方を支えられるクリニックにしていきたいです。内視鏡検査を軸の一つとしながらも、検査だけのクリニックにはしたくありません。おなかの不調に限らず、生活習慣病など幅広い疾患に対応し、内視鏡は診断や問題解決の一手段として位置づけています。これまでに培った専門知識を保ちながら、診療の質や説明の丁寧さには妥協せず、患者さんのお役に立ちたいと思っています。地域のかかりつけ医として、いろんな方から頼っていただける存在になれたらうれしいです。
最後に、読者にメッセージをお願いします。

おなかの不調は、なかなか相談しにくかったり、どこへ行けば良いのかわからなかったりする方が多いのだと、日々の診療を通して感じています。当院は「おなかと内科・内視鏡クリニック」と名乗っているとおり、おなかの症状でお困りの方に気軽にご相談いただける場所でありたいと思っています。一方で、生活習慣病をはじめとする内科疾患全般で地域の方を支えるかかりつけクリニックでありたいと思っています。体調に関して少しでも気になることがありましたら、どうぞ遠慮なくいらしてください。話を聞くだけでも安心していただけることもありますし、そこから適切な検査や治療につながることもあります。地域の皆さんにとって、気軽に立ち寄れて、しっかり相談できるクリニックであり続けたいと思っています。