生理痛・PMS・更年期障害など
年代ごとの女性の悩みをサポート
レディウェル神戸クリニック
(神戸市中央区/神戸駅)
最終更新日:2025/05/26


- 保険診療
月経困難症やPMS(月経前症候群)、無月経、月経不順、不妊症や更年期障害など、子宮や卵巣、ホルモン周期などにまつわる女性特有の病気につらさを感じる人は多い。例えば、生理痛や生理の経血量が多い場合、子宮筋腫や子宮内膜症などの病気が隠れていることもあり、将来の妊娠にも関わるだけに早めの診断と治療が重要だ。また、女性ホルモンの減少に体が慣れないことでさまざまな症状を引き起こす更年期障害は、ホルモン感受性の違いで症状の有無も異なる。女性特有の病気は、ライフステージやホルモンバランスの変化によって発症リスクが異なるため、周囲の理解が得られにくい場合もあるだろう。日本産科婦人科学会産婦人科専門医で、産科や不妊治療にも詳しい藤森由香院長に、女性特有の病気の特徴や治療について話を聞いた。
(取材日2025年5月3日)
目次
女性医師の視点で、子宮や卵巣、ホルモン周期などにまつわる女性特有の病気をサポート
- Q月経困難症や月経前症候群で悩まれている人は多いそうですね。
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A
▲女性の悩みをしっかりと受け止め、一人ひとりに寄り添う
月経前症候群は、排卵後から月経直前まで出る妊娠のためのホルモンである黄体ホルモンへの感受性の差で症状が異なります。体が未熟な若い人に出やすい印象ですね。症状によって吐き気止めやイライラを抑える心療内科系の薬や漢方薬による治療のほか、ホルモンの波を下げるためのピルが選択されます。受診される方の症状で多いのは、生理痛、生理の量が多いなどの悩みですが、生理前が一番つらいという人もかなりいらっしゃいます。ホルモンによる治療に躊躇する人がいるかもしれませんが、学生であれば学業に影響する場合もありますから、月経困難症や月経前症候群の症状で悩んでいる方はぜひ受診してもらいたいですね。
- Q具体的な治療についても教えてください。
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A
▲検査結果をもとに、丁寧な説明を心がけている
低用量ピルの服用によって、月経血量や生理痛の軽減を図っていきます。ピルには卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)という2種類の女性ホルモンが配合されています。ピルに近い薬で、1種類のホルモンであまり自分の女性ホルモンを下げすぎないような薬もあります。2種類配合のピルでも、赤ちゃんの時に出ている女性ホルモンを使った天然型の体への影響に配慮したものなど、さまざまな種類があり、昔に比べて費用など経済的な負担も軽減されています。飲み始めは、気持ち悪くなる、不正出血などの症状が出ることがありますが、副作用がある程度落ち着くまで最低でも3ヵ月は続けてほしいですね。
- Q生理痛や生理不順などを放置するリスクは?
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A
▲血圧計や骨密度測定装置などを備え、さまざまな検査に対応
生理痛の原因は、子宮内膜症であることも考えられます。子宮内膜は胎盤のもとになる部分で、妊娠が成立しなければ、生理となって流れていきます。この子宮内膜に似た組織が子宮以外にできる子宮内膜症や子宮の筋肉層にできる子宮腺筋症によっても生理痛が強くなります。初期の状態ではエコー検査でも見えにくいことがあり、生理痛があるけれど問題ないと言われて放置すると、子宮内膜症がどんどん悪化する可能性があります。ピルは子宮内膜症の治療にも使われるお薬なので、痛み止めだけの対症療法に比べて将来の病気を未然に防ぐためにも有用です。また、子宮内膜症、子宮腺筋症は、不妊症の原因となり得るので注意が必要です。
- Q不妊治療はどこまで対応しているのですか?
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A
▲人工授精までの一般不妊治療にも対応している
当院では人工授精までの一般不妊治療に対応しています。薬を飲まなければまったく生理が来ない人や、手術を要する子宮内膜症の可能性がある人など、難治性だと判断したら早い段階で不妊治療専門の先生を紹介します。不妊治療専門の医療機関へ行くことに抵抗を感じる人は、医療の入り口として当院にお越しください。基本的な定義では、妊娠を望んでいるのに1年たっても妊娠しない場合、不妊症と診断されますが、高齢化も不妊の原因なので40歳になる前に体外受精に踏む込むことをお勧めします。最近は、妊娠を希望した時点でブライダルチェックを希望する人も多いので、検診を兼ねて基礎体温のつけ方など簡単なアドバイスを受けに来てください。
- Q更年期障害の治療法について教えてください。
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A
▲「早めの診断と治療が重要だ」と話す藤森院長
更年期障害の症状は、ホットフラッシュや発汗、冷えやのぼせなどの血管運動神経障害、疲労、睡眠障害、めまい、イライラする、肩凝り、関節の違和感などさまざまです。症状は約8割の人が感じるといわれており、治療対象は症状によって生活や仕事に影響が出てしまうケース。閉経の平均は45歳から55歳といわれていますが、この年齢は家族の環境も変わる時期なので、更年期障害なのか、それとも別の病気や精神的なものなのかの見極めが大切です。不足したエストロゲンを補うためのホルモン補充療法(HRT)で、体の変化をソフトランディングさせることをめざし、生理が終わった数年後に現れる萎縮性膣炎や違和感の予防にもつなげていきます。