浦田 泰平 院長の独自取材記事
UT整形外科 武蔵浦和
(さいたま市南区/武蔵浦和駅)
最終更新日:2026/03/27
武蔵浦和駅から徒歩2分の医療モール内に開業した「UT整形外科 武蔵浦和」。院長の浦田泰平先生をはじめとして穏やかな笑顔のスタッフたちが迎えてくれるクリニックだ。和モダンな内装で彩られた院内は、心落ち着く空間。慌ただしい雰囲気が苦手な人もリラックスして過ごせるだろう。東京大学医学部附属病院などで膝関節をメインに数々の高難度手術を行ってきた浦田院長。難症例の患者と向き合う中で「こうなる前にできることはなかったのか」と、予防医療やリハビリテーションの重要性を再認識する。さらに、手術を得意としながらも「患者が喜ぶのは手術ばかりではない」との気づきを得て、開業に至ったという浦田院長に、これまでの歩みなどを詳しく聞いた。
(取材日2025年4月26日/情報更新日2026年2月20日)
リハビリをはじめ体に患者に負担の少ない治療に意欲
こちらのクリニックの特色をお聞かせください。

目標としているのは、患者さんにとって身近な場所で行う「明るく、健康な時間を延ばす治療」です。できる限り手術に至らずに済むように予防医療や早期治療、リハビリの介入に重点を置き、注射療法なども取り入れながら患者さん一人ひとりの生活の質を向上させる手助けをしていきたいと考えています。脊椎が専門の非常勤医師もいて、膝と脊椎が強みではありますが、幅広い整形外科疾患に対応可能です。リハビリルームには理学療法士が常駐し、物理療法だけではなく運動療法にも力を入れています。患者さんはもちろんスタッフも心地良く過ごせるように、土壁のような壁紙や間接照明の多用など、穏やかな雰囲気づくりにもこだわりました。
リハビリルームが広々としていますね。
整形外科クリニックで運動器リハビリを実施するための施設基準を45平米も上回る広さにしたのは、予防の観点からリハビリの大切さを痛感しているからです。大学病院や市中病院ではせっかく手術が成功しても、リハビリに通えずに関節が固まってしまう患者さんもいて、悔しい思いもたくさんしました。そういった方を一人でもなくすのが願いなので、どこかで手術をしてリハビリだけ当院を利用していただくのでも問題ありません。そのほか、骨粗しょう症でよく見られる背部痛、骨折、関節リウマチへのリハビリなど、患者さんの運動器の症状に応じてオーダーメイドのメニューで対応しています。腰痛などは整体院に通われる方も多いかもしれませんが、検査と診断に基づき整形外科でリハビリを行うという選択肢もあることを広めたいです。
患者さんと接する際に何を大切にしていますか?

患者さんのお話にしっかりと耳を傾けることを大切にしています。しかし、限られた診察時間の中で会話だけしていればいいのではなく、必要な検査と診断もしていかなければいけません。そのため、当院では経験豊富な診療放射線技師が常駐して円滑に画像検査を進められるようにし、できるだけ診療までの時間を短縮できるように試みていますが、それでも患者さんの言いたいことにすべて対応する時間がないときもあります。なぜならば、膝痛で来た患者さんが、肩や腰にも痛みを抱えていながらも、なかなか言い出せずにいるケースも少なくないからです。何回か通ううちに心を開いて話してくれる患者さんもいますし、たとえ時間がかかっても、全身の気になる部分を取りこぼしなく診ていきたいと思っています。
精度を追求した骨密度検査と骨粗しょう症の治療に注力
こちらでは骨粗しょう症の検査に力を入れているそうですね。

骨粗しょう症は自覚症状がなく、患者さんご自身が気づくことは難しい病気です。閉経後の女性に多く見られますが、子宮内膜症治療や月経困難症の改善のために特定の薬を長く使用されている場合も骨密度に影響が出る可能性が指摘されています。進行してしまうと、転倒などの些細な衝撃で骨折をして、歩行困難や寝たきりになることもあります。そのため、早い段階で治療をスタートできるよう、検診を受けていただくことが重要です。当院では、DEXA(デキサ)法により検査を実施しています。簡易な骨密度測定は手首などで検査をすることもありますが、より精度の高いデータを測定するため、DEXA法では腰椎、大腿骨の骨密度を測ります。MRIやCTと異なって侵襲性が低く、5分ほどの短時間で検査が完了するため、患者さんの負担が少ないことも特徴です。
治療に際しては注意すべきポイントもあるとお聞きしました。
骨粗しょう症治療の目的は、骨密度の低下を抑え、骨強度を改善して骨折を未然に防ぐことです。治療の中心は薬物療法で、患者さんの症状や進行度に合わせて治療薬を選択します。生活習慣の影響も大きいので、薬物療法だけでなく食事指導、運動指導も並行して行うことが大切です。よく患者さんにお伝えしているのですが、体が骨をつくる際に欠かせないビタミンDを活性化させるためには、日光に当たることが肝心です。また、治療薬の中には顎の骨の動きを抑えてしまう薬もあり、顎骨壊死につながることもあります。骨粗しょう症の治療を開始するための準備として歯の治療をしていただく必要があったり、あるいは治療中に歯科治療が必要になった際には骨粗しょう症の治療を中断する必要があったりなど、歯科との関連が実は深いのです。ご不安に思うことがあれば、些細なことでもご相談していただきたいですね。
先進的な研究にも着目しているそうですね。

関節の痛みを取るためには、ヒアルロン酸やステロイド剤を注入するという手法もあります。ただ、ステロイド剤は何度も使用していると腱や軟部組織を痛めてしまうデメリットがあり、関節内への注入も推奨されていません。一方、最近ではPRP(多血小板血漿)や幹細胞に関する研究も進んでいて、重度の関節症に至る前ならば、手術を回避するために役立てられるのではないかともいわれています。これが普及すれば、保険診療であらゆる手を尽くしてもどうしても痛みが取れない患者さんも救えるのではないかと、私も大いに期待しているところです。
プライマリケアクリニックとして家族全員の健康を守る
開業までの歩みを教えてください。

高校時代、将来は誰かを助ける仕事をしたいと医師に魅力を感じ、東京大学医学部に進学しました。大学卒業後は同大学医学部附属病院整形外科教室に入局。その後、約20年にわたり、虎の門病院など9つの病院に派遣され医療に携わってきました。整形外科は病院ごとに得意分野が異なるので、専門とする膝関節以外の分野も偏りなく研鑽を積めたと自負しています。スポーツ障害では関節鏡下手術、変形性膝関節症に対しても一般的な人工関節置換術だけではなく、単顆置換術や骨切り術なども行っていました。一方で、「できれば手術を避けたい」という患者さんの本音を聞く場面もあり、「難しい治療だけが患者さんを喜ばせるのではない」という気づきが、開業への背中を押してくれました。クリニック名は、名前のイニシャルと母校の東京大学の英語略称UniTokyoにもちなんで、これまで学んできた知識と経験を診療に生かしていこうとこの名前に決めました。
今後、こちらをどのようなクリニックにしていきたいですか?
武蔵浦和で「整形外科といえば、UT整形外科 武蔵浦和」と思っていただけるように、地域の方々が安心して通えるクリニックにしていきたいです。そのためにも、正確な診断のための検査体制も整えました。エックス線検査、超音波検査だけではなく、お隣のMRI検査専門クリニックとも密に連携し、患者さんに遠方まで足を運んでいただくことなく必要な検査が一通りできるようにしていきたいです。今後はオンライン診療も開始する予定です。薬の種類によってはオンラインでの服薬指導と配送もできる体制を整えていきますので、定期的な通院が必要であるにもかかわらず難しい方、感染症に対する不安がある方などに活用していただければと思います。
最後に読者へのメッセージをお願いします。

どんな小さなお悩みでも遠慮なく受診していただければと思います。一方、手術が必要となっても、さまざまな病院の特徴を熟知している強みを生かし、適切かつ迅速につなげていくのでご安心ください。当院でできる限りの検査を行い、その結果を添付した紹介状を持って受診すれば、例えばMRIの再検査といった二度手間も回避できます。もちろん、術後のリハビリは当院にお任せください。プライマリケアクリニックとして、お子さんからご高齢の方まで、家族みんなのかかりつけ医になれたらと願っています。

