浦田 泰平 院長の独自取材記事
UT整形外科 武蔵浦和
(さいたま市南区/武蔵浦和駅)
最終更新日:2025/06/03

武蔵浦和駅から徒歩2分の医療モール内に開業した「UT整形外科 武蔵浦和」。院長の浦田泰平先生をはじめとして穏やかな笑顔のスタッフたちが迎えてくれるクリニックだ。和モダンな内装で彩られた院内は、心落ち着く空間。慌ただしい雰囲気が苦手な人もリラックスして過ごせるだろう。東京大学医学部附属病院などで膝関節をメインに数々の高難度手術を行ってきた浦田院長。難症例の患者と向き合う中で「こうなる前にできることはなかったのか」と、予防医療やリハビリテーションの重要性を再認識する。さらに、手術を得意としながらも「患者が喜ぶのは手術ばかりではない」との気づきを得て、開業に至ったという浦田院長に、これまでの歩みなどを詳しく聞いた。
(取材日2025年4月26日)
より患者の近くで予防的な医療に取り組むために開業
クリニック名のUTにはどのような意味が込められているのでしょうか。

名前のイニシャルであり、母校の東京大学の英語略称UniTokyoにもちなんで、これまで学んできた知識と経験を診療に生かしていこうとこの名前に決めました。といっても、実はもともとは医師志望ではありませんでした。高校時代に医学部は視野になく、大半が理学部に進学する理科二類に入学しています。しかし、あらためて将来を考えた時、誰かを助ける仕事をしたい、中でも目の前の患者さんに「ありがとう」と言ってもらえる医師はいいなと考えるようになりました。そこで、医学部健康科学科に進学し、医学科へ学士入学をしました。大学入学後もコツコツと努力を続けたのが良かったと思っています。
開業までの道のりも教えていただけますか?
大学卒業後は同大学医学部附属病院整形外科教室に入局。その後、約20年にわたり、虎の門病院など9つの病院に派遣され医療に携わってきました。整形外科は病院ごとに得意分野が異なるので、専門分野以外も偏りなく研鑽を積めたと自負しています。専門としていたのは膝関節で、スポーツ障害では関節鏡下手術、変形性膝関節症に対しても一般的な人工関節置換術だけではなく、単顆置換術や骨切り術なども行っていました。でも、患者さんにしてみれば「できれば手術は避けたい」というのが本音です。趣味のスキーを不安なく楽しむためどうしても手術を回避したいという患者さんに温存療法を試みたことがあるのですが、「難しい治療だけが患者さんを喜ばせるのではない」と、開業への背中を押された経験でしたね。
こちらのクリニックの特色をお聞かせください。

目標としているのは、患者さんにとって身近な場所で行う「明るく、健康な時間を延ばす治療」です。できる限り手術に至らずに済むように予防医療や早期治療、リハビリの介入に重点を置き、注射療法なども取り入れながら患者さん一人ひとりの生活の質を向上させる手助けをしていきたいと考えています。脊椎が専門の非常勤医師もいて、膝と脊椎が強みではありますが、幅広い整形外科疾患に対応可能です。リハビリルームには理学療法士が常駐し、物理療法だけではなく運動療法にも力を入れています。患者さんはもちろんスタッフも心地良く過ごせるように、土壁のような壁紙や間接照明の多用など、穏やかな雰囲気づくりにもこだわりました。
リハビリをはじめ体に患者に負担の少ない治療に意欲
リハビリルームが広々としていますね。

整形外科クリニックで運動器リハビリを実施するための施設基準を45平米も上回る広さにしたのは、予防の観点からリハビリの大切さを痛感しているからです。大学病院や市中病院ではせっかく手術が成功しても、リハビリに通えずに関節が固まってしまう患者さんもいて、悔しい思いもたくさんしました。そういった方を一人でもなくすのが願いなので、どこかで手術をしてリハビリだけ当院を利用していただくのでも問題ありません。そのほか、骨粗しょう症でよく見られる背部痛、骨折、関節リウマチへのリハビリなど、患者さんの運動器の症状に応じてオーダーメイドのメニューで対応しています。腰痛などは整体院に通われる方も多いかもしれませんが、検査と診断に基づき整形外科でリハビリを行うという選択肢もあることを広めたいです。
先進的な研究にも着目しているそうですね。
関節の痛みを取るためには、ヒアルロン酸やステロイド剤を注入するという手法もあります。ただ、ステロイド剤は何度も使用していると腱や軟部組織を痛めてしまうデメリットがあり、関節内への注入も推奨されていません。一方、最近ではPRP(多血小板血漿)や幹細胞に関する研究も進んでいて、重度の関節症に至る前ならば、手術を回避するために役立てられるのではないかともいわれています。これが普及すれば、保険診療であらゆる手を尽くしてもどうしても痛みが取れない患者さんも救えるのではないかと、私も大いに期待しているところです。
患者さんと接する際に何を大切にしていますか?

患者さんのお話にしっかりと耳を傾けることを大切にしています。しかし、限られた診察時間の中で会話だけしていればいいのではなく、必要な検査と診断もしていかなければいけません。そのため、当院ではプロフェッショナルな診療放射線技師が常駐して円滑に画像検査を進められるようにし、できるだけ診療までの時間を短縮できるように試みていますが、それでも患者さんの言いたいことにすべて対応する時間がないときもあります。なぜならば、膝痛で来た患者さんが、肩や腰にも痛みを抱えていながらも、なかなか言い出せずにいるケースも少なくないからです。何回か通ううちに心を開いて話してくれる患者さんもいますし、たとえ時間がかかっても、全身の気になる部分を取りこぼしなく診ていきたいと思っています。
プライマリケアクリニックとして家族全員の健康を守る
今後、こちらをどのようなクリニックにしていきたいですか?

武蔵浦和で「整形外科といえば、UT整形外科 武蔵浦和」と思っていただけるように、地域の方々が安心して通えるクリニックにしていきたいです。そのためにも、正確な診断のための検査体制も整えました。エックス線検査、超音波検査だけではなく、お隣のMRI検査専門クリニックとも密に連携し、患者さんに遠方まで足を運んでいただくことなく必要な検査が一通りできるようにしていきたいです。リハビリに関しても、よりスムーズに予約できるよう、理学療法士を増やしたいと思っています。また、間もなくオンライン診療も開始する予定です。定期的な通院が必要であるにもかかわらず難しい方、感染症に対する不安がある方などに活用していただければと思います。薬の種類によってはオンラインでの服薬指導と配送もできるようにするのでお役立てください。
お忙しい毎日ですがリフレッシュ法などはありますか?
整形外科はスポーツが好きな医師が多いのですが、私もその一人です。中学時代はサッカー、大学時代は器械体操をしていました。ゆか、あん馬、つり輪、跳馬、平行棒、鉄棒などの各種目で大学生の大会に出場したこともあります。その頃は宙返りも余裕でできましたが、今はもう無理です(笑)。開業前はよくジムに足を運んでいたのですが、落ち着いたらまた何かスポーツに取り組みたいですね。試合に帯同するスポーツドクターの経験もありますし、スポーツ選手、運動系の部活動を頑張っている中高生、大人のスポーツ愛好家などのお役にも立てたらと思っています。
最後に読者へのメッセージをお願いします。

武蔵浦和駅から徒歩2分とアクセスも良いので、これまで通いやすい整形外科を探していた方もぜひ一度いらしてください。どんな小さなお悩みでも遠慮なく受診していただければと思います。一方、手術が必要となっても、さまざまな病院の特徴を熟知している強みを生かし、適切かつ迅速につなげていくのでご安心ください。当院でできる限りの検査を行い、その結果を添付した紹介状を持って受診すれば、例えばMRIの再検査といった二度手間も回避できます。もちろん、術後のリハビリは当院にお任せください。プライマリケアクリニックとして、お子さんからご高齢の方まで、家族みんなのかかりつけ医になれたらと願っています。