痛みや不快感を軽減させる工夫で
受けやすい胃・大腸内視鏡検査
広島八丁堀内科・胃腸内視鏡クリニック
(広島市中区/立町駅)
最終更新日:2025/12/25
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胃・大腸内視鏡検査は病気の早期発見、早期治療のため重要な検査だ。「広島八丁堀内科・胃腸内視鏡クリニック」の本田寛和院長も、「胃と大腸に関しては内視鏡検査に勝る検査はない」と強調する。一方で、特に初めて検査を受ける際には検査に伴う苦痛を想像し、不安を感じる人が多いのも事実。同院では患者の負担を抑え安心して検査を受けてもらえるよう、内視鏡検査を専門とする医師が検査を担当するのはもちろん、苦痛軽減と検査精度向上をめざして先進機器を積極的に導入。完全個室の検査室を用意し、プライバシーの保護にも努める。誰もが受けやすい検査の提供に力を注ぐ本田院長に、胃・大腸内視鏡検査それぞれの目的や同院の取り組み、検査の流れについて話を聞いた。
(取材日2025年11月29日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Q内視鏡検査でどのような病気がわかるのでしょうか。
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A
胃内視鏡検査では、胃がんのほかヘリコバクター・ピロリ菌感染症や胃潰瘍、逆流性食道炎など胃や食道の病気がわかります。胃バリウム検査で要精密検査といわれた方、痛み、吐き気など胃やその周辺に気になる症状がある方には胃内視鏡検査をお勧めします。また、胃がん検診では初めからバリウム検査ではなく胃内視鏡検査を選択するケースもあるでしょう。一方、大腸内視鏡検査は大腸がんのほか、潰瘍性大腸炎、クローン病といった炎症性腸疾患の有無を調べます。大腸がん検診の一次検査として受けた便潜血検査で陽性だった方、慢性的なおなかの痛みや便秘、下痢などの排便異常、血便、肛門からの出血がある方は大腸内視鏡検査を受けてください。
- Q内視鏡検査ではどのようなことを大切にされていますか?
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A
内視鏡検査では検査を受ける方の負担をできる限り減らすことが大切です。例えば胃内視鏡検査では、カメラが喉元を通るときに起こる嘔吐反射という反応があり、特に20~40代ぐらいの若い方に出やすいとされています。鎮静剤を使い、より細いカメラで検査を行えば嘔吐反射による不快感の軽減につながります。また、鎮静剤を希望されない方には鼻からカメラを入れる経鼻内視鏡もあります。近年はカメラの細さと画質の良さを兼ね備えた高性能の検査機器が登場しており、患者さんの負担軽減だけでなく、より精度の高い検査が可能になってきています。そのほか、当院ではリラックスして検査を受けていただくための環境整備にも力を注いでいます。
- Q大腸内視鏡検査の苦痛軽減のための工夫を教えてください。
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A
大腸内視鏡検査でよくあるのはおなかの張りなどの不快感です。これはカメラが腸の奥へ進む時に腸壁を押したり引っ張ったりすることや、腸を膨らませて観察しやすくするガスによるものです。当院では、極力ガスを使わずにカメラを入れる無送気軸保持短縮法という方法を実践しています。また、ガスは腸をしっかり膨らませる性質がありながら体内で吸収、排出されやすい二酸化炭素を使用し、圧迫感が長く残らないよう配慮しています。さらに、苦痛軽減や不安な気持ちを落ち着かせるために鎮静剤も活用。そして、胃・大腸ともに内視鏡検査を専門とする医師が検査を行っていることも、患者さんにとって安心材料になっているのではないかと思います。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1事前診察で検査の適応を確認
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検査日前に検査適応の判断のため事前診察を受ける。今回の検査目的、内視鏡検査の経験の有無や検査所見、アレルギーの有無、服用中の薬、病歴などを確認。大腸内視鏡検査では便秘の有無、既往症やその治療によって検査前の下剤内服に考慮が必要な場合もある。同院では検査日当日の事前診察にも対応しているが、大腸内視鏡検査については下剤の内服に特に問題がないと判断できるケースに限られるという。
- 2医師の指示のもと検査に備える
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大腸内視鏡検査の場合、毎日正常に排便があれば前日夜にコップ1杯分の下剤を服用。便秘しやすい人は、検査の5日前から処方された便秘薬を飲んだ上で前夜同量の下剤を服用する。また、いずれも前日は検査食の摂取が推奨される。こうした準備が、当日の下剤服用後のスムーズな排便につながる。胃・大腸ともに検査当日は食事を取らずにクリニックへ。午後に胃内視鏡検査を受ける場合には当日朝まで食事を取ることができる。
- 3大腸内視鏡検査では3~4時間前から下剤を服用
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大腸内視鏡検査では、自宅で下剤を飲む場合は検査予定時刻の4時間ほど前から、院内で服用する場合は3時間ほど前から下剤を飲み始める。下剤と水、合計約1.5~2リットルを90分かけて服用。脱水予防のため適切に水分を取ることも重要だ。飲み始めて30~60分で便意が見込める。強制的に排便を促すため便が緩くなるが心配は不要。便秘がある人の中には腸内がリセットされ、検査後に排便リズムが整うケースもあるという。
- 4内視鏡検査がスタート
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必要に応じて鎮静剤が投与され、内視鏡検査開始。胃内視鏡検査では当日の診察から検査、リカバリーまで所要時間は1時間程度。検査後の鎮静剤からの回復時間には個人差があるが、長くても2時間ほどですべて終了するという。体調が戻ったら結果説明を受けるため診察室へ移動する。同院では内視鏡検査を専門とする女性医師の診察日も設け、女性患者も安心して検査を受けられるよう配慮している。
- 5鎮静剤が完全に覚めたら結果説明を受ける
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鎮静剤から覚めるまでにかかる時間は少なくとも30分程度。十分に休んでから医師の説明を受ける。リカバリー時間を十分確保するのは、鎮静剤には健忘作用があるからだそう。しっかり覚める前に検査結果を聞くと帰宅してからその時の記憶がはっきりしないこともあるため、検査後の休憩は必須だ。なお、大腸内視鏡検査で組織検査やポリープ切除などを行った場合、病理学的検査に2週間ほど要するため後日改めて受診する。
自由診療費用の目安
自由診療とは胃カメラ/1万6500円〜、大腸カメラ/2万8000円〜、胃+大腸カメラ/4万4000円〜

