本田 寛和 院長の独自取材記事
広島八丁堀内科・胃腸内視鏡クリニック
(広島市中区/立町駅)
最終更新日:2025/06/06

広島市の中心地・八丁堀エリアに立地し、市電やバスなど各種交通手段でのアクセスがしやすい「広島八丁堀内科・胃腸内視鏡クリニック」。シンプルで無駄なく洗練された印象の院内は、3階が受付と診察室、4階が内視鏡検査室、5階がラウンジ兼待機スペースと、階層ごとに機能が分かれ、動線にも配慮されたプライバシー重視の設計がなされている。院長の本田寛和先生は、聖路加国際病院や倉敷中央病院で豊富な内視鏡検査・治療の経験を積み、カナダでの留学で知見を広げた後に、2025年3月に同院を開業した。患者の不安に寄り添う診療を重んじ、「一人でも多くの内視鏡検査を必要とする方へ、苦痛の少ない検査を提供していきたい」と意気込む本田院長に、同院の特長や診療にかける想いについて語ってもらった。
(取材日2025年4月23日)
国内外で培った専門知識と技術を、開業の礎に
医師をめざしたきっかけと、消化器内科を選んだ理由をお聞かせください。

両親がともに開業医であり、医療が常に身近にある環境で育ったことが大きいです。東広島の地でそれぞれの背中を見て育つうちに、自然と医師という職業が将来の選択肢となり、広島大学医学部へ進学しました。内科には大学時代から興味があり、特に「技を持てる内科医」になりたいという、はっきりとしたビジョンがありました。その延長線上で内視鏡の分野に強く惹かれ、消化器内科を専門に選びました。研修医期間を終えた後は、東京の聖路加国際病院や岡山の倉敷中央病院で研鑽を積みました。
医師となられて以降も、カナダ留学などで精力的に知識や技術を磨かれていらっしゃいます。
トロントのセントマイケル病院での2年間の留学を通じ、内視鏡での胃カメラ、大腸カメラを使った治療を磨くことができました。現地では、内視鏡治療を受ける患者さんが専門施設に集まるため、難易度の高い症例を目にすることが多かったですね。超音波内視鏡や特殊なカメラを使用した治療法を間近で学び、医師としてのスキルアップにつながったと思います。また、胃がん検診や大腸がん検診の充実を図りたい気持ちから、京都大学の社会健康医学系専攻で公衆衛生について学びました。開業を果たした現在、それらの経験や学びを診療に生かしていきたいです。
開業の場として、現在のビルを選ばれたのはなぜでしょう?

消化器内視鏡の専門クリニックとして、一人でも多くの患者さんに検査・治療を受けていただけるよう、アクセスの良さに重点を置きました。とりわけ当院では、患者さんの不安に寄り添った苦痛の少ない内視鏡検査をめざし、鎮静剤や鎮痛剤を使用しての検査・治療を主としております。そのため、自家用車での通院ではなく、公共交通機関で無理なく来院・帰宅できる環境が必要でした。バス、市電、電車など多様な交通手段が利用できる便利な立地で、地域を問わず多くの患者さんにご来院いただけると考えています。
充実の機器と設備で、検査時の負担軽減に配慮
患者さんへ寄り添う姿勢を大切にされている同院の、内視鏡治療の特徴を教えてください。

当院の内視鏡検査では、「できるだけ苦痛なく受けていただくこと」を重視しています。特に胃カメラは、喉の反射などで苦しさを感じる方が多いため、しっかりと鎮静剤を使用し、できる限り負担を感じさせないよう工夫しています。大腸カメラも同様に、痛みを最小限に抑えるため、鎮静剤や鎮痛剤を使いながら丁寧な挿入操作を心がけています。また、内視鏡検査室には先端の機器に加えてブルーライトを導入し、設備面でも快適性を追求しています。青い照明により、検査中もまぶしさが軽減され、患者さんがよりリラックスしやすくなるとともに、医師側にとってもモニター画面上で内蔵を診る際に補色効果で赤色が強調され、病変の発見がしやすくなるというメリットがあります。
開業以来、どういった患者さんが多く来られていますか?
最も多いのは、大腸がん検診で便潜血陽性となった方です。また、「お尻から血が出た」「便に血が混じっていた」といった症状で受診される患者さんも多く、これらの症状は大腸がんのリスクが考えられるため、大腸内視鏡検査をお勧めしています。便秘などの慢性的な便通異常に悩まされている方々で、これまで大腸内視鏡検査をしたことがないという方にも、一度受けていただくことが望ましいですね。近年、大腸がんは特に女性のがんの中で最も多い死亡原因となっており、早期に検査を受けることが健康を守るための第一歩となります。現代は忙しい方が多いことも受診のハードルとなっているかと思いますが、年代を問わず、より多くの方に内視鏡検査を受けていただけるための一助になれれば幸いです。
忙しい患者さんも来院しやすいよう、配慮されているのですね。

そうですね、忙しい患者さんの検査が先延ばしにならないよう、柔軟な対応を心がけています。内視鏡検査は事前に予約が必要だという印象が強いかもしれませんが、当日にご来院いただいた場合でも、空きがあればその場で検査を受けていただけますよ。大腸の場合はできれば事前に一度お越しいただくことをお願いしていますが、都合がつかない場合でも、事前にご連絡いただければ、可能な限り対応できるよう調整いたします。土日診療も行い、忙しい方にも検査が身近な存在となれるよう努めています。土日には特に予約が集中しますが、在籍する医師全員が日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医などの専門医資格を持ち、シフト制で対応しているため、どうぞ安心してご来院ください。
施設の充実ぶりからも、患者さんへの心遣いがうかがえます。
当院の特徴の一つとして、大腸カメラの準備をされる患者さんのための専用フロアがあります。5階にあるラウンジエリアでは、患者さんが落ち着いて下剤を飲める環境を整え、自宅でもできる準備を院内で安心して行っていただけるようにしています。プライバシーにも配慮し、半個室と完全個室を用意。半個室を使用する患者さんのために十分な個数のトイレを備えているのに加えて、55インチのテレビやトイレが設置された完全個室も設置。完全個室をご利用いただく患者さんはシャワールームもご使用いただけますし、半個室の患者さんもご希望があれば別途ご対応しています。検査の前後をできるだけストレスフリーにお過ごしいただける環境づくりに注力しました。
親身な診療で寄り添い、がんから患者を守りたい
これまでのご経験で、印象深い出来事はありますか?

以前に勤務していた病院で大腸がんを患った同僚の方のことは、今でも忘れられません。40代とまだ非常に若い方でした。進行がんが発覚し、私が主治医として治療を行っていたのですが、最終的にはお亡くなりになりました。現場の中心となって頼もしく働いていたような方が若くして命を落とされたことが衝撃的で、大腸がん撲滅の意志をいっそう強める出来事となったのです。その方や、これまで担当してきたがん患者さんたちの想いをきちんと受け止めるためにも、今を働く若い方たちの力になること、がんで苦しむ方や亡くなる方をゼロにすることが、現在の一番の目標になっています。
診療で、特に大切にされていることをお聞かせください。
やはり患者さんのお話をしっかり時間をかけて聞くことを心がけていますね。消化器の症状というのは生活に直結するプライベートな話題が多く、人に話しにくいと感じる方も少なくありません。そういった患者さんのお気持ちをくみながら、お話に丁寧に耳を傾けることで信頼関係を築き、安心して受診いただけるように意識しています。そうした対話をよく重ねた上で、 今後の治療につながる提案をさせていただくスタンスを取っています。
開業されて間もないですが、今後の展望をお聞かせください。また、読者へのメッセージをお願いします。

クリニックの名前にもある通り、内視鏡診療に丁寧に取り組んでいきたいです。胃カメラや大腸カメラの検査を、より多くの必要な方々に迅速かつ丁寧に提供できるよう、クリニック一丸で励んでいきます。また、個人診療に限らず、人間ドックや健康診断など、目立つ症状はないけれど健康を気遣いたいという方々のニーズにも応じるために、体制の整備を視野に入れています。ゆくゆくは皆さんに「胃カメラ、大腸カメラといえば八丁堀」と思っていただけるよう、内視鏡検査の重要性を広めていく方針を立てています。最後に、患者さんのご相談をいつでも受けられる場所でありたいと、強く思っています。胃腸の不調や不安があれば、どうぞ遠慮なくいらしてください。
自由診療費用の目安
自由診療とは胃内視鏡(観察のみ)/6000円程度、胃内視鏡+病理組織検査/9000円~1万5000円